Vol.1 ただのん | Culture is undead

Culture is undead

カルチャーになぞらえた人物へのインタビューを中心にコラムを綴ります

Riust.のショップオープンに先駆け、月刊コラムページculture is undeadをスタートさせました。
この世界にはRiust.で紹介しているカルチャーだけではなく、様々なカルチャーが人の数だけ存在しているのではないかと思います。
しかしそれも伝えていかなければいつかは絶えてしまうもの。
当コラムは様々な人の心で生き続けるカルチャーを、読者の皆様に伝えていくことを目的としています。

記念すべき第一回目のゲストにはニコニコ動画「踊ってみた」カテゴリで活動中のただのんさんをお迎えしました。
「ニコニコ超会議」「NICONICO D@NCE M@STER」をはじめとした国内の人気イベントはもちろん、「Japan Expo」「ANIME FESTIVAL ASIA」「niconicoKUNIKAIGI」などの海外公演でも活躍しているただのんさんはまさにニコニコカルチャーを築き上げたキーマンの一人であると言えます。

今回はそんなただのんさんに、踊り手としての本音を聞かせてもらいました。

ただのん1

筆者「当コラムはテーマをカルチャーとしているのですが、思い入れのある、または影響を受けたカルチャーとかってあったりしますか?」

ただのん「カルチャーっていうと難しいけど、わかりやすく言えばダンスと…アニメと漫画とゲーム。小さい頃からゲーム少年だったんだけど、中学ぐらいからいじめられてひきこもってからどっぷりアニメ見るようになったんだよね。それからネットとかも見るようになって、動画サイトにハマったりして。その頃の流行りはフラッシュ動画だった」

筆者「あぁ、オラエモンとか!懐かしい(笑)」

ただのん「そうそう(笑)そんな時にサーフィンしてたらマイケルジャクソンのムーンウォーク集っていう動画を見つけたのね。それがもう本当に格好良くて、ダンスに少しずつ興味持ち始めたのかなあ。それから高校行ってはじめてオフ会に参加したんだけど、それがハレ晴レユカイを踊るオフだった。あの頃アニメでダンスを踊るなんてことがもう異質だったからすごく新鮮で」

筆者「それまで完全インドアだったのにオフ会に参加するって、それほどの衝撃があったんですね…」

ただのん「アニメのパワーだね(笑)ハレオフって別にみんなダンサーとかじゃないし、ただアニメが好きでハレ晴レユカイを踊りたいっていう人たちが集まってたんだよ。その中でも俺とかがニコニコ動画に投稿するようになって、それが本当に楽しくてどんどん踊ってみたへの興味も増していった感じかな」

筆者「じゃあ搔い摘んで言えば、踊ってみたカルチャーに影響されたって感じですか?」

ただのん「そうなのかな。影響もされたし、やってきて長いから影響も出してきたと思う。ちなみに、最初は踊ってみたにダンスやってる人とかっていなかったんだよね。ある時期を境にダンスやってる人たちが参入してきてフリームーブ(曲に合わせて自分のスキルを用いて自由に踊ること)の動画が増えてきたわけ。それはいいんだけど、それと同時にやっぱ踊ってみたのやつらはフリームーブと違ってまともに踊れてねえとか言われることも増えて、悔しくなったんだよ。踊ってみたって元々はコピーの文化だと俺は思っているからさ。だから俺はダンサーじゃなくて踊り手としてフリームーブをコピーしたらいいんじゃね?と思ったところからダンス自体への興味も増していったよ(笑)」


ただのん2


筆者「じゃあイベント出る時とかっていうのはダンサーとしてとか踊り手としてとか、そういった意識の違いみたいなのってあるんですか?」

ただのん「ん~、イベントに出るようになってからまた少し考えが変わったんだけど、動画ってやっぱり自分が楽しいからやってるんだよね。見る側もやる側もお金かかったりしないし。でもイベントってただのんさんに会いたい!って人もいれば別の人目当てに来てる人もいて、それでもみんなお金を払って観にきてくれてるわけだから、少しでも面白かったって思ってもらえるようなステージをやらなきゃって義務感はある。やっぱり現地のパワーって動画とは訳が違うから、そこに臨機応変に対応できるような…そうだね、パフォーマーかな。」

筆者「動画での踊り手ただのんとはまた違った、パフォーマーのただのんってことですね」

ただのん「そうかな。でもやっぱり全てにおいて楽しいからやってる。これだけは絶対にブレないかな。イベントでも動画でも俺が楽しめなかったらそれって観てるみんなにも伝わるでしょ。だから楽しそうじゃないイベントだったら出ないし、楽しめるような演目にするために意見したりもする。そういう意味でも動画活動が根底にあるのかな。楽しいって気持ちを崩しちゃだめだよね」

筆者「なんにでも言えることですよね。たしかに楽しくないまま活動してたら本人も苦痛だし、周りの人もだんだん離れていく気がするなぁ」

ただのん「俺の武器はダンスの実力をあげてスキルを見せていくことじゃなくて、楽しく踊ることだと思ってる。さっきの話じゃないけど、最近参入してきた人たちの中には楽しむことを忘れて商業的になったりしてる人もいるのよ。でも根底にあるのはやっぱり楽しむことだと俺は思うから、イベント主体になっちゃうのはもったいないかなあ」

筆者「なるほど。土壌である動画活動を疎かにしてたらだんだんブレてくるってことですね」

ただのん「古い考えなのかもしれないけどね、古参の意地かな(笑)逆にこういう考えの人間がいなくなっちゃったらカテゴリの敗北だと思う。いくら新しい世代が売れてたって、その土壌を作ったのは俺たち古参なわけだしね。ダンスは上手くなくても経験値と場数なら負けない。そういう意味でもライブイベントもどんどん精力的にやっていきたいし、もちろん動画もずっと続けていきたいよ」

踊り手として強いこだわりを持ち、ネット時代を駆け抜けるただのん氏。
同じようにファッションへのこだわりもあるのか、尋ねてみました。

ただのん「ファッションとかよくわかってないんだよ(笑)ただのん=ダサいみたいなところあるし、今日だってこれ、エヴァのデニムだよ(笑)」

筆者「ええっ!…あっ、本当だスゴい!!(笑)…ってちょっと待って、それ時計ももしかしてエヴァ?」

ただのん3

ただのん「そうそう。これは誕生日プレゼントでもらったんだけど、死ぬ瞬間までつけてると思う。数量限定品なんだって。桐の箱に入ってたからもらった時本当にビックリした(笑)宝物だよ」

筆者「それでこだわりがないなんて言ってるんですか!(笑)充分好きなものにこだわってるように思います(笑)」

ただのん「なんていうんだろう、ファッションに詳しくないからよくわかんないってのが正直なところなんだけど、好きなものを身につけていたいっていうのはあるよ。Tシャツだってアニメかイベントのものしかないし…あ、赤いチェックのシャツだけで30枚ぐらい持ってたりするな」

筆者「そういえばただのんといえば赤!っていうイメージがあります。髪も赤いし、赤が好きなんですか?」

ただのん「いや、俺本当は青が好きなのよ。髪の毛いじるのが元々好きだったからいろんな色にしてたんだけど、それが赤で定着したってだけ。ただ、今になって『ただのんといえば赤』って思ってくれる人が多くなってくれてるし、俺に興味なくても踊ってみたの赤い人って印象をもってもらえたりするし、そういう意味では計らずしてイメージ戦略になった感じ(笑)」


ただのん4


筆者「やっぱりただのんさんに憧れて踊り手を志す方も多いと思うのですが、これから踊ってみたで活躍したい!と熱意を燃やす若者に向けて一言アドバイスをお願いします!」

ただのん「うーん、まず若い人にオススメはしないかな(笑)ただ、やるならとにかく楽しんでやればいいと思う。ダンスとはまた違ったものがあるから、上手い下手だってのを気にする必要なんてない。撮影だってiPhoneで充分。チヤホヤされたいとか動機は色々あると思うけど、根本的には純粋に動画を上げて楽しめればいいんじゃないかな」



話し足りない!と最後まで言っていたただのんさんでしたが、今回は本当に貴重なお話をたくさん聞かせていただけたのではないかと思います。
ただのんさんの出演情報等についてはただのん公式Twitterアカウントをチェックしていただければと思います。

なお、Riust.ではショップオープンと同時にただのんオフィシャルTシャツを独占販売することが決定いたしました!!
詳細はまた追ってお伝えしますので、どうぞお楽しみに♪

何よりも楽しむことに重点を置き、いつもユーザーやファンの方を笑顔にしているただのんさん。
ネットでもライブでも精力的にパフォーマンスしていく彼から、今後も目が離せません。