(宮城県松島湾を望む「ホテル大松荘」)
いよいよ大寒である(1月20日~)。1年で最も寒い時期だが、同時に1年で最も手持ちぶさたなシーズンでもある。
八ヶ岳南麓にいても人はいないし、店はやってない。ゴルフの練習もできないし、庭仕事も霜柱が融けるまでは手もつけられない。
そうだ、魚の旨い季節だから海辺の温泉にでも行ってみよう、と思い立った。
そんな時頼りになるのは仙台勤務の元同僚「でかちん」ことA氏である。
(仙台で飲んだのは2022年4月だった)
本人の名誉のためにつけ加えておくと「でかちん」というのは偉丈夫の外見から私が勝手につけたニックネームで、身体の特定の器官の形状をさしているわけではない。つまり「ちん」は「チン」でなく「ともちん」なんかの「ちん」である。
話は飛ぶが、30年以上前に私の先輩や別のB先輩とゴルフに行った時のこと。
先輩が風呂場で身体を洗おうとお湯をザっと流したら隣に座っていたB先輩が「あちち」と叫んだという。
「座椅子の高さは30センチ位だったから、あいつはそれ以上ってことだぞ」という話はあっという間に社内で有名になり、気の毒なB先輩はそれ以来「レオン」と呼ばれるようになった。
当時ロッテオリオンズ(現千葉マリーンズ)に在籍していたレオン・リー(リー兄弟の弟の方)は文字通りのでかチンで、試合の時は左もも内側にモノをテーピングで貼りつけていたのだそうだ。
(これだ 1978ロッテ入団、横浜大洋を経て1987ヤクルト退団 2003年にはオリックス監督も務めた)
そんなでかちん、いやA氏に打診してみると、この3月末で晴れて定年退職、みちのく生活も夢のまた夢となるA氏は大喜び。
頃合いもよく「全国旅行支援」なんてのもやってることもあり、さっそくA氏推奨の松島温泉に投宿して飲み明かそう、ということにあいなった。
(大松荘客室からの松島湾の眺望 海なんぞ見えなくてもいいんだけど全室オーシャンビューらしい 同荘HPより)
ところがぎっちょん、世の中にはヒマ人が多いとみえ、まるでサバンナに跳梁するイナゴの大群がすべての植物を食らい尽くすかのように、宮城県の「全国旅行支援」は予約開始からわずか4日であえなく「売り切れ」になってしまった。
しかも悔しいことに、
「大松荘、つうのでいいですか」
「いいですよ」
なんてLINEでやりとりしているうちに売り切れたのである。
(まだ残りがある青森県の浅虫温泉まで行ってみるのも手だが)
かくかくしかじか、A氏に相談すると、
「まあ割引っていっても3000円ですからね~。わはは」と一向気にしない様子。こういうおおらかな性格だから巨根に、もとい巨漢に成長したのだろう。
かくして長い2か月のうちたった2日間だけだが、楽しいイベントが待ち受けることになった。
(料理の量がすごい+部屋食というのが宿選びの決め手 浴場はショボいらしいが風呂なんて入らなくても死にません 同上)