その朝、カイコは一生を終えていました。
「カイちゃん、とっても優しくていい顔しているね。2人ががんばってお世話してくれたから、カイちゃんは幸せだったって言ってるみたいだね」
お別れをする心の準備の時間。
カイちゃんはがんばってくれました。
優しい顔を何度も見せてくれました。
『生きてるよ』って首をふりながら。
カイちゃんは、お庭に埋めてあげることになりました。
大好きな新鮮な桑の葉っぱ。
たくさんたくさん包んであげました。
埋め終わってから次女が言います。
「お墓って棒とかたてるんじゃない?」
カイちゃんのお墓の棒を探すことになりました。
しかし…現実は…
もうすぐ学校の時間。
近くに貝殻のかけらが落ちていました。
「カイちゃんだから、貝をたてればいんじゃない?」
私は言いました。
「ママ!カイと貝でダジャレかよ!」
と長女に冷静につっこまれました。
桑の葉っぱ付きの棒をたてることになりました。
お墓を作ることができてよかった。
カイちゃんは、教えてくれたんだよ。
清潔なお部屋で、安全に気を付けて生活するんだよって。
これはママの解釈だけどね☆
2人は、ちゃんと騙されてるといいな。
普通に生活できることが、何よりのしあわせだね。
カイちゃん、ごめんね。
カイちゃんの顔が優しすぎるから、涙がでちゃうよ。
ありがとう、カイちゃん。