IHクッキングヒーターの光と陰 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 終の棲家のキッチンをガスコンロでなく、IHクッキングヒーターにした。

 その最大の理由は火災予防である。

 東京消防庁によると、2020年に都内で発生した住宅(民家)の火災は1553件、その原因で一番多いのが「ガス器具からの火災」(404件)で、意外なことに第2位のタバコ(202件)、第3位の放火(144件)を上回っている。

 

(6棟に延焼した住宅火災 火事を出すと自身の命や財産を失うだけでなく近隣にどれだけ迷惑を

 かけることになるか 東京消防庁資料より

 

 実際のところガスコンロの近くにあったキッチンペーパーに火が移ったり、いつの間にかシャツの袖口を焦がしたりといったヒヤリハットの経験はどなたもあるだろう。

 同庁資料でガス器具火災の原因を見ると、

「火をつけたまま忘れた(←最近のガスコンロには自動オフ機能があるはず)」、

「接炎する(←ヒヤリハットだ)」、

「考え違いにより使用を誤る(←どういう「考え違い」なのか詳しく聞きたいところ)」、

などが上位を占めており、高齢者になればなるほど火災のリスクは高くなるといってよい。事実住宅火災の死者はその過半が高齢者なのである。

 

(東京消防庁資料 設備が老朽化している高齢者世帯の火事が多いことも要因だろう)

 

 そんなわけで転ばぬ先の杖、火災予防にはぴったりのIHクッキングヒーターだが、よいことずくめというわけではない。

 

 最大の問題は停電時に調理が出来なくなることである。

 万が一に備えて簡易なガスコンロが使えるようにガスの取り出し口をキッチン周辺に設けることも考えたが、ガス配管もそれなりにカネがかかるうえに東京直下型地震が来れば電気もガスもアウトだろう。

 どうせ気休めなら、ということでここはイワタニのカセットコンロを常備することでよしとした。

 

(カセットボンベは八ヶ岳南麓でロズウェルやBBQの着火用にも使う)

 

 次に使用できる調理道具が限定されること。

 アルミ製の雪平鍋、中華鍋(底が丸いので火力が出ない)、土鍋などは使えないが、我が家の道具類はいずれも年季ものなので、この際メンバー一新することにした。

 土鍋に関してはIH対応のものもある(鍋の中に鉄板を敷いて使うらしい)が、なんだかヤヤこしそうなので卓上型ホットプレートに乗り換えることにした。

 土鍋の風情はすっかり失われてしまうが、まあこれも時代でしょう。

 

(タイガー魔法瓶「パーティプレート」煮る(鍋物)、焼く、蒸すなどオールラウンド)

 

 「これにて、一件落着~」、

といいたいところだが、中華の炒め物など鍋を振るって調理することができないという課題は残った(私ではなく家内の、というのが正しい)。

 とはいえこれも考えかた次第。高齢者世帯では中華鍋など使わなければいいのである。

 

(熱伝導効率が高いのでIHはガスより安くつくらしい 電気業界の調査なので我田引水かも)