玄馬は
必死に体を動かそうとしている。
「うぅあグあぁああがぁぐぐぁあ!!!!(ちくしょおぉおお、どうして体がうごかねぇメーン!!)」
「無理だよ、ね。」
「はい。言ったはずですよ、『あなたはこれから、私達に無抵抗で倒される。』と。」
数分前
玄馬に倒されたはずの
神戸と陣が現れた。
「(これがコイツの能力!!)」
「お前が能力で、こちらの情報を得ていたのは分かっていた。あの場所から逃げだしたのがその証拠。」
「(嘘を言ってって……嘘を見破る能力者もいるのかメーン!!)」
陣は
自分がその能力者だと
人差し指で
自分を2・3回指差した。
「なぜ戦わずに逃げたのか?こちらの能力がバレてるなら逃げずに戦い、倒す事は可能と判断出来たはず……つまり、お前の得た情報はそこまで精密ではない事も分かった。」
「(…………)」
「ボク達の憶測正しいか、途中で実験し確信したよ。そして、かなりの距離を逃げていたお前が、急に立ち止まり、ボク達の所に迷いなく近付いてきた事により、さらに分かった事がある。都合よく情報を得る事は出来ない。おそらく、発動条件が厳しいなど、高いハードルをクリアしないといけないという事。そのハードルをクリアしたお前は、臆する事なく神戸さんと陣くんを倒し、ボクを逃がさないだろうと。それは、情報の絶対的信頼の表れ。その信頼により、ボクを倒す前に能力では得られなかった情報を、質問で補足しようとしたが、かえってこっちに超レア情報を与えていた事には気付かなかったみたいだな。」
ボク達の能力は、まだバレてない!!!
「ボクは逃げるふりをして、携帯で合図〔ワンコール〕を送り、携帯コンボは成功した。神戸さんが無事なのは、逃げている時にワンコールがあったから分かっていた。能力の使い方しだいで、お前の能力以上に情報を得る事は出来るんだ!!」
選挙事務所で
羽月美和から教祖に
「連絡がない?」
「はい。何度携帯に掛けても、守光と連絡がとれません。捜しに行った玄馬とも、連絡がとれなくなりました。」
「おいおいおいおい、着信拒否されちゃってるんじゃないの?いつも言ってるだろ、小鹿ちゃんを愛してるのは、ボ・ク・だ・け・だ・っ・て![]()
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」
「誰が小鹿ちゃんだ!!・・・・・・惚れてまうやろ!!!」
と、羽月と瀧村徹は
満更でもないみたいだ。
黒武者宗佑は
「守光は、心配する事ないだろ。」
と、見ていたテレビで
「都知事選挙活動中、今度は東原英夫都知事候補が、わいせつ物陳列罪で逮捕されました。繰り返します。先ほど、都知事選挙活動中……」
「任務を全うした今頃、高みの見物でもしてるんだろ。玄馬は、最初から捜しに行く気なんてなかったんだよ。アイツの事だ、遊び疲れたらそのうち帰ってくるさ。」
「…………似てないか?久井の時と。」
「…そう言えば久井の時も『そのうち帰ってくるだろ。』と、3日経っても帰ってきませんでしたね。黒武者の能力で、実家に引きこもってるのを突き止めた。今回も同じだと!?」
「……可能性はある……黒武者、もう一度出来るか!!?」
「ああ、もう問題ない。」
と黒武者は
手の包帯を取りながら言った。
「そ、そんな…本当かよ。」
「ええ。この男は、自分の能力〔危機回避メール〕でこちらの情報を得ていた。私と吉見さんの、携帯コンボの危機も知っていました。」
と、玄馬の携帯を
吉見に渡した。
吉見は
玄馬の携帯を操作し見つけた…
超危険!!!超危険!!!超危険!!!!
ソイツを直ぐにKOするメーン!!!!
「……あの時……コイツは、自分の能力より目の前の状況を選択した。くそ………勘違いしてた。ボク達の力で勝ったんじゃなかった。コイツの選択ミスで、助かっただけだったんだ!!!!」
その時
「どうします、止めますか?」
と、吉見と陣に
提案してきた。
その提案に2人は
「!!?」
「今ならまだ、捕獲した信者達のこれまでの記憶を消し帰せば、何事もなかったかのように、元の生活に戻れるかもしれません。」
「……止めよう……陣君、ノイズなんてないだろ?ボクの本音だからね。覚悟したはずなんだけどな…でも………でも、傍観者にはなりたくない!!見て見ぬふりも出来ない!!」
吉見は
崩れるように倒れて
「…………いじめられてたボク達なら分かるはず……」
神戸は
吉見に駆け寄り
「すいませんでした、吉見さん…私達に選択肢は、最初からなかったんですね。」
陣も
吉見に駆け寄り
「そうだよ。もう逃げられないんだよ。宿命からは逃げられない。進もう、三人で!!!」