(カラオケ「まねきねこ」)
東京の自宅でサックスの練習ができなくなった。
家内が外でチェックしたところ、窓や室内の扉を密閉しても音が漏れているらしい。もう少し上手くなるまでは自粛せざるをえまい。
さあどうするか。
三浦先生がいつもお使いになる吉祥寺の貸スタジオは1時間1100円。高いというほどではないが、自宅でタダで練習するのと比べると少々抵抗がある。
そうだ、と思いついたのがカラオケボックスだ。
私が時々利用する「まねきねこ」は午前11時までに入室すると「朝うた」とかでメチャクチャ安い。
念のため「まねきねこ 楽器持ち込み」で調べてみると巨大楽器でなければOKのようなのでさっそく自主練習のために吉祥寺へ向かった。
(まねきねこの向かいはお世話になってるゴルフ練習場 私の吉祥寺ライフはこの半径50mほどの範囲で完結している)
受付で念のために楽器を練習することを告げるとどうぞ、どうぞとのこと。
ワンドリンク制なので「まねきねこ特製ハイボール(←やたら薄い)」を頼み、午前中の1時間半(午後に入ると高くなる)を借りることにした。
いきなり下手なサックスを聞かれるのは恥ずかしい。まずは店員さんがハイボールを持ってくるまでカラオケでお茶を濁すことに。
「銀座カンカン娘(1949)」から始まって「あなただけを(1976あおい輝彦)」、「め組のひと(1983)」、「ダンシングヒーロー(1985)」なんてとこを矢継ぎ早にやっていると次第にノリノリになってきた。
このままでは本末転倒だ。気をひき締めてサックス練習を開始した。
先生に習ったばかりのタンギングを駆使して課題曲「一週間」にトライしたが、我ながらなかなかの出来栄えである。
そうなると、
「次のステップはビリージョエルの New York state of mind(1976) なんかいいんじゃないの。サックスのソロがカッコイイし」てな妄想にかられ、さっそくカラオケで聴いてみた(冒頭の写真)。
う~む。むせび泣くようなサックスが実によい。
これはただ鑑賞するより唄った方が身に沁みるだろうということでサックスはいったん止めて再びカラオケへ。
そうなると身体は正直だ。今度は新しい曲から古い方に向かってこれでもかとばかり、「恋(1980松山千春 新しいとは言えないな、これ))」、「わかってください(1976因幡晃)」、「襟裳岬(1974森進一版)」、「知床旅情(1965森繁版)」なんかを一気呵成に唄った。
そうだ演歌をやってないじゃん、ということで「噂の女(1970クールファイブ)」、「酒よ(1988)」、「天城越え(1986)」、「北酒場(1982)」とさらに悪ノリ、ヤケクソで「虹と雪のバラード(1972)」、「二人の愛ランド(1984)」を続けざまに唸っていると、インターフォンが鳴った。
「あと10分で時間になりますが」
「いや、たしか1時間半でお願いしたはずですが」
「だ、か、ら。もう1時間20分経ってるんです~」
そうだったの。あわててサックスをしまって会計へ。
自動精算機の表示を見てオッたまげた。
安いよ。安い~(←夢グループ風に)。
(本日のお代は酒代含めて815円なり)
結局サックスの練習は15分ほどで後の1時間15分は唄いまくりとなった次第。
どっちが主役だか分からない状態になってしまったがまあよしとしよう。815円で楽しめるのだから、明日も明後日も来りゃあいいのである。