ネギのカラオケ | …

i am so disapointed.

深夜にわりとビッグなビジネスが控えていたため、朝から仕事場に行ってゴチャゴチャやっていた。あらかじめ休みの日ではあったのだが、とにかく初期衝動でやりまくるという行動原理で動いているのと、じつはいまのところ思うような結果が出ていないので出るまでやり続けるという点から、このような感じになっている訳である。

 

一段落ついたので深夜まで休もうと思い、一旦、帰宅したのであった。思えば7月20日、Negiccoの結成記念日である。昨年は、新宿でバーベキューイベントに参加していた。ツイッターのタイムラインを見ていると、前日に新潟で行われたイベントに参加された方々の感想が多数流れてきていた。東京などの遠方から参加されている方々もたくさんいらっしゃり、同じレベルの活動など到底できそうにない私は、Negiccoファンとしては所詮は末端に過ぎないのだな、などと改めて思っていた。

 

とはいえ、ベスト・アルバム「Negicco 2011~2017 -BEST- 2」がリリースされたことにより、「Make Up Prelude」「ともだちがいない!」「くちびるにメロディ」を初めて音源として聴くことができるようになった訳である。既発曲と一足早く音源として公開されていた「愛は光」についてブログに書いていた流れで、この3曲についても一気に書いてしまおうと思い立った。

 

昼間ではあったがいつものようにアルコール飲料を摂取しながらブログを書き、適当に寝て起きたら丁度いい時間帯になっているはずなので、それから仕事場に行けばいいだろうと考えた。夢のようなプランニングである。

 

そして、「Make Up Prelude」については書いた。それから、「ともだちがいない!」を初めてイヤフォンでじっくりと聴いてみた。

 

この曲を初めて聴いたのは、4月に行われたZepp DiverCityでのライブにおいてであった。アンコールで新曲だと紹介されたその曲は、いわゆるギター・ロックのようであり、ポピュラー音楽のタイプとしてはわりとよくあるのだが、じつはNegiccoにとっては新しいのではないか、という気がした。

 

特に昨年リリースされたアルバム「ティー・フォー・スリー」はダンス・オリエンティッドな大人ポップという感じだっただけに、これはわりと新鮮であった。

 

ライブで聴いた時にもぼんやりとそのような印象はあったのだが、今回、イヤフォンでじっくりと聴いてみて、この曲が10代の心象風景のようなものをテーマにしていることが分かった。

 

そして、最近、このブログのタイトルを変えた私は、10代の初期衝動や情熱のようなものを行動原理として取り戻そうとしていて、そのような事情もあり、あまりにもその世界観が感情にフィットしてしまった。

 

これはそう簡単に感想をまとめられそうにないぞと思い、アルコール飲料の影響もあったので、イヤフォンで聴き続けながら自室に床に寝転んでいたところ、やはりNegiccoに会いに行かなければいけないのではないか、という気分になった。いまNegiccoは一体どこにいるのだ。

 

もちろん知っている。この日は、品川でカラオケイベントのようなものが行われるはずである。それは知っていたのだが、仕事の状況がこのような感じなので、とても行ける状況でも気分でもないと、そう思っていた訳である。しかし、現在の私にっとっては心に感じたことをすぐ行動に移すことも鍛錬の1つなので、早速そうしてみることにした。

 

当日券はどうやら無いようであり、そこであきらめかけたのだが、それでも最後の最後まで可能性を探り続ける執念のようなものも身に付けたいと思っているので色々やっていたところ、おそらく何らかのミラクル的なものが発動し、参加できる感じになったのである。

 

「ともだちがいない!」についてブログを書きはじめたノートパソコンの電源を落とし、シャワーを浴びて葱娘Tシャツに着替えた。勿論、バッグにはネギライトである。

 

電車の中で酔いをさましつつ、現地に着いた。会場の品川クラブexをGoogleマップで調べたところ、品川プリンスホテルの近くであった。この界隈には32年前の上京当時から何かと思い出がいっぱいなのだが、それらについては今回は割愛する。

 

初めてお会いする方々や何度目かの方などに軽く挨拶をしたりして、会場に入った。今回、このミラクル的なことの中心となった方は、ひじょうにお若い方であり、ずっと隣でイベントを楽しんでいたのだが、とても素晴らしい時間を過ごすことができた。感謝感激である。また、私と同じ北海道出身の方は、私の仕事関連の話にも食いついてくださり、それもまた愉快であった。そして、同じボックスでイベントに参加されていたとても美しい方からツイッターを相互フォローさせていただいたり、ご当地のお菓子をいただいたりしたのも、素晴らしい思い出に彩りを添えた。

 

そもそも数あるイベントの中から意図してこれを選んだ訳でもなく、じつは内容に関する理解も確かなものではなかった。Negiccoのメンバーが好きな曲をカラオケで歌うのを見て楽しむ、とそのような感じで何となく把握していた。

 

会場はステージを客席が360度囲むようになっていて、私たちの席は2階のボックス席のようであった。1つのボックスで6名だったのだが、かなりゆったりと観ることができた。

 

ステージ上にはカラオケボックスのようなセットが組まれ、前説のようなかたちで、事務所社長の熊さんとレーベルのNegicco担当である雪田氏によるゆるいトークが展開されていた。

 

その後、Negiccoが登場するが、あくまでカラオケボックスに3人で来ているという体で進行していく。まず、メンバーが私服のようであり、この辺りのカジュアル感が逆にプレミアムである。これがまた三者三様であり、このグループのバランスの良さというか組み合わせの妙を再認識させるものであった。かえぽの私服センスにおけるリアルなJD感とでもいうようなものに、かなりの好感を持った。

 

最初はNegiccoの「GET IT ON!」だったが、その後はそれぞれの好きな曲やファンからのリクエストに応えたり、会場に来ている女性ファンがメンバーのパートを歌ったり、様々な趣向で進行され、その合間に熊さんも加えたトークが挟まれるという感じであった。

 

ぽんちゃと熊さんの血液型が共にAB型であることから、AB'sなるデュオが急遽結成され、キャンディーズ「暑中お見舞い申し上げます」を歌った。AB'Sというバンドが1980年代に実在してシティ・ポップの名盤を残しているという話はまあ別にどうでもいいとして、熊さんのわりとソウルフルなボーカルがなかなかカッコよかった。

 

それにしても女性アイドルグループのメンバーと事務所社長とのデュエットをファンが笑顔であたたかく見守るという構図、やはりNegiccoというグループは特別なのである。

 

2013年に流行語大賞を受賞した林修先生の「いつやるか?今でしょ!」というフレーズを、Negiccoのリーダー、Nao☆ちゃんはいまだにやっている訳だが、この日も連発し、林修先生ではなくて自分が言った言葉として流行語大賞がもらえないだろうか、などと言っていた。いろいろすごいと思った。

 

また、Nao☆ちゃんといえばアニメソングが好きで、坂本真綾や中島愛をリスペクトしていることで知られているが、今回、中島愛がNEGi FESに出演することが決まったようである。アニメはあまり観なくてほとんど知らない私ではあるが、「星間飛行」という曲はかなりポップで良いのではないかと思い、好きな音楽をかける場面などでたまに選曲している。

 

今回、この曲をNao☆ちゃんがカラオケで歌い、モニターには中島愛によるライブ映像も流れたのだが、歌唱から振り付けに至るまで完璧であり、かなりノリノリで歌っているのが伝わってしあわせであった。特に「キラッ!」のところが良かった。

 

あと、こういうことをよくアイドルファンの人が言っているのをよく聞いたり読んだりして、確かにそういうことはあるかもしれないが、おそらく思い過ごしだと思うので、もし仮に自分にそのようなことがあったとしてもあまり言わないようにしようとはしていたのだが、実際にそれを体験してしまうと、やはり言わずにはいられないのだな、ということを、この日、生れて初めて知った。

 

思い過ごしの可能性も高いし、ならばいちいち書かなければいいのだが、それでもやはり記録として書いておくとするならば、イベントの初めの方、何かの曲でNao☆ちゃんが2階のファンに向けて指をさすような場面があったのだが、一瞬、あれはおそらくピンポイントで私に向けられていたような気がするのだ。

 

いや、おそらく気のせいかもしれないし、実際にそうだったとしてもよくあるファンサービスの1つだとは思うのだが、こういうのがこれほど嬉しいものだとは、いままで知らずに生きていたのだ。

 

松浦亜弥「Yeah!めっちゃホリデイ」、モーニング娘。「ザ☆ピ~ス!」といった曲も歌われ、やはりハロー!プロジェクトは偉大だなと思ったのである。「Yeah!めっちゃホリデイ」はNao☆ちゃんが歌っていたのだが、途中からぽんちゃもダンスで参加し、そこに絶妙なオリエンタル風味のようなものが含まれていて、なかなか印象に残った。

 

かえぽはカラオケでいつも1曲目に歌う曲と言って、宇多田ヒカルの「ぼくはくま」をまずは歌っていたのだが、その後でまた1人で歌うことになった時に、いつも暗い曲しか歌わないとか言いながら、スカートの「call」を選曲した。

 

スカートは「NEGiFES」に出演するなど、Negiccoと関連のあるバンドではあるのだが、女性の友達同士のカラオケで歌って盛り上がる感じの選曲とはいえないだろう。そして、ここがたまらなく良いと思った。

 

先ほど、私服におけるリアルなJD感というようなことを書いたが、ここでは友達同士でカラオケに行き、自分が本当に好きなロックの曲を歌いがちな女の子というリアリティーも感じられ、これは素晴らしいと思ったのである。この感覚がどれぐらいご理解いただけるかにはかなり自信が無いのだが、私にとってはかなりのツボだったのである。

 

会場に来ていた女性ファンが選ばれ、1人のメンバーのパートを他の2人のメンバーと一緒に歌うという、ファンにとっては夢のような企画もあった。かなり勇気を要すると思うのだが、かなりの手が挙がっていた。そして、2人が選ばれたのだが、いずれも堂々としていて溌剌感もあり、この手の企画としては最も理想的だったのではないだろうか。そして、私は「恋のEXPRESS TRAIN」を初めて生で聴いた。

 

楽しい時間はあっという間に過ぎ、最後は「ねぇバーディア」で大盛り上がりであった。

 

メンバーがステージから捌けた後、ファンからはいつもの「アンコール!ネギ!」ではなく、カラオケだけに「延長!ネギ!」のコールが上がった。

 

再びステージに登場するメンバーだが、やはりカラオケボックスであるという設定は崩さず、お店の人が優しいから5分間延長してもいいと言われた、などと言っている。

 

そして、3人のメンバーがほぼ等間隔に座り、内向きで歌うか外向きで歌うかを迷った末に、外向きで歌うことを選ぶ。途中でやばくなってきたら内向きになろう、というようなことも言っている。

 

そして、「愛は光」が無伴奏、ア・カペラで歌われた。

 

それまでのピースフルでゆるふわな空気感、それはNegiccoとファンとの信頼関係のあらわれであろう。それはとてもしあわせな空間である。結成14周年のお祝いなのだから、そんな感じもいいだろう。カジュアル感やフレンドリーな感じはNegiccoの魅力の1つの要素ではあるが、それを極端に突き詰めた感じ、それがこのイベントのコンセプトだったのではないか。そのように感じていたし、それを十分に楽しんでいた。それゆえのプレミアムだったりレアだったりする場面も、多分にあった。

 

しかし、このイベント、それだけではなかったのである。

 

このピースフルでゆるふわ、カジュアルでフレンドリーな空間を実現させているもの、それは強く信じ合う気持ちや、思い合う心、そこから生まれた深い絆のようなものかもしれない。

 

そのような重さ、確かさのようなものを、演者、観客を含めた誰もが認識していながらも、あえて軽さやゆるさを楽しむイベント、確かにそれだけでも成立したはずである。

 

しかし、最後にそれは可視化された。彼女たちの思いと魂をこめた歌の力によってである。

 

Negiccoを表現する時に、清いとか尊いとかいう言葉を、私はよく使ってきたような気がする。しかし、この日、この時間にほどそれを強く感じたことはなかった。

 

「授かった愛を輝きに変えるよ 燃え尽きるその時まで」

 

そして、歴史はまだ続いていく。

 

 

 

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