良かったね~長友 親日国トルコで活躍する | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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 サッカー日本代表にして平愛梨のダンナ、長友佑都が移籍先のトルコ1部リーグガラタサライで活躍している。

 2月8日、トルコカップ準々決勝第2レグ対コンヤスポル戦に移籍後2試合連続で先発出場した長友は

決勝点に絡むなど好プレー連発で早くもガラタサライサポーターの心を掴んだようだ。日本語訳サイトで

見ると、サポーターたちは長友に惜しみない賛辞を送っている。

 

(背番号はインテル時代と同じ55)

 
 ガラタサライはトルコリーグ優勝19回を誇る名門中の名門である。その名称は1481年にオスマントルコが設立した「ガラタサライ帝国学校」に由来するとのことだ。
 ガラタは地名、サライはトルコ語で「宮殿」を意味する。一方、我々が日頃耳にする「サライ」はペルシャ語でオアシスや宿を意味する言葉だから、ガラタサライとは無関係である。
 
(サンタナ Caravansarai 1972)
 
 14世紀にセルジュク朝トルコにとって代わった小アジアの覇者オスマントルコは、1453年に東ローマ帝国を滅亡させ、バルカン半島の支配者となった。また1517年にはマムルーク朝アラブを滅ぼしてイスラムの盟主の地位を確立した。
 このオスマントルコ黄金の時代に設立された学校の名前をクラブ名とするのは、Jリーグで言えば奈良県のチームが「法隆寺」とか「東大寺」と名乗るようなものであろう。
 
 古来トルコは「親日国」であり、そんなこともあってガラタサライサポータ連が長友の活躍を喜んでくれているのかと思ったが、日本人選手ということには全くと言っていいほどフォーカスされていない。
 調べてみると我々が思っているほどにはトルコは親日国ではないようだ(むろん反日国ではない)。
 
・ 「18世紀以降トルコはロシアの南下政策に常に苦しめられてきた。1905年日本海海戦において東
 郷平八郎司令官麾下の連合艦隊がバルチック艦隊を海の藻屑としたことにトルコ国民は狂喜、通りの
 名前を「TOGO通り」として日本の勝利を称えた
  というエピソードはよく聞くのだが、「TOGO通り」という道路は現存していないし、かつて存在したかど
 うかもはっきりとしない模様。どうも都市伝説らしい。
 
・ 1890年和歌山県大島村(現串本町)沖でトルコ海軍の巡洋艦「エルトゥールル号」が座礁した。これ
 を大島村民が必死に救助し、生存者69名を日本海軍がトルコまで送り届けたという史実がある。
  「このエピソードはトルコでは教科書に載っており、トルコ国民は皆知っている」と聞いたことがある
 が、
2015年に日本とトルコで上映された「海難1890」のトルコ人レビューを見ると、「トルコと日本の
 間に
そんな出来事があったとは全く知らなかった」という人が多い。
 
  一方1985年のイランイラク戦争の際、フセイン大統領の無差別攻撃予告に対し日本航空が「乗務
員が危ないから」という理由で飛行機を飛ばさなかったため(本当に腐れ会社だった)、イランには215人の日本人が取り残された。
 この時駐イラン野村大使はトルコのビルレル大使に邦人救出を依頼、ビルレル氏はこれを快諾しトルコ航空機で215名はトルコへと脱出できた。
 この際ビルレル氏が「エルトゥールル号のお返しです」と言ったのは事実らしい。つまり国民全員が
エルトゥールル号事件を知っているわけではないが、一部の人は知っている、ということだろう。
 
(エルトゥールル号 オスマントルコは当初座礁の事実を秘密にしていた)
 
 また実際のところ現在ではトルコは我が国との関係より中国や韓国との関係が深い。
 いつだったか韓国人の反応を日本語訳するサイトで、
「トルコは韓国を兄弟国と呼ぶから親韓国だと思っていたが、実はチョッパリ(日本)のことも兄弟国と呼んでいる。要するに商売相手は誰でも兄弟、ということだ」と嘆いている記事があった。
 
 大半のトルコ人は、日本のことは無条件に大好き、というほどではないが、まあどっちかといえば好きである、という感じであろうか。
 第一次大戦、第二次大戦とも両国は敵国となったが、交戦歴は有史以来皆無であるから、これといって嫌われる理由もない。1984年には「トルコ風呂」の名称も止めたし。
 
 結局のところ、長友の高評価は日本人だからではない。彼のプレーが素晴らしかっただけである。
 子供の誕生で長友体内のブースタースイッチがオンになったことに加え、対戦チームが長友のプレースタイルに慣れていない、ということが活躍の要因であろう。
 
 明治大学サッカー部では補欠だった長友は、当時スタンドで太鼓をたたいて応援していた。
 そんな長友はインテルミラノでレギュラーとして7シーズンを過ごし(チーム最古参だ)、今はトルコで
一番の名門クラブでレギュラーを張っている。
 がんばれ長友!
 どうかその調子をロシアW杯まで維持して欲しいものだ。
 
(長友Twitterより この写真とても素敵ですね)