新幹線ではこれまで大阪、名古屋、福岡、山口などに行ったことがあったのだが、北陸新幹線に乗るのは初めてである。Maxときというやつで、しかも2階席である。新幹線の2階に乗るのも初めてである。アイドルのファンになることによって、このように初めて味わうことというのは、意外と多いものである。
数日前からこの日の天気予報に注目していたのだが、雨になったり晴れになったり曇りになったり、日々変化していた。そして、この日の朝の時点では14時ぐらいから雨ということであった。

Maxときはかなりカッコいい形をしていた。2階の指定された席に座り、それから新潟までは約2時間ぐらいであった。これまでに新幹線を利用した経験からいって、窓側の席はコンセントが使えるのではないかと思っていたが、どうやらそうではなさそうだった。念のためにiPhone用の外部バッテリーを充電した状態で持ってきてよかった。
途中までは、仮眠をとったりツイッターのタイムラインを確認したりiPadで雑誌を読んだりしていた。途中停車駅のアナウンスが流れた。いつもは東京の次は品川というか、寧ろ品川から乗ることの方が多いのだが、今回は上野でその次が大宮というのが新鮮であった。その後、群馬県の高崎などを通り、越後湯沢、浦佐、長岡、燕三条の次が終点の新潟ということであった。
新潟に行こうと決めた時に、名所や名物について少し調べた。これまで、スキー場にだけは何度か行ったことがあったが、それ以外ではまったく無縁であり、ほとんど何も知らないに等しい状態であった。長岡は花火大会が有名だったり、燕三条にはご当地ラーメンがあるようだった。また、コンビニエンスストアのおにぎりなどでは、魚沼産コシヒカリというのがよく強調されている覚えがあったが、これもまた新潟県である。
しかし、新潟県というのはかなり広く、たとえば日程が1日だけだったとすれば、新潟駅の近くを観るぐらいしかできないということが分った。新幹線の別の停車駅なのだからそれは遠いはずである、と改めて思ったのであった。
今回の目的はNegiccoを育んだ土地の空気を体感するということだったのだが、それならばどうやら新潟駅の周囲だけで事足りそうであった。新潟の観光名所が多数登場する「サンシャイン日本海」のビデオに出てくるのも、新潟駅周辺がほとんどだったようである。
そんなことを考えながら車窓から外をながめていると、「新潟米」という大きな看板があらわれたりして、いよいよ気分が盛り上がってきた。田園風景が続き、ここでつくられた米が全国に出荷されているのだろうと、改めて思った。到着時刻が近づき、外を見るとあのレインボータワーがあった。あの「サンシャイン日本海」のビデオに映っていたやつの本物である。この時点で軽く興奮していたのだが、今後、このような体験を何度するのだろうかと思うと、早くも期待に心がはずむのであった。
新潟駅に着き、新幹線を降りた。東京に比べて肌寒い感じがした。駅構内を、とにかく万代口の表示を目当てに歩いていった。新幹線の改札を出ると目の前に売店があり、サラダホープの大きな袋が目に入った。
「ようこそ新潟へ」「うまさぎっしり新潟」という掲示があり、ついに本当に新潟に来たぞと、かなり盛り上った。

そして、万代口から出ようとしたところで、シャツの胸ポケットに切符が入っていないことに気がついた。
興奮しすぎて新幹線の自動改札機から取るのを忘れていたらしい。また新幹線の改札に戻り、駅の係員に事情を話し、通行券的なものを発行してもらった。ひじょうに丁寧に対応してくださった。不注意によりわずかに時間をロスしたが、これも地元の方とのふれあいの1つであろう。
万代口を出ると、バスターミナルといくつもの商業ビルのようなものがあった。駅ビルではいろいろなお土産が売られていて楽しそうだったが、ここは後からじっくり見ようと思った。
まずは万代バスターミナルの方へ行こうと思った。いろいろと行きたい場所をピックアップしながらブログにも書いていたのだが、ある新潟在住のNegiccoファンの方から、バスターミナルのカレーについての情報をいただいた。
観光ガイド的なものを見ている中で、万代バスターミナルのカレーが地元の方々の絶大な支持を得ていることは知っていた。しかし、特にご当地グルメというわけでもないし、何よりもNegiccoとの関係性があまり感じられなかった。しかし、それはド新規ファンならではの圧倒的な情報不足だったのである。
Negiccoの中でもカレー好きで知られるメンバーのMeguがこのカレーのおいしさを発信したことにより、Negiccoの大きなライブがある日にはファンが殺到して売り切れるという話もあるらしい。そのことが新聞の記事になり、店内にも掲示されているというのだ。これは行くしかないだろう。
iPhoneのGoogleマップを頼りに歩いていったのだが、途中で大きな日本酒の広告などがあり、かなり盛り上った。レインボータワーが目安としてかなり役立ち、とても助かった。

バスターミナルのカレーは、万代そばという立ち食いそば店の人気メニューということであった。場所はすぐに分り、注文をしようとしたのだが食券をまず買ってくださいとやさしく言われたので、もちろんそうした。
立ったまま食べるためのスタンドには、おそらくそのすべてにあの新聞記事が貼られていた。「Negicco Megu お気に入り」「万代シティ バスセンター カレー伝説」「大規模ライブの日は売り切れる...らしい」などと書かれている。
見た目は黄色く、福神漬けがたくさん載っている。食べてみるととても懐かしい感じがする、やさしい味であった。お蕎麦屋さんのカレーらしく和風のだしが利いていて、玉ねぎのまろやかさとルーのスパイシーさのバランスが絶妙であった。これは美味い。地元の方々に支持され続けているのも納得である。



同じバスターミナルビルに、新潟のB級グルメとして有名なイタリアンのみかづきがあった。当初は夜に行く予定だったのだが、時間をより有効的に使いたいというのと、何だかまだ食べられそうな気がしたので、続けざまにいっておくことにした。
「サンシャイン日本海」のビデオでNegiccoもこのイタリアンを食べていたが、店内ではなくアウトドアであった。このビルの2階にベンチがたくさん置かれたスペースがあり、みかづきはテイクアウトも可能なので、もしかするとここだったのかもしれない。
あちこちに万代シティのキャラクターだという「ばんにゃい」と「レインボーバン男爵」というののイラストが描かれている。
イタリアンはソース焼そばにトマトソースがかかったものだが、新潟ではかなりポピュラーなようである。こういうご当地グルメ的なものはどこが元祖なのかあいまいなものも多いような気もするが、このイタリアンについてはみかづきで間違いがないようである。
みかづきはチェーン店で、県内に多数出店しているようである。もちろん初めて入ったが、ファストフードチェーンのようなオペレーションになっているようである。といっても、昨今のマクドナルドやモスバーガーのようなそれではなく、かつての森永ラブあたりを思い出させる雰囲気がある。とにかくゆるくて懐かしい感じがするのだ。このような感覚を、新潟にいる間に何度も味わい、私はそれがとても好きだと思った。
イタリアンは以前にコンビニエンスストアのご当地フェア的なもので買って食べたことがあったのだが、みかづきのやつはもちろん初めてである。エビチリのやつを推していたようだが、スタンダードのものを注文した。味はまあ何となく思っていた通りの感じなのだが、地元の方々の感覚にほんの少しばかりは近づけたかもしれないと思い、それが嬉しかった。いろいろな種類があるのと、容器も簡単につくられていて捨てやすくなっているところにわりと感心した。



そして、同じビルの1階にはポッポ焼きのayame poppoがある。ポッポ焼きとは新潟の子供にはお馴染みの昔からあるお菓子らしい。「サンシャイン日本海」のビデオには、Negiccoがまさにこのayame poppoの前でポッポ焼きを食べている場面がある。その時のメンバーが、またとても良い表情をしているのだ。子供の頃から食べていた味を思い出して童心に返っているかのような、本当に良い表情なのである。
また、新潟の良い所をアピールしようというコンセプトの「にいがた☆JIMAN!」においては、Kaedeが「あむ」と言いながらポッポ焼きにかじりついていて、これがまたとても可愛い。
ayame poppoは昨年までは年中無休だったのだが、今年から水曜日が定休になったらしく、今回、日程を火曜日にしたのは、ここでポッポ焼きを買うためだったのである。
ところがayame poppoは11時開店だということで、少しだけ時間があった。すぐ近くにラブラ2という商業ビルがあったので、ここでも見て時間をつぶすことにした。話題のNGT48の劇場は、ここにあるようである。とても良い場所だし、看板もよく目立つ。
ラブラ2の6階には紀伊國屋書店があるのだが、ここでもかなり推されている感じがあった。アイドル関連の本がAKB48グループのものを中心に集められていたのだが、私がNegiccoにハマるきっかけとなった「中年がアイドルオタクでなぜ悪い!」「50代からのアイドル入門」の2冊もちゃんと平積みされていた。
この紀伊國屋書店ではCDやDVD等も売られていた。アイドルコーナーの最も良い場所にはAKB48グループのものが並び、それが3棚ぐらい続くのだが、その次の棚にNegiccoが置かれていた。最上段から数段が使われ、サイン色紙も置かれていた。過去のCDやDVDも揃っていて、さすが地元だけに扱いが大きいと感じた。
ayame poppoが開店したので、10本入350円のやつを買った。「サンシャイン日本海」のビデオに映っていた場所でもあるので写真を撮りたかったのだが、隣のクレープ屋さんで買った女の子のグループがテーブルで談笑していたため、これは断念した。
私はポッポ焼きを甘い煎餅を丸めたようなものだと思っていたのだが、まったく違っていた。やわらかいパンのような生地で、黒糖の味がついている。中には何も入っていない。とても懐かしく素朴な味わいである。余計なものはないのだが、どこか本質的な感じがする。これは私がNegiccoの良さだと感じている部分に深いところで通じているのではないか、などと思いながら萬代橋の方へ歩いていると、天候がしだいに悪くなってきた。