参鶏湯(サムゲタン)の試食 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(ハナミズキがようやく開花した)

 

 3月28日にオープンした韓国レストラン「どんぐり」の奥様から、

 「参鶏湯(サムゲタン)を出すことにしたから試食に来てください」との連絡があった。参鶏湯は韓国料理の人気メニューのひとつで、朝鮮人参、木の実等を用いた鶏肉スープ煮である。

 

(参鶏湯が評判の店 「グレイス」(左 麻布十番) 「高麗参鶏湯」(新大久保)) 

 

 何故私が栄えあるテスターに選ばれたのか。

 理由はもちろん人徳だが、それだけではない。

 

 キムチを頂いたお礼に先日「高橋の酒まんじゅう」を持って「どんぐり」を訪れたときのこと。

 店から出てきた大将はゲッソリと痩せさらばえていた。定年退職するまでサラリーマンとしてデスクワークをしていた大将は立ち仕事も客商売も初体験なものだから、このひと月疲労困憊のあまり10キロも痩せたというのだ。

 

 翌日散歩で店の前を通りかかると、大将に酒まんじゅうのお礼を言われた。

 「おいしかったですよ。酒粕で酔っ払ったよ」

 「え、大将下戸なの」

 「いや、大好き。だけどこの1か月家に帰るとバタンキューで酒一滴も飲んでなかったから」

 「・・・」

 

 「どんぐり」の裏庭に小さな畑があるが、そこも土起こしをしたまま手つかずである。

 私とほぼ同世代で、サラリーマンあがりの大将の窮状はとても他人事とは思えない。たまたま買いすぎて(万事どんぶり勘定だから)タネイモが大量に余っていたので、及ばずながら大将に代わってジャガイモを植え付けた

 どんぶり勘定も捨てたものではないのだが、つまりは、そのお礼をかねての試食招待だと思われる。

 

 指定の時刻にお邪魔すると、店内には馥郁とした芳香が。

 やがて煮えたぎった参鶏湯が現れた。中にはこれでもか、とばかりに巨大な朝鮮人参が遊弋している。

 

(朝鮮人参、鶏肉、栗、棗(ナツメ)、キノコ、白菜、ネギ)

 

 朝鮮人参のデカいこと。

 私はこのようなデカいヤツを食ったことも見たこともない。

 

(箸で持ち上げるのがやっと 皿に収まりきらないサイズの朝鮮人参)

 

 ご夫婦は我々が食うのをジッと見つめている。とても食いきれないから一緒に、と勧めてもニコニコ笑うだけ。そこは客商売の矜持なのだろう。

 味つけは塩味抑え目で、鶏くささを感じさせない芳醇なスープの風味が体内にしみわたる。私が言うのも実に生意気だが味はもちろん合格

 最後はおじやにしてもらったが、とても食いきれるものではない。残りを鍋ごと持ち帰って翌朝も参鶏湯粥を味わい尽くした。

 

(この朝鮮人参が参鶏湯のキーファクター)

 

 余ったタネイモで立派な参鶏湯をご馳走になるとはなんだか「わらしべ長者」のようで、うれしいような、ダマしたような気分である。

 

 この参鶏湯、「朝鮮人参参鶏湯」と銘打って2500円で提供する予定とのこと。とにかく手間がかかるので前日までの予約制にするらしい。

 値段を考えると朝鮮人参まるまるを使うのは難しいように思われるが、実際どの程度ブチ込まれるのか、何かの折に体験してみたい(「どんぐり」の記事は → ここ )。