夏限定 八ヶ岳南麓では「野菜通貨圏経済」が活性化 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 7月、8月のこの時期、八ヶ岳南麓大泉では日本円とは別の通貨経済圏が形成される。野菜通貨だ。

 私の場合、主要通貨資源は大きく3つ、

 ミニトマト

 シシトウ

 ジャガイモ(老師の畑でできたやつ)

である。

(あと300アイコ位は供給できまっせ)

 

 このナス科3兄弟は貨幣価値が低い。生産が容易だから。

 一応ミニトマト1個=シシトウ1個=ジャガイモ1個が等価で、「1アイコ」の貨幣価値を有するものとお考えいただきたい。ナス、ピーマン、キュウリも1アイコ。

 ズッキーニは、直売所で5本100円が相場のジャンク野菜であるが、まあ1本1アイコ程度か。

 インゲンはもともと同時期に大量供給される野菜通貨だが、旬を過ぎて味が著しく落ちたこともあり、もはや貨幣としての信認性は失われた。

(インゲンの貨幣価値はベネズエラ通貨「ボリバル・フェルテ」並み)

 

 一昨日世田谷にお住まいのSさん一家が近所の別荘にいらっしゃったので、さっそく昨日ミニトマトとジャガイモを50アイコほど差し上げた。

 するとSさんは手持ちの通貨がないものだから、「インノ」の旨そうなパンを2つお返しに下さった。こっちは無限とも思える通貨発行量を誇るのだから、遠慮は無用なのだがもらったご本人としてはそうもいかないのだろう。

 ただこのスワップで、「1アイコ=10円」程度の為替レートであることが分かったのである(まあ分かった

ところで何の意味もない)。

 

 昨日から遊びに来てくれた知人が東京に帰るので朝アイコを50アイコほど届けに行ったのだが、ちょうど戻ってきたところにブログ友のYさんがわざわざ訪ねてくださった。長坂の別荘に着いて、近所の方にいろんな野菜をもらったそうではるばるお裾分けに来てくださったのである。

 ブルーベリーたくさん (1粒1アイコ位の価値がある)

 朝採りトウモロコシ3本(これは1本10アイコ位かな)

 ミョウガたくさん(これはあちこちで自生するので貨幣としては認知されないかも)

(Yさんにいただいたミョウガ(一部)薬味によし、ピクルスによし)

 

 当然こちらのお返しはミニトマト+ジャガイモコンボの50アイコ。

 かつてイギリス人はマンハッタン島を地元のインディアンから一握りのビーズと交換で手に入れたという。ビーズの価値は、現在でいうと50セント程度のものだったらしい。つまり5アイコだ。

 典型的な略奪経済、あるいは詐欺であり、大英帝国はこのようにして築き上げられたのである。それに比較すると大泉界隈の野菜通貨取引は極めて健全だ。

 

 そうこうするうちに、別のブログ友Hさんから、「旬を過ぎようとしているスイカが大量にある。買い支え(?)に協力願いたい」との協調介入(?)要請連絡があり、ジャガイモ10アイコとYさんから頂いたばかりのブルーベリー20アイコ分ほどを抱えておっとり刀でご自宅に駆け付けた。

 

 Hさんはトマト愛に溢れた方である。

 大玉トマトの畑が庭一面に広がり、トマトの間には液体肥料をポンプで循環させていらっしゃる。そのうえトマトの状況を杉並のご自宅からチェックできるように遠隔監視カメラを何台か取り付けていらっしゃるのだから、「トマトオタク」と言っても過言ではない。

左:大玉トマト畑の株間には液体肥料のパイプが

右:遠隔監視カメラ 取付は簡単とのことなので、老母の生存確認に使ってみることにした

 

 規模を考えると、生産量は1000個に達するであろう。しかも大玉トマト=5アイコ以上の価値があるから、5000アイコを保有する資産家なわけだ。

 しかも余技でスイカ(小玉スイカ)をやってらっしゃる。小玉スイカは10アイコは下るまい。話を伺うと今回100個ほどの収穫があったようだから、1000アイコの資産が別にあるわけだ。

 

(地面にこれでもか、と並んでいる。海の家状態だ)

 

 「好きなだけどうぞ」とのお言葉に甘えて12個頂戴した。ジャガイモ10個+ブルーベリー20粒がスイカ12個になったわけである。都合90アイコの取引差益である。

 さらにHさんはご近所でいただいたプリンスメロンまで下さった。

 素人では上手に作れないメロンの価値はとても高い。1個50アイコの価値はあろう。

 というわけでわらしべ長者状態の私はわずか5分ほどで190アイコのキャピタルゲインを手にしたわけだが、元手はすべてもらいもの、これではマンハッタン買収のイギリス人よりあくどい。

(別に紙袋で4個ほど頂戴した)

 

 お礼を申し上げ、帰りの道すがら誰に配るか思いを巡らせた。純粋もらいもののお裾分けだからお返しとかに頭を悩ませていただく必要は全くない。

 家の近くまで来ると偶然Sさんのクルマが道を降りてきた。出会い頭にさっそくかくかくしかじか、2個差し上げた。

 さらにバラ師匠のNさんに食いたいか聞くと「大好物!」とのLINEがあったので、その足で2個お届けする。

 残りは師匠と、西にお住まいのWさんに差し上げようとしたところ、お二人ともスイカ成金状態だという。この時期どこでもスイカの現物取引が活発に行われているらしい。結局焼け太りのままスイカ6個を東京に持って帰ることにした。

 

 「八ヶ岳南麓野菜通貨圏」、対象通貨はこの地域でとれる野菜果物である。桃、リンゴ、ナシなどは通貨としては認められていないのでご注意願います(なにを?)。

 

(実がぎっしり 旨い~)

 

 本日の野菜通貨取引結果(単位アイコ)

 当初保有高               200

  Yさんとの交換差益          30

  Hさん協調介入オペネット収入  190

  Sさん、Nさんおすそ分け     ▲40

  遊びに来てくれた子供達へ    ▲50

  自家消費               ▲50

  新通貨発行               50

 繰り越し保有高             330