ネタバレ ザ・ボーイズ(シーズン1)感想 殺したいヒーローがいる | 玉と蝋石の雑種

玉と蝋石の雑種

映画ゲーム海外ドラマ周りの話を備忘録的に書いています。


※感想からはネタバレ全開ですので是非観てから読んでください。

※あらすじまでは一応致命的なネタバレはないはずですが、僕は予告編を観たことも後悔したのでなるべく情報を入れずにまずは観てみて欲しいと思います。






2019年7月26日配信

企画:エリック・クリプキ(キャリアで僕が知ってる作品...スーパーナチュラル シーズン1〜5 企画原案)、エヴァン・ゴールドバーグ&セス・ローゲン (スーパーバッド 童貞ウォーズ 脚本製作総指揮、ソーセージパーティー 脚本)

主演  
ビリー・ブッチャー役: カール・アーバン
(ロードオブザリング エオメル役、リディックシリーズ ヴァーゴ司令官役、映画ジャッジドレッド ジャッジドレッド役)

ヒューイ・キャンベル役:ジャック・クエイド
(ハンガーゲーム マーベル役、シャドウオブモルドール ディアハイル役  ボイス&モーションキャプチャー)

フレンチー役:トマー・カポン

マザーズミルク役:ラズ・アロンソ
(ジャーヘッド  ダミアン役、キアヌリーブス版コンスタンティン 死体安置所の警備員役←たぶん)

キミコ役:福原かれん
(スーサイドスクワッド カタナ役)

マデリン・スティルウィル役:エリザベス・シュー(バック・トゥー・ザ・フューチャー2,3 ジェニファー役、インビジブル リンダ・マッケイ役)

スターライト役:エリン・モリアーティ(ブラッドファーザー メディア・リンク役)

ホームランド役:アントニー・スター






雑なあらすじ
スーパーパワーを持って生まれる人が普通にいる社会、パワーを持ったヒーローは巨大な企業、ヴォート社に所属し吉本興業の住みます芸人的な感じでアメリカの隅々に配属され平和を守っており、中でも最強の7人を集めたセブンと呼ばれるヒーローチームはそれこそ今のリアルな世界でのアベンジャーズ的に国民からの人気を得ていた。電気店で働くヒューイは恋人のロビンをセブンの1人、時速160キロ以上で走るヒーローAトレインに「走り抜け」られ殺されてしまう。遺憾に思うだの哀悼の意を捧げるだのと全然謝らない上にお金で解決しようとするヴォート社にイラつきながらも何をすればいいのかわからない、そんな中教育ママの言う通り頑張ってセブン入りするもセクハラされるわ会社に縛られるわで疲れてるスターライトことアニーとヒーローへの復讐を持ちかけるビリーと出会う。ヒューイはビリーとその仲間と共に完全無欠のヒーロー、ホームランダーを始めとするヴォート社の捜査から逃れながらヒーロー狩りを企むが...



セブンの面々

左から
スターライト:セブンの新入り。電気と怪力、教育ママの言いつけを守り頑張った結果セブンに入った田舎の子、本名アニー

ザ・ディープ:エラがあって水棲生物と喋れる。要はアクアマン

クイーン・メイブ:怪力、要はワンダーウーマン

ホームランダー:スーパーマン+キャプテンアメリカ的な感じ

ブラック・ノワール:寡黙で暗器を操る。あと茶道とピアノができる。映画「GIジョー」のスネークアイズみたいな感じ。

Aトレイン:足が超早くてお調子者キャラ。要はクイックシルバー、フラッシュ

トランスルーセント:透明になれる&ダイヤモンド並みの硬度の皮膚を持つ。よく女子トイレの中で全裸で透明になって休憩してる。




こんなことを観る前に呟いていましたが見終わってから調べてびっくり、まさにスーパーナチュラルの初期を作ったエリック・クリプキ企画の作品でした。俺得かよ!





以下ネタバレを含む感想






まずもって盆休みに実家に帰り高校生くらいに買って置いてあったアメコミを掘り起こすと

スポーン

ウォッチメン

だった、ということから読み取れるように昔から暗い話が大好きでザ・ボーイズのテーマであるところのスーパーパワー持ってる奴=いい奴ばかり...なんてことある?と言う話、超ストライクでした。



いいなと思うのは基本遺伝ではなくランダムかつ先天的に能力を持った子供が生まれるため、親はスーパーパワーないけど子供はあるなんて状態だらけな世界というところで。そんな子供の方が肉体的に強いなんて家庭環境でまともな人格形成など当然できるわけもなく、ヒーロー達は揃いも揃ってクソ野郎というか精神的に未熟なままに見えました。


マーベルのキャプテンアメリカはまず誰にも負けない正義の心が先にあって、その後に強靭な肉体を与えられているし、DCのスーパーマンは先天的にパワーがあるけどそもそもが人間ではないというところで今までのヒーローはそこのところを上手いことかわしてきてたんだなぁ...とか思ったり。



あとはトラウマシーンがいちいち魅力的でした。企画のエヴァン・ゴールドバーグとセス・ローゲンのコンビがエログロ全開の食いしん坊万歳!"こと「ソーセージパーティ」の脚本もやってることもあるせいか、

①Aトレインに恋人を走り抜けられて殺される。辺りは血だらけで原型を留めてない→下を見ると握った両手だけがそのまま残ってる

②飛行機がハイジャックされた。ホームランダーとクイーンメイブが助けてくれた!アメリカらしい拍手喝采!フゥー!→勢いあまってコックピットをアイビームで壊しちゃった...ごめん、帰るわ( ̄^ ̄)ゞで阿鼻叫喚の中乗客を見捨てて脱出→乗客全員死亡

③水族館で虐待されるイルカを水棲生物と会話できる能力を持つ「ザ・ディープ!!」が助け出すぜ!→急ブレーキでフロントガラス突き破って(スローモーション、しかもスパイスガールズのWanabee をバックに)飛んでいきそこに来たトレーラーに轢かれてイルカグッチャグチャ...

④スーパーでロブスターが助けを求めているので水棲生物と会話できる能力を持つ「ザ・ディープ!!」が買って助けるぜ!→魚屋さんにその場でシメられちゃう

みたいな余りに無残な状況過ぎてなぜか笑えてきちゃうシーンばかりでもう最低(褒め言葉)でしたね。

 

前半の白眉となる場面はやっぱりトランスルーセント爆殺シーンですよ。あそこは「KEEP YOUR HANDS CLEAN」のポスター使いが最高でした。まぁ保健室とか工場とかに普通にある手を清潔に保ちましょうってフレーズなんですが、初めてのヒーロー殺しに手を出す手を出さないという場面で見るとヒューイの中の最後の自制心の象徴として描かれてるように見える。

よりによってポスターの絵がミートソーススパゲティを頭からかぶってる赤ちゃんの絵で、その姿が恋人を轢き殺した直後の血まみれのAトレインと重なり、ヒューイはヒーロー殺しを決意するわけですが、爆破スイッチを押した直後トランスルーセントの血やらモツやらを思い切り浴びて皮肉にも自分の姿がポスターと被ってしまうヒューイには同情と切なさと心強さを感じたり(3つ目は篠原涼子が書きたかっただけというウザいボケ)しましたね。






それと復讐もの映画とかでは絶対言及してほしい、「復讐の虚しさ」にシーズン1でバッチリ触れてくれているのもツボ押さえてる!って思って嬉しかったです。ヒューイの復讐の過程で恋人のヒーロー、ポップクロウが死ぬ事になってしまったAトレインがヒューイに「恋人を殺し合うなんて...」と憤るところは復讐映画の傑作、「狼の死刑宣告」で主人公にギャングが放つ「お前も俺たちと同類だ」級にグッとくるセリフでした。


完全ソシオパスのスーパーマンにしか見えないホームランダーとビリーの件について風呂敷をめっちゃくちゃ広げられたところでシーズンが終わったので早く次よこせ!となっております。マジでクリプトナイト的な効果のある素材とかが出てこない限り倒せない級に強い(怪力、飛行能力、目からレーザー、あらゆる破壊兵器で攻撃されてもビクともしない強靭な肉体)ホームランダーをどうやって倒すのか、ヒューイとAトレインの因縁が単なる復讐を超えたところに行くのか、水棲生物と会話できる能力を持つ「ザ・ディープ!!」(いい加減アクアマンファンから怒られそう)はとうとう水棲生物を救えるのか!?

シーズン2はよ!




あとがき

キミコが聞いてる日本語の謎PV、ボイメンでした。BOYS繋がりか...




ディープが日本語で醤油の紹介をする謎CM
これはマジで謎...笑






ザ・ボーイズはAmazonPrimevideoで。




復讐ものアクションの中でも至高の一品