先日隣地との境にある樹木の枝を払っていた時のことだが、不覚にも脚立から転落した。
私は空いている左手でとっさに隣の木の枝にぶらさがった。
(現場再現写真 ハシゴ状にした脚立は←方面に倒れていき私は〇の部分にしがみついた)
「助けてくれ~」
ガイシャの叫び声に気がついた家内は家から飛び出してきたのはいいのだが、
「キャー」と八ヶ岳南麓全域に響き渡らんばかりの悲鳴をあげた。どの位の音量だったかというと、「こちらはボーサイホクトです」の放送より大きかったことは間違いない。あ~はずかしい。
かけつけてくる家内を見ながらだらしなく枝にぶら下がっていた物体は、やがてアンコ椿の花のように、七夕の夜の線香花火のように、そして晩秋の法隆寺の熟柿のように、ボトリと地面に落下した。
こういう時は思いのほか動転しているらしい。右手の剪定ばさみを抛り捨てて両手で枝にぶら下がった方がいい、と気づくまでに相当の時間を要した。また家内の悲鳴は脚立転倒直後だと思ったが正確には熟柿の落果後だったらしい。
典型的な脚立転落事故
(国民生活センターHPより これだ!)
幸い大したケガをせずにすんだが、国民生活センターによると脚立の転倒事故は60代70代が多く、
ボリュームゾーンは60代だという。それより若いと反射神経がよくて大事に至らず、後期高齢者になるとそもそも脚立に登ること自体が少なくなるのだろう。
私も63歳、晴れて脚立から転落する歳になったのである。
(同上 90を過ぎて脚立に登れるだけ大したものだ)
我が家の脚立はホームセンターによく置いてあるハシゴにもなる兼用スタイルものである。いずれ屋根の点検なんかにも使えそう、とこれにしたのだがいささか軽率であった。
(業界のトップブランド長谷川工業製)
というのは八ヶ岳南麓には平坦地など皆無といってよく、傾斜地では脚立より三脚の方が安定性が高いからである。まして脚立を折りたたんだままのハシゴ状で使った場合はさらに不安定になる。実際植木職人などプロは100%三脚を使うそうだ。
そうはいっても三脚だって危険を伴うことに変わりはない。知人の知人は先日三脚から転落して数か所を複雑骨折し、1か月ほど入院生活を余儀なくされたという。家人は留守にされていたそうだが、幸いケータイを持っていたので隣家にSOS発信、救急車に来てもらえたのだそうだ。
(長谷川工業HPより 天板に乗る、脚立にまたがるのはNGらしい)
(同上 不安定な姿勢になれば脚立も三脚も似たり寄ったりだ)
脚立は危険だし、三脚lを改めて買うのは業腹だし、さてどうしようかと悩んでいたらいいことを思いついた。老師の三脚を借りれば(正確には借りっぱなしにすれば)いい。老師も御年88歳、さすがに三脚を使うことはないだろう。
これから剪定など野外作業のために脚立を買おうという方には、三脚をお勧めします。
またなるべく一人ぼっちでの作業は避け、止むを得ない場合はケータイを取り出しやすいポケットに
入れておくことも重要と思われます。
(現場近くのハナモモの木にカナヘビがいた 事故の時もブザマな人間の様子を見ていたのだろう)