桜開花を寿ぎ中華を食う | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(3月17日 妙正寺川畔にて)

 

 東京の桜開花宣言とほぼ同時に杉並でも桜が開花した。やった~。

 

 それにしても何故ここまで心が浮き立つのだろうか。

 おそらく「なんだかんだあったけどなんとかまた新たな年を迎えられたよ」という実感が一番わくのが桜の開花なのである。

 

 本来一年の始まりは元旦なわけだが、あれはいかにも事務的技巧的な匂いがする。

 事実現在の1月1日は我が国がグレゴリウス暦に切り替えた1872年から「1月1日」と呼ばれるようになったなわけで、その日が自然の営みと結びついているわけではない。それでも子供の頃はお年玉だ、年賀状だ(友達からもらうとうれしかったのにいつから面倒くさいだけのものになってしまったのだろう)、家族や親せきとのゲームだと一年で一番楽しい時期だったのだが、いつからか正月はすっかり色あせてしまった。その点桜は視覚に強烈にアピールする。

 

 しかもパッと咲いてパッと散る、その潔さと儚さ。

 古来から人々が桜に惹かれ続けたのも蓋し当然である。

 

 ひさかたの 光のどけき

 春の日に

 しづ心なく 花の散るらむ

 (紀友則)

 

 花の色は うつりにけりな

 いたづらに

 我が身よにふる ながめせしまに

 (小野小町)

 

左:紀友則 平安中期の歌人 弱小氏族ゆえかあまり出世しなかったらしい

中:小野小町 「〇〇小町」が今でも美人の代名詞になるほどの美女だったらしい

右:能「卒塔婆小町」 老残の身となった小野小町が半生を振り返るというストーリー 三島由紀夫が

  戯曲に翻案したことでも知られる

 

 そんなわけで今年も桜を愛でることができたのを祝って中華料理を食いに行くことにした。「桜」といえばやはり「中華」でしょう。

 かつて阿佐ヶ谷には中華界最大のコングロマリットと呼ばれる(そうでもないか)「希須林グループ」の一角「希須林小澤」があったのだが、2015年に閉店してしまった。

 阿佐ヶ谷の名店といえば「バードランド」も銀座に移転したがその後阿佐ヶ谷のもとの店舗でも商売をしているようだから、希須林もいつの日にかこの地に戻ってくるかもしれない。ついでながら阿佐ヶ谷から次に都心に出ていく店はおそらく「サト―ブリアン」であろう。もう4号店ができたようだ。

 

 やっと本題だが、今日における阿佐ヶ谷中華の双璧といえば「」と「翠海」。あいにくこの日「孫」が休みなので、一同は「翠海」へ。

 ここはこの界隈では比較的値段が高く、しかも場所は雑居ビルの2階で隣の隣も中華料理店という

ハンデを背負いながらもずっと昔から健気に商売をしている知る人ぞ知る名店である。

 

(場所わるいっス)

 

 桜の開花に気をよくした私は日頃の吝嗇もどこへやら、「好きなもんを好きなだけ頼め!」と大号令を

かけたが、家内も息子もそんなに食い意地は張っていないから結局わたしが注文することになった。注文したものにあとからグチグチとケチをつけるという私の性癖も影響していることは間違いない。

 

まずは前菜。

左:名物「翠海牛肉」 牛すね肉の煮たやつに中華野菜ソースをかけたもの

右:「什錦なんとか」 右上から広東中華豆腐、忘れた、キュウリ、青島ピータン、忘れた

 

 メインは3品。麻婆豆腐(名物)も注文する予定だったのだが、腹が膨れて断念。 

左:本日のおすすめから「ホタテとナスの甘辛酢炒め」

中:「山芋の蟹肉入り蒸し ソース掛け」

右:「牛肉の山椒炒め」

 

 

(最後は五目固焼きそばと鴨肉チャーハン)

 

 今年も桜に再会できた喜びに比べればたっぷり食って紹興酒ボトル2本で2万いくらは決して高くない。

 元気なうちに「花より団子」を存分に味わいたいものだ。

 

(桜にも中華にも無縁のやつ)