東京・久我山のカウンター割烹へ | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 

 「八ヶ岳南麓で中々味わえず東京に戻ると食いたくなるもの」といえば、インドカレー(中でもネパール人が作るやつ)と和食であろう。

 

 そんなわけで65歳の誕生祝いを兼ねてさっそく和食を食いに行った。目指すは久我山駅から徒歩3分、人見街道沿いにあるカウンター割烹「かみ山」である。

 ここは以前ウォーキングの時に見つけた店で、久我山界隈に詳しい囲碁トモのAさんに質したところ女将さんと板さんでやっている小さな店で鄙には希な良店とのこと。

 「もうすぐ店をたたむ、って聞いたけどね」

 そういうことなら早くいかねば。

 

(並びにはスナック「シュモクザメ」、ダイニングバー「Bally’s」なんてのも こういう感じの店は八ヶ岳南麓には皆無だ)

 

 18:30に伺うと先客はゼロ。

 私より少し年上に見える女将さんによると、以前は一品料理があったそうだが今はコースのみとなっているとのこと。せっかくなので「おまかせ(4品)」をお願いした。

 

(「その他一品料理あり」とあるが、ありません)

つきだしは左から:梅水晶(サメ軟骨の梅肉和え)、スズキ煮、ワラビおひたし

 

 まずはお造りから。

 

上から:ハタ、イサキ、カンパチ、ヒラメ(ハタとヒラメの旨いこと)

 

 和食といったら酒はやはり日本酒。こういう時は女将さんに相談するのが一番だ。

「ひろき、ってご存知でしょうか」

「飛露喜(福島・廣木酒造)ですか」

「いえ、岩手の「廣喜」です。南部杜氏発祥の地のお酒です」

 

(廣喜夏純(左)と純米吟醸「しろくま」 廣喜が置いてある店は東京で二軒だけだそうだ)

 

 旨い。どちらもコクがある。

 とくに「しろくま」はすこしねっとりとしたような舌ざわりで、よ~く冷やしたズブロッカを飲んでいるような味わいである。

 

 二品目は「さわら塩焼き」。

 塩だけのシンプルな味わいだが実に旨い。焼き加減もさることながら素材がすばらしいのだろう。

 

(あんずが添えられていた そういう食い方もあるのか)

 

 平成の初めのころ、ようやく独立して開いたこのお店。

 それから30余年、店を閉じるのはさぞ無念であろう。

 酔いも手伝って私の妄想は膨らむ(どんな妄想かは↓こちらをご覧ください)。

 

 「こちらにお店を開いてどの位になるのでしょうか」 

 「7年になります」

 「・・・(意外に短いね)。もう店を閉められるとか」

 「そんなことはありませんよ」

 

 どうやら真相はこういうことらしい。

 以前知人がガラクタを処分することになったのだが捨てるのも惜しいというので、店の前で「ご自由にどうぞ」をやったそうだ。これが良品ぞろいであっという間になくなり、何度か補充したらしい。それが近隣の店のお客さんの間で「あそこは店をたたむらしい」という噂になったらしいのである。

 

(若竹煮 これは普通)

 

 若竹煮の後に魚のそぼろのような小皿が出てきた。

 「これが四品め?」

 「いえ、ちゃんとしたのが出てまいります」

 そんな口上とともに登場したのが「じゅんさいの冷製」であった。

 

(まあ旨いけどな~)

 

 ちょっと竜頭蛇尾という印象もあるが、どれも旨いし、値段を考えれば上等である。

 店を出てダイニングバーに向かったがあいにく休み。これまた以前から気になっていた久我山駅前の

「いそちゃん」に行ってみた。

 

(妖しい雰囲気を漂わす「いそちゃん」)

 

 不可思議な外観と違って中は普通。

 「いそちゃんラーメン」を食って、東京帰還の儀式兼誕生祝いは無事終了した。

 

 

 (かつては「支那そば」と呼ばれたトラディショナルなラーメン)