君の瞳に一万ボルトレーザービーム(ちょっと古い歌を使っちゃいました)
2008年1月16日PM18:05 20年間お世話になったメガネを静かに机に置いた。
メガネ生活引退の瞬間であった。
視力が復活する喜びで、ここ数日浮き足立っていた。
そして、手術への不安がまったく無いまま当日を迎えた。
手術控え室に入り、スタッフの女性に手術服を着させてもらう。
赤の他人の女性に服を着せてもらうことに【喜び】を感じてしまったのは、【余裕】の表れか。
しかし、自分の名前を呼ばれるまで待っている間に何故か心臓がバクバクと暴れだした。
手術を待つ人が他3名。それぞれの人が期待に胸を膨らませているはずが、
その集約した緊張感に僕の体も反応してしまった。”平常心を保て”自分自身に言い聞かせる。
待っていた人達が次々と呼ばれ、ついに自分も呼ばれ手術室に入ることになった。
人生3回目の手術。1回目は交通事故で北海道の旭川日赤病院、2回目はニュージーランドのロトルアで虫垂炎でだ。今日が3回目、今までと違うのは自ら志願してオペに向かうことだ。
まずは角膜をレーザーでマンホール状にカットする手術だ。
既に待合室で目薬による麻酔をしているので、直ぐに手術が始められた。
「はい寝てください、リラックスしてくださいね。ではレーザーをあてますから、光の輪の中にある黒い部分を見ていてくださいね。」事務的な掛け声と共に、機械が動き出した。
黒い部分を見つめていると、「ハイ角膜のカットをしますね。1・2・3・・・」と10秒ほどで
目の前が真っ白にぼやけた、これがさっき説明にあった角膜を切った後は目の前が白く濁る症状だった。
分かってはいたがちょっとドキドキ。
スタッフの人に手をつながれ、今度は瞳にレーザーを当てて視力を矯正する手術室に移動した。
前の人が終わるまでしばし待つ。
直ぐに始めてもらえればいいのだが、待つのはつらい。この瞬間電力が落ちて手術が不可能になったら「僕は失明するのか」とネガティブになってしまう。
しばらく待ち、自分の番が回ってきた。先ほど同様に手術台に仰向けになる。そして目の部分露出するカバーを顔に掛けられる。そして執刀医の先生が「はい、上を見て、下を見てと」の指示に従い目を動かす。「はいでは目を動かさないでくださいね」の声と共に、僕の右目に吸盤のような吸引具が装着された。
目が見開かれ一気に眼圧が上がる。ものすごいストレスだった。そしてレーザービーム発射。「ずっと緑の光を見ていてくださいね」といわれるが、時々目に液体を入れられるので、視界がぼやけ目が勝手に緑の光を探してしまう。その都度「目を動かさないでくださいね」と注意される。体が勝手に反応してしまうので仕方が無い。
レーザービームはまったく問題ないのだが、吸引具が眼球に掛けるストレスがはんばじゃない。お世辞にも【楽な手術】とは感じなかった。レーザー放出時間は20秒。先生がカウントをつづける。
その間体は硬直したまま。ものすごい緊張感が続く。
それは永遠とも感じる20秒。大げさかもしれないが、人生最長の20秒だった。
これが、もう片眼も同じことをされるからたまったものじゃない。
右目が終わり、再び左目にも同様のストレスを体感し。はじめの手術を含め10分ほどで矯正手術は終了した。術後直ぐに目を開けてよかったので、視力の具合を見るが、見えているには見えているが、ボヤーとした視界だし、目の中がショボショボするんで、まったく実感がわかなかった。
ただ、見えているのは間違いなかった。
手術室から暗室に移され10分ほど休憩した後、処方箋の説明を聞き。「はいこれで終了です。気を付けてお帰り下さい」術後は1時間は休憩するのかと思いきや。あっという間に終了してしまった。
なんともあっけない終わり方だ。余韻に浸る時間も無く。名古屋の闇の中に放り出された。
実はここからが大変だった。
ショボショボした目を気にしつつ、名古屋から岐阜まで電車で帰る。ほぼ満員電車の中で急激に目がショボショボしだし、目が開けていられない。そして涙がホロリホロリ。頬を伝うじゃありませんか。
絶対に第三者から見たら「あの人失恋してないているんだわ」と思われていたに違いない。逆効果と分かりつつ、涙を見せないように人の視界に入らないような体制を作ってしまうのは。人間の悲しい性ですよね。
涙、涙でバスを乗り継ぎ家に到着。
家に着いた安心感から緊張感が解け、更に激しいショボショボ感に襲われた。目が痛いのではなく、吸引具のストレスが今だ続いている感じだ。こんな時は寝るに限る。この痛みは細胞が復活の為に戦っている痛みだと決め付けてさっさと床につくことにした。(筋肉痛の時もこの痛みは筋肉が発達している痛みとポジティブな解釈をします)
手術のストレスで相当疲れていたのでしょう。その痛みより睡魔が勝りあっさりダウンでした。
そして翌日。
術後の軽い頭痛の中目を覚ます。
そして窓から外の景色を眺める。
「うぉークリアーじゃー」
目の前にフルハイビジョンの景色が広がっていた。
手術体験者が語る「朝起きた時に感動があります」その言葉の意味はそこにあった。
近視の人でしかこの感動は味わえません。
お金を掛けて得る幸せは色々ありますが、これほど有効な幸せの買い物は無いのではありませんか。
これにてレーシック手術記を終了します。
プライベートな話で申し訳ありませんでした。
また、近視でお悩みの方以外の方にはまったく興味がそそらぬ内容ですみません。
最後に、手術に踏み出せない方は是非ともご質問ください。
痛みの出方は人それぞれだそうです。
しかし、痛み以上に得る物があるのは間違いありません。
一歩踏み出せないあなたの背中を押してあげましょう。
明日土曜日はさっそくケイビングツアー、日曜日は今年最初の奥美濃スノーシューツアーだ。光と影の両極端のツアーをじっくりこの目で見てきます。
おわり