(小ぬか雨ふる銀座8丁目の飲食街)
シイタケ友のAさんの差配でこの日訪れたのは銀座8丁目にあるという和食割烹「銀座さと」。前回の「暫亭」に次ぐ「シイタケ友といく銀座逍遥」シリーズ第2弾である。
東京生まれ東京育ちのボクだけどさ~ 、六本木とかさ、門仲、自由が丘、下北沢とかさ~、土地鑑のない街がチラホラあるんだよね~。そんな人外魔境の最大のものが銀座だ。
(高速道路で四囲に結界を張られた中が人外魔境銀座)
銀座は1612年(慶長17年)徳川幕府銀座(政府造幣所)が駿府から彼の地に移転してきたことに始まる。
1689年(明治2年)明治政府によって町の再編が行われて銀座1~4丁目が作られ、その後1930年(昭和5年)に旧尾張町、竹川町などが統合整理され銀座5~8丁目が誕生した。以降現在の銀座に続くことになる。
新橋駅からあっちウロウロこっちウロウロしていると、ようやくビルの一角に目指す店がみつかった。
(開店1時間半前明かりはついていない)
中に入るとAさんとゴルフ友Bさんがビールをグビグビ。大将に無理を言って早く開けてもらった由。
(当然ながら無人の店内)
店内には call me(ブロンディ)だの、proud Mary (CCR)だの、懐かしい洋楽が流れていた。
「おお、シャレた店ですね~」
「フフフ。私のコレクションをこれ(スマホ)を繋いで流しているんですよ」
店が開けてお客さんが入ってきた後も件の洋楽コレクションはずっと流しっぱなしになっていたが、何故か店の雰囲気にぴったんこ。どなたも気にする様子はなかった。
(まずはお造りから)
常連のAさんによるとこの店は旬のものを様々な料理で出してくれる名店だそうだ。
例えばアンコウ。こちらでは刺身を出してくれる(要予約)。
「活きアンコウって東京で手に入るんですか」
「豊洲で手に入ります。それを身のところだけ刺身にするんです」
Aさん曰くアンコウ刺しが食えるのはおそらく東京ではここだけだろう、とのこと。
本日のメンバーCさん、Dさんがいらっしゃるまで1時間ほどビールと日本酒をツマミなしでグビグビやったものだからいささか酩酊してきた。
やがて肉(牛肉だったかなあ)を野菜(白菜かなあ、なんだっけ)で巻いたもの(逆だったかも)が出て来た。
「私は『渦巻き(渦潮だったかなあ)』と呼んでます(キッパリ)」と、Aさん。
(酒にもいいがご飯が欲しくなる味)
う~む、ひっく。
この絵ヅラはどこかで見た懐かしい風景なのだが、飲んで、飲んで、飲まれて、飲んだ私にはどうにも思い出せない。
「夏にはね、鱧(ハモ)鍋が食えますよ」
「鱧の鍋って旨いんですか」
「旨いです。フグ鍋より旨いです(キッパリ)」
鍋のほかに定番の湯引きなんかを含めたコースを出してくれるとのこと(要予約)。
「骨抜きで手が疲れちゃうんで、あんまりやりたくないんですけどね~」
大将のお気持ち、よ~く分かります。
なんだかんだの後やってきたのは鰻の白焼きと蒲焼。鰻好きの私たちのためにAさんが特別に頼んでおいてくれた逸品である。
(こっちは白焼き)
旨い。
白焼きは酒、蒲焼は酒よりご飯で食いたい。
「スミマセン~、ご飯を少しもらえますか。仏壇のお供え位でいいです」
「あ、私も」
と続くのはこれまた鰻好きのBさん。昨年二人で八ヶ岳南麓清里の名店「 blowin'in the wind」に行った同好の士である。
今宵のシメはチャーハンとカレーうどんとなった。
「どっちにしますか」
「私は両方」
「私も」
「私も」
チャーハンはAさんの持ち込み食材によるもの。Aさんが作った米、シイタケにAさんの知り合いが作ったという逸品ベーコン。
(美味 これでご飯が食えそうな旨さ)
「さと」名物(たぶん)具沢山のカレーうどんは各人一杯ずつ。
残ったカレー汁にご飯をぶちこんでもらってこの日はお開きとあいなった。
飲み過ぎ、食い過ぎでまたもや「ちいちいフグの立ち泳ぎ」である。
ゴルフ友のBさんとのおつきあいが始まったのは2年前のこと。
Bさんの紹介でAさんたちと知り合ったのはわずか半年前のことである。ひょんなことから食の世界は大きく拓がった。
ありがたやゴルフ友。
ああ、ありがたやシイタケ友。
家にたどりついてから思い出した。
どこかで見た渦巻は不二家の「ノースキャロライナ」だった。
(これだ!中学の時分に級友の家でよく食わしてもらった 1968年発売1995年販売終了その後復活を望む声が高まり2020年に販売再開「ペコ★不二家★をたずねて三千里」様のブログから拝借)