鰻トモと愛知県一色産鰻を食う@西荻窪「柏屋」 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 

 鰻トモのAさんと西荻窪「柏屋」で鰻を食った。

 

(鰻重「桔梗」)

 

 店のショボい外見にビビったが、鮮度が抜群とみえて実に旨い。Aさんの記憶では40年ほど前には店先で活きたウナギをさばいていたそうだ。

 柏屋はどうやら人気店らしく、この日の一番乗りは私たちだったがあれよあれよという間に満席となってしまった。

 

「私、最近ボケが始まったらしいの」

「・・・」

「昨日お友達と吉祥寺で会ったんだけど、お昼につい鰻を食べちゃったのよ~。わはは」

 今日鰻を食べる、ということがその瞬間頭から抜けてしまったらしい(笑)。

 

(テーブル席4つにカウンター、壁の向こうに座敷があるといういかにも街の鰻屋さん)

 

 この店の鰻は愛知県一色産である。

 愛知県はウナギ生産量全国第2位の鰻県で、国内養殖ウナギの25%にあたる4315トンを生産している(2020年農林水産省統計より)。ウナギは1尾250グラムほどだから一色産は合計1726万尾の勘定となる。

 ちなみに生産量第1位は鹿児島県(2823万尾)、第2位愛知県(県内の80%が一色産)、第3位宮崎県(1142万尾)、第4位静岡県(614万尾)となっていて、この順位はここ10年ほど変わっていない。

 なお養殖でない「天然ウナギ」の漁獲量は65トン=26万尾。ずいぶん少ないと感じる方もいらっしゃると思うが、このご時世に野生のウナギが26万も採れていることがむしろ奇跡のように感じられる。

 

 「桔梗」のお値段は4250円。

 養殖ウナギ卸価格は2007年にはキロ当たり1424円=1尾356円だったものが、2022年12月の豊洲卸価格は5096円=1274円にまでそれこそうなぎ上りに高騰している。鰻の値段がバカ高くなったのも、街の鰻屋が次々に店を閉めるのもむべなるかな、である。

 

(水産庁統計より ウナギ価格高騰の原因は輸入ウナギ激減のしわ寄せもありそうだ) 

 

 一同大満足で店を後にし、Aさんのお宅で紅茶をご馳走になった。

 

「二日連続でお気の毒でした。日を改めればよかったですね」

「あら、平気よ。鰻は毎日でもいいくらい」

「・・・」

「なんだか明日も食べちゃいそうで怖いわ。わはは」

 

 類は友を呼ぶ。

 同じ鰻好きとして、そのお気持ちよ~く分かります。

 

   

 (デザートのイチゴでさっぱり ごちそうさまでした)