ドキがムネムネ | …

i am so disapointed.

先日、タワーレコード錦糸町店において、Negiccoのアルバム「ティー・フォー・スリー」のリリースイベントが開催されたが、その様子の一部が動画ニュースサイト「フィールドキャスター」で公開されている。

約9分間の動画だが、Negiccoのインタヴューとミニライヴのダイジェストで構成されている。ミニライヴ映像においては、この日が初披露だった「RELISH」と「恋のシャナナナ」がピックアップされている。当日、リーダーのNao☆ちゃんは新曲の初披露にあたり、「ドキがムネムネするんですけど」と言って笑いを呼んでいたが、その場面も収録されている。

もちろん「胸がドキドキする」を言い換えたものなのだが、1988年生れであるがゆえ「最後の昭和」を自称するNao☆ちゃんのヴィンテージセンスがまたしても冴えわたったなと、ひじょうに嬉しく思ったのであった。

ところで、この「ドキがムネムネする」という言い回しだが、ナイスでメロウないい大人である私にとっても古いというか、物心ついた頃にはすでにヴィンテージであったような記憶がある。

少し調べてみたところ、大正生れの芸人、トニー谷の代表的なギャグであったようだ。トニー谷といえば、そろばんを振りながら「あなたのお名前なんてえの?」などと言っている人というイメージがあるが、懐かしのテレビ特集のような企画でVTRを観たことがある程度である。

また、アニメ「クレヨンしんちゃん」9代目オープニングテーマ曲として2004年から流れていた「ユルユルDE-O!」という曲にも、この「ドキがムネムネ」というフレーズが出てくるらしい。

この曲がオープニングテーマ曲として流れた5日後に、Negiccoの「恋するねぎっこ」が徳間プロモーションからリリースされている。

このような情報を、私はインターネットで調べることによって知ることができるのだが、Negiccoの曲を初めて聴いてからまだ3ヶ月にも満たないため、もちろん当時の状況についてはまったく知らない。

ローソンで雑誌の「BUBKA」を買った。アイドルの水着グラビアなどを中心とした雑誌であり、正直、買うのがものすごく恥ずかしい。家に置いておくのもなかなか気まずいのだが、必要なページだけ切り抜いてこっそり処分するような行為もなかなか情けないので、とりあえず机の周辺に仕事の資料や読みかけの本と一緒に放置している。

この雑誌を買う目的は、「Negicco ROAD TO BUDOKAN」という連載を読むことである。先日発売された最新号で6回目となっている。過去2号も買っているのだが、最初の3回分は読めていない。その頃、私はNegiccoのことをほとんど知らなかったのだから、それも仕方がない。

連載は見開き2ページであり、買ってもこのページしか読まない。今月号は、愛甲猛のプロ野球の記事だけ少しだけ読んだ。けして雑誌がつまらないわけではなく、グラビアも記事もかなりの熱量をこめてつくられているのが感じられ、読みごたえもあるに違いない。私の趣味嗜好がこの雑誌のコンセプトとあまり合っていないだけの話である。

しかし、このたった2ページのNegiccoの連載がものすごくおもしろく、また、資料的価値も高いように思える。これだけのために買ってもまったく惜しくない。というか、この連載でしか読めないような話が満載であり、むしろお金さえ払えば読めることに感謝するレベルである。

いわゆるNegiccoヒストリーであり、よくある連載のように、いまの写真や文章がたくさん出てくるようなものではない。しかし、私はリアルタイムでは知ることができなかった過去のNegiccoをたくさん知り、それによって現在の思い入れをより深くしたいため、そういったニーズには応えて余りある内容である。

今回は「クレヨンしんちゃん」のオープニングテーマ曲として「ゆるゆるDE-O!」が流れていた2005年、Negiccoの母体となっていたタレントスクールが廃校になり、消滅の危機を迎えるあたりのことが書かれている。

この件についてはNegiccoに興味を持ちはじめた頃、古くからのファンの方が編集されたヒストリー的動画などで知って感動していたのだが、この記事においては、当時の様子が当事者から語られている。

詳しくは雑誌の記事を読んでいただきたいのだが、ざっくり言うと、Negiccoの存続は本人たちの意志というよりは、大人たちの判断によって決まったものらしい。当時は、他のスクール生に対する申し訳なさの方が強かった、とMeguは語っている。

ここでNegiccoを存続させるために新たに会社を立ち上げたのが、現マネージャーのクマさんだったわけだが、じつはそれ以前からNegiccoと仕事はしていて、現在のようにクマさんが運転する車にメンバーが乗って移動するというスタイルもすでにあったのだという。

この辺りのことが、クマさん自身の言葉によって語られている。また、今日に繋がるこの局面が、ものすごく絶妙な偶然という運命によって紡がれていたのだという事実も、明かされている。

古くからのファンにとっては周知の事実だと思われることも多いのかもしれないが、新規の弱小ファンである私にとってはとてもおもしろく、まさにドキがムネムネする記事であった。

そして、このような歴史を経て存在している現在のNegiccoを、よりいとおしく思えたのであった。

BUBKA(ブブカ) 2016年 07 月号/著者不明

¥630
Amazon.co.jp



ティー・フォー・スリー/Negicco

¥3,024
Amazon.co.jp