(新宿御苑前のサクラ)
新宿御苑に行った。
といっても、花見のためではない。友人の奥様が彼の地で眼科医院をやっており、そこで白内障と緑内障の検査をしてもらうためである。
ヒト様には「目の検査を」などとヌカしながら、はたとわが身を振り返ってみると最後に検査をしたのは件の眼科で、もう5年ほど経っている(汗)。
検査のついでに中華の名店「随園別館」で久しぶりに昼メシを食おうという算段である。もう40年も前のことになるが、新宿で勤務していたころには小汚いが安くて旨いこの店をしばしば訪れたものだ。
ところが古い記憶を頼りにウロウロしても一向それらしい店がない。やむなくグーグルマップで検索すると店舗は伊勢丹寄りの方に移転していた。
(店構えも立派になっていた 1990年にここに移転したらしい)
1963年創業の随園別館も今や都内に4店舗だか5店舗だか構える大店である。なんだか小学校で青バナ垂らしていたおツムの弱い級友がいつの間にか大実業家に成長していた、というような気分だ。なお蛇足だが「随園別館」はまんま屋号で、「随園本館」は存在しない。
あいかわらずの人気のようで、平日の昼休み後だというのに店内には何組かの待ちが出ていた。
まあ治療中はいつでもこれるんだからさ、ということで今回はパス。界隈の適当な店を物色することにしたのだが、サクラのシーズン故か、どこも結構混んでいる。
(食いたいわけではないが「完売」と言われると気になるハンバーグ屋)
(何屋か不明だが長い行列ができている店も)
(夜もエラく混んでいた)
フラフラしていると、いつしか新宿二丁目の飲み屋街に迷い込んだ。
(片っ端から覗いてみたくなるような店が目白押し)
ウロウロしているうちに目指す医院まであとわずかになった(汗)。
この先に果たして店はあるのだろうか。昼メシの不安がムクムクと頭をもたげてきたところに場違いな風情のとんかつ屋があった。
(和風ダイニング とんかつ「然」)
こじゃれた佇まいの割に「やわらかヒレカツ定食1100円」と意外と安い。
今日はハレの日ではないので揚げ物は本来ご法度なのだが、もはやあれこれ迷っている場合ではない。
(中もしゃれている)
(カツは旨いがご飯がイマイチ どうせならもう100円200円上げていいから良い米を使ってほしいところ)
う~む。
揚げ物を食うとどうしてこうも幸せな気分になるのだろう。
そして、どうしてこう私の意志は弱いのだろう。
血液が全て胃袋に集中してボンヤリした頭で考えてみると、生まれてからこっち「克己心」には縁がなかったように思える。
だってしょうがないじゃない
私も弱いから~
飲み屋街には懐かしいメロディが流れていた。
(これだ! 和田アキ子1988年)
(「八ヶ岳南麓か東京かどっちかを選べ」と言われたら東京を選ぶであろう理由がこういう店の存在だ)