(4年後にこの山の下をリニア新幹線が通るという)
先日テレビを見ていたら「山梨県民を対象にリニア新幹線の無料体験乗車を募集中」というのをやっていた。
リニアの総工費7兆円を負担するのはJR東海であり、山梨県民は本来無関係のはず。
それなのに山梨県民がタダで体験乗車とはどういうこんで。ちょびちょびしたこんしちょ~(訳:体験乗車できるのはどういうことだよ、ふざけたマネすんなよ~)と僻み根性でJR東海のHPを見たら県民以外の募集も行われていた。
ところがこっちは有料で一人2200円。どうにも釈然としない。
(体験乗車ではリニア実験線の約42kmを時速500kmで突っ走る)
リニア新幹線の開通予定は2027年(品川~名古屋間)だが、すでに計画通りの竣工は絶望的な状況らしい。
総距離25km、土かぶり(トンネル上部の山の高さ)1400mという我が国史上最深のトンネル「南アルプストンネル」の工事が想定以上に大変らしいのである。
(トンネルは間ノ岳と赤石岳の間を貫通する シロウト目にも工事は大変そう)
だいたいこの手のものは遅れるのが当たり前といえば当たり前。
私の亡父は1964年に「もうすぐ地下鉄が通って通勤が楽になるから」と練馬区・光が丘の近辺に土地を買い家を建てたが、大江戸線が開通したのは1991年のこと。37歳だった父はその時64歳、会社はとっくの遠に定年になっていた。
かくいう私も中央自動車道へのアクセスを考慮して、「土地の取得も90%以上完了していて開通は時間の問題」という東京外環自動車道「東八道路IC」予定地の近くに終の棲家を定めたわけだが、調布の陥没事故のせいで工事は凍結、建設は遅れに遅れている。このままボヤボヤしてると運転免許返納、なんてことになりかねない雲行きだ(泣)。
仮にリニアの開通が5年遅れるとすると、その時私は75歳である。
後期高齢者になった私がいくら40分で名古屋に行けるといっても、トンネルだらけで車中からの景色を楽しめるわけでもなく、そのうえ名古屋に用もないのに果たしてリニアに乗る気になるだろうか。
そうはいっても死ぬまでに一度は時速500kmの世界を体験してみたいものだ。でもそれだったら何も名古屋までノコノコ行かなくても、体験乗車で十分ではないか。
そんなわけで釈然とはしないながらも体験乗車に応募した。
後悔先に立たず。同世代の皆様もぜひどうぞ(募集期間は2月2日まで)。
(リニア「Lゼロ系改良型」で一瀉千里の旅)