今年もノーベル賞の時期になった。ノーベル賞は今や10月を代表する風物詩だ。
日本人の4年連続受賞なるか、おおいに期待したいところだが、識者の予想では今年は難しいらしい。
村上春樹氏は、というと今年もダメだろう。
なんせ文学賞は、「アメリカの輝かしい伝統の中で新たな詩的表現を創造した」というボブディランが
もらっちゃうような賞ですから。
好みの問題であるが、私はボブディランよりはサイモン&ガーファンクルの方が新たな詩的表現を創造
したのではないか、と思える(あくまで英語がロクに理解できないアジア人の生意気な感想であるが)し、村上春樹も「ノルウェイの森」以外はどれも似たようなモチーフで、新たな創造と呼ぶに値するものはここ20年生まれていないように思う(あくまで日本語は解するもののここ20年ボケが進行している老人の生意気な感想である)。
実際のところ、ノーベル賞から「平和賞」と「文学賞」は除外した方がいいと思う。選考過程と結果に客観性が期待できないからだ。希望の党の公認問題だってそうでしょ。
代わりに「イノベーション賞」みたいなものを創設して優れた工業製品・サービスを表彰した方が偉大な発明家故ノーベル氏の業績を讃えることにもなるだろう。
(小説や平和に賞なんて、わしゃ一言も言っておらんがな!)
ノーベル賞といえば、もうひとつの「イグノーベル賞」はどうなってんの、と調べると、なんとも迂闊なことに既に9月に発表、授賞式が行われていた。
日本からは、北海道大学吉澤准教授の「チャタテムシの雌雄逆転種『トリカヘチャタテ』の発見と研究」が堂々「生物学賞」を受賞した。日本人の受賞はこれで11年連続である(新種の名前は「とりかへばや物語」から命名したそうだ)。
イグノーベル賞はノーベル賞のパロディ版として1991年に創設されたもので、「人類を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」を顕彰するものである。
日本は第2回に初受賞して以来米国、英国に次ぐ受賞数を誇っており、過去「たまごっちの発明(1997)」、「カラオケの発明(2004)」なども受賞している。
最近3年の受賞内容を見ると:
2014 物理学賞 北里大馬渕教授「バナナの皮の摩擦係数の研究」
2015 医学賞 開業医木俣氏「キスでアレルギー症状が緩和される件」
2016 知覚賞 立命館大東山教授「股から覗くと風景が実際より小さく見えることの実証研究」
(これ、単に天橋立に遊びに行っただけじゃないの~?)
(受賞式典で記念講演をする馬渕教授)
エントリー数の少ない日本勢が受賞の常連となっているのは、日本人が元来凝り性なことと、ユーモアのセンスが発達している民族性に由来する、というのが選考サイドの評価だそうだ。
「え!ユーモアのセンス?」と驚くが、そう言われてみると「欽ちゃんの仮装大賞」もユーチューブで凄まじい閲覧数を稼いでいる(すべて中国語字幕付きだが)うえに、その創造性、ユーモア精神が「only in Japan」として全世界から賞賛されている。
「真面目でシャイ、何を考えているのかわからない」、
そんな日本人のステレオタイプはもはや20世紀の遺物で、私たち世代が知らない間に日本人のイメージは大きく変わっているのかもしれない。
(「私たち世代」って大きくまとめちゃ皆さん迷惑だよ~)