老人ホームからの電話 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 「もしもし、ピースライフ山梨の〇〇ですが」

 「あ~その節はどうも。なんでしょうか?」

 

 生前母がお世話になった山梨市の有料老人ホームから3年ぶりに電話があった。

 

 経験則的にこの手の電話はいい話ではない。

 まっさきに脳裏に浮かんだのは亡母が使っていた電動式ベッドのこと。

 レンタル代が高いので新品を購入したのだが、それからほどなく母が死んでしまったので知り合いの入居者に押しつけた(タダで。タダ)のである。

 

 ところがその方も亡くなったものだから、ホームもベッドの扱いに苦慮しているのだろう。あの巨大な介護ベッドの処分にはなん万円かは覚悟しなくてはならないはず。

 

 「実は先日〇〇市にお住まいの方がわざわざ見学に見えられまして」

 「ほうほう(そいつにベッド使わせるって話ね。いいじゃない、あげちゃえば)」

 「その方、「ゆるふわ日記」を見て見学に来られたんです」

 「ギョギョ(←警戒モード)」

 

 [この後の意外な展開はCMのあと!]、なんつって。

 

 話は飛ぶが、私が今一番嫌いなCMは「ドル上がってキュンです」というヤツ。

 ベビー用品のCMのような曲に乗って老人がニッコリ。なんともあざとい。

 このCM、「ドル下がってシュンです」まで言ってるから、ドル買いを煽っているとしか思えない。これって金融商品取引法違反に問われないのだろうか。 

 

 「ギョギョ(←CMが終わった後の続きはCM前のシーンから始まるのをマネしている)」

 「それで私達もブログを拝見して感激したんです。写真もとてもきれいに撮っていただいていて」

 「まあその辺は一番気をつかってますからね(←ヤニさがり始めている)」

 「見学の方も気に入ってくださったようで、入居が決まりました。社長もブログを見て大感激で、くれぐれもよろしくとのことでした」

(社長は東京の介護施設までわざわざ足を運んでくれたことがあった)

 

 「素晴らしいホームだから入居者が増えるんですよ。私の知り合いだけでも10人ほどがいずれお世話になりたい、って言ってますからね(←上から目線になってる)」

 「ほんとに有難い話です」

 

 そこまで話していてハタと思い当たった。 

 特別養護老人ホームでは300人待ち、500人待ちもザラだという。このまんまホームの人気が高まると空き待ちが増えていって、いざ私が入居しようとする時に困ったことになるのではないだろうか。

 

 「あの、社長にちょっとお願いがあるんですけど、お伝えいただけますか」

 「はい、なんでしょう」

 「ここだけの話、いよいよの時が来たら私を優先的に入居させてもらえませんかね~」

 「・・・(そんなことできるわけないさよ~)」

 「できれば食堂に近くて眺めのいいとこ」

 「3階ですね。伝えておきます(いちおう、ね)」

 

 

(母がお世話になった部屋は3階 目の前に富士山、眼下には桃畑が広がる 2019年10月撮影)

 

 「部屋決まってキュンです」(新たに入居される方)、

 「お客が来てキュンです」(ホーム)、

 そんな話を聞かせてもらった私もキュン。

 

 「幸せを呼ぶブログ」を標榜してはや5年。

 日暮れてなお途は遠いが、たまにそんな時もある。