「(アイツの余裕は、仲間との合流ににあったか。小塚駅は小さな駅で、時間帯も人出が少ない時、おかげでこの10人程の中にいる。ちくしょ~~、どいつだ。)」
と、黒武者は
おしるこを飲みながら考えている時
「(…おい、冗談だろ!?)」
と、おしるこの缶の底を
もう片方の手で数回叩いてみたが
「(こんな時になくなるなんて…)瀧村、おしるこを少し分けてくれ。」
すると
「すまないねぇ、文句ならこの小さい缶に言ってくれ。」
と、飲み口を下に向けて
自分ももうない事をアピールした。
「(くそっ、これで絞りきれなくなっちまった。)」
その時
「逃げて!!速く!!」
と、吉見は走り出した男に叫んだ。
走り出した男は
「わかった。」
と、その場からさらに走り出した。
「瀧村。」
「わかってる、ったく3連チャンは、限界ギリギリだけどねぇ。」
と、能力発動して男を追いかけ
たやすく捕まえ
能力者かどうか調べる為
おしるこの缶にこびり付いてるおしるこを舐め
「(…普通に甘いねぇ。コイツはフェイク!はめられた。)」
「(湧ちゃんの『逃げて!!速く!!』に嘘はないよ。)」
「(……なら、もう少し様子を見ましょう。同じ過ちはしない、もう2度と…)」
と、神戸と陣は
そのまま待機する事にした。
「(陣くん達に、ボクの気持ちは伝わったはず…あとは、もう1人の能力を知る事。)」
と、思ったのと同時に
黒武者の呻き声が
「うおおおおおおおおお」
と、聞こえた。
1分程前
黒武者は
「(このままじゃオレ達も捕まる。)」
と、判断し決断した。
「(過去最大の痛みとひきかえに、知り得る情報の全てを!!)」
包帯グルグルの人形は
「いいのかい?そんなにハードルを揚げて!いるよ~~~とんでもないペインがねぇ。」
黒武者は
黙って右足の靴下を脱ぎだし
「アンタ、自分で…ありえない!!」
「2度と味わえねぇ痛みだ、じっくり味わえ!!!」
と、自分の足の小指を
壁の角にぶつけた。
「味わった事ない~~~ペインが~~~キターーーーーー!!!!スゴイくる~~~教える教える全部教える!!アイツの能力は、対象者に自分の思った事を、強制的に言わせる事が出来る。仲間は2人。アタシの情報はコレで全て。」
「(仲間は2人か…予定変更だな。アイツを盾にこの場から逃げ切る。)」
と、そこに瀧村が
黒武者の呻き声に気付き駆けつけた。
「何があった?まさかコイツの能力で!!」
と、同様に駆けつけた
吉見を疑った。
「違う……そいつの能力は、対象者に自分の思った事を、強制的に言わせる事が出来る。」
と、言おうとしたが
「違う……そいつは関係ない。は…早く病院に連れて行ってくれ!」
と、言わされた。
「(……コレが能力……思ったより厄介な能力だ。くそぉおぉ、痛くて動けねぇ~~~!!)」
「(…でもゲームじゃないんだ、タイムなんて出来る状況じゃないねぇ…)」
その時
「誰か助けて下さい、早く。大怪我してるんです。」
と、吉見は電車が着て
増えた通行人に呼びかけた。
「(!?ど…どうして助けようとする!?何を考えている!?」
吉見が怪しいのは間違いなかった…
だが利害は一致していたし
「ぐぁあぁああ…痛ぇ…頼む、早く病院へ!!」
苦しむ黒武者を
これ以上ほっとく事は出来なかったので
言いたい事を呑み込んだ。
「(瀧村、何丸め込められてやがる…なんとか教えねぇと、コイツに邪魔されずに!!)」
その時
「私は医者をしています。コレは酷い、応急処置が必要なので、私の指示に従って下さい。」
と、医者の男が
偶然助けにきてくれた。
「わかりました、お願いします。」
次の瞬間
「しょうがないねぇ、ペインを表してもう一度だけ言ってやる。アイツの能力は、対象者に自分の思った事を、強制的に言わせる事が出来る。仲間は2人。アタシの情報はコレで全て。」
と、瀧村が医者の男と話している間に
黒武者は
近くに落ちていた包帯グルグルの人形に
小声で聞いていた。
「(……忘れちまった……もう一度言ってくれと!!!)」
ソレを聞いた瀧村は
「(能力発動)」
と、能力を使おうとしたが
「(!おかしいねぇ……能力どころか、体もゆう事を利かない。能力の使いすぎかねぇ…)」
「困りましたね。言ったはずでしょ、指示に従って下さいと。申し遅れました、仲間の1人です。」
「もう1人はボクっしょ。」
と、ひょこっと医者に扮した神戸の後ろから
陣も現れた。