私の敷地内に、私の費用負担で、私とお隣さんのために設置することにしたネットフェンス。
設置時に工務店から、
「服が引っかかったりしないように、ネットはアールのある方を敷地側にしますね」
との申し出があったので、それでお願いします、ということにしたのだが出来上がってみるとどうにも釈然としない。私の敷地有効面積がさらに減少する結果となったのである。
(隣地(向かって右)はフェンス支柱とブロック縁間に2センチほどの余裕がある 私の方はパツパツ)
「たかが2センチ、その位いいじゃないの」、とおっしゃるなかれ。
これが八ヶ岳南麓なら私も何も言いません。
彼の地ではだいたいフェンスなんかこさえないが、仮に同様に施工したとしてフェンスとブロックの隙間分は周囲30m×2センチで0.6坪程度、地価坪4万円とすれば機会損失はせいぜい2万円ちょっとだからまあ笑い話だ。
ところが東京だとその機会損失は100万円にもなるからなんとも腹立たしいのである。
工務店も良かれと思っての施工だからこれは我慢しなくちゃ、と自分に言い聞かせたものの、フェンスを見るたびにムラムラと怒りが湧いてくる。
キレやすい老人はついに思い余って工務店につけ替えをお願いした。
「かくかくしかじか、というわけでお願いできますか」
「できます。できますが、逆にすると塗装がなくなって見栄えが悪くなる部分が出ますので、一部の金具
はそのままで、ということにさせてください」
「あ~、いいですよ」
「それから」
「それから・・・・(ごくり)」
「申し訳ありませんが手間賃が2万6000円かかります」
「ギョギョ(オレの負担なわけ)」
「ははは(当たり前だろ)」
う~む。
100万円の機会損失を防ぐためにさらに2万なにがしのカネをかけるべきだろうか。実際幅2センチ程度の空間など何の遣い途もないわけだし。
思い悩んだ挙句、やはりつけ替えをしてもらうことにした。これから天に召されるその日まで毎日フェンスを見るたびにクヨクヨ、モヤモヤするのは耐えがたい。
(つけ替え後 敷地が広くなってすがすがしい気分)
八ヶ岳南麓の家を建てる際に工務店、業者とのコミュニケーションギャップに何度かイヤな思いをしたので、今回は慎重を期したつもりだがやはり綻びが生じてしまった。
「次回こそは齟齬のない家を建てようっと」、
そう思ったがこれが終の棲家、もう後はないのである。
(留め金具がこちらに飛び出したまま(泣)これを逆にとりつけると塗装のない部分がむき出しに)