耐圧試験のときの充電電流


耐圧をかけると必ず記録として残すアレ


技術基準には規定電圧を印加しこれに「耐えること」と書いてあり、充電電流については触れていない


耐圧試験における充電電流はその合否の基準ではなく、被試験物にきちんと規定電圧がかかっているかどうかの判断に使うわけだ


最近では充電電流チェッカーなる測定器があって、簡単にその試験範囲における充電電流が測定できる


ただしこれは施工済みの設備に対して測定器を使用する必要があり、事前に試験器の構成を検討する段階で予測することはできない


ではどうするか


受電設備に耐圧試験をかけるにあたって発生する充電電流のほとんどは高圧ケーブルの静電容量分から起因するものであり、その他の機器から起因するものは誤差程度と考えてもよいかもしれない


厳密には出荷記録等で確認するのが良いのだろうけど・・・


最近のトップランナー変圧器なんかは従来のものより静電容量が大きくなってるって話も良く聞くしね


まぁここでは無視するとして


つまり設備に使用するケーブルの太さと長さが分かれば、「電線便覧」、もしくは使用ケーブルのメーカー成績書を確認して静電容量を計算することができる


あとは例の式


Xc=1/ωC


ω=2πf だから


Xc=1/2πfC


これから


Ic=V/1/2πfC=2πfCV


この式に調べた静電容量と耐圧に使用する規定電圧、高圧受電なら10,350Vだね


これを代入すると充電電流が出せる


ただ、この数字はあくまで理論値であり、実際はこの数値より少なめにでることがほとんど


過去の試験において理論値と実測値との相関関係として経験値的に現場でよくつかわれる係数があるんだけど



約0.7倍



この係数を掛けた値を目安として判断すると結構いいとこに収まる


その数値と実際に規定電圧を印可したときの充電電流が大旨同じであればきちんと設備全体に規定電圧がきちんと印可されていると判断できるよね(最終的には検電して確認するけど)


きっと、接地が効いていなかったり、試験器の結線を間違ってたりするとかなりズレた充電電流がでてくるはず


安全管理審査なんかで監督官へこういう説明をきちんとすれば、耐圧試験の妥当性を納得してもらえるんじゃないだろうか


ただ、耐圧試験は「耐えればいい」と認識しているだけではちょっともの足りないかもね

去年、原子力安全保安院により「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」が改正されたわけですが


その影響で区分開閉器や主遮断装置についている地絡保護継電器の遮断器連動動作時間(130%)の測定をしなくてはならなくなった


そんなわけで、最近の竣工検査(外部委託を受託予定)はすこしめんどう・・・


定期点検等で受電して電圧が乗っている場合であれば、継電器の電源喪失を利用して遮断時間を測定できるんだけど、竣工検査のようなまだ電圧が乗っていない場合だとちょっと大変


地絡保護継電器は最近ではほとんどの場合、構内柱上の区分開閉器についてあるので、その遮断時間を測定しようと思うと、電柱の一番上まで昇って試験器のトリップ線を開閉器の1次-2次に繋ぐという作業が必要なわけなの


横着をしようとして、開閉器が動作したときの揺れを利用して、振動センサー付きの補助接点を電柱下部や操作ヒモにつけたりしてみたけど、できたりできなかったり・・・


結局昇って区分開閉器本体にセンサー付けたりしてやってるんです


先日とある竣工検査の現場で柱上に区分開閉器の銘板と接地の確認で昇った後輩がせっかく昇ったのだから、耐圧試験前に地絡保護継電器の連動試験を先にやってしまおうと言い始めた


ものには順序があるわけで、わたしはそのとき「ダメ」と言って耐圧試験から始めて、再度その後昇らせたわけです


そしたら同じ話を今日、別の保安技師さんが話してましたね


使用前自主検査の行程を検討してる段階で、工事業者さんが耐圧試験の前に継電器試験をしろと言ってきた


もちろん「ダメ」といったがなかなか言うことを聞かない


結局、局の監督官も「常識的に考えてダメ」ということで叱られたというお話


何が常識的に考えてかというと


つまり竣工検査の流れには意味がきちんとあるわけで


まずは耐圧試験の生命線とも言える、接地の確認と外部点検


接地が適切じゃないと耐圧試験の電圧がきちんと設備に乗らないからね


もちろん電圧を乗せないようにする保護処置(短絡アース)も含めての話


その次に耐圧試験をして、最後に継電器試験


なぜかと言われれば、耐圧試験の電圧で継電器にトラブルが出ていた場合、最後に実施することでそれが判明するから


ひとたび受電して運用に入れば、保護継電器の動作うんぬんは重要なことなわけで


それが耐圧後の確認試験をせずに、不具合がでていてそれが事故につながった場合、その影響は相当大きなものになるのが想像されますね


どうでもよさそうなものにもきちんと意味があるわけですし、ヒューマンエラーというものも完全に防ぐのは無理だからね


最悪の場合は想定しておこう




竣工検査において接地の確認と接地抵抗測定は生命線であるわけですが


変圧器の低圧側に施すB種接地工事


その接地線の太さについて少しつっこんで確認してみたわけです


これって、技術基準をみると明確な最低太さというものが定められていない。


さらにさかのぼり、「電気設備に関する技術基準を定める省令」をみるとこう書かれている


第十一条「電気設備に接地を施す場合は、電流が安全かつ確実に大地に通ずることができるようにしなければならない」


う~ん、曖昧な・・・


まぁ、いまの技術基準は曖昧なところが多いわけですが


そこで技術基準の解釈をみると、ある表が載っている


おそらく多くのひとがよく目にする単相あたりの変圧器容量別のB種接地線の太さが書いてある表


保安管理する人がよく開くあの、「高圧受電設備規定」にも載ってる表ですね


これは技術基準にある、電流を安全かつ確実に大地に通ずることができる太さを「例えば」という形で紹介しているもの


で、この表がどこから来たのかというと、これは「内線規定」


ただ問題がありまして


この表の接地線の太さは、ある程度の変圧器容量の幅をもってざっくりと○○sq以上とかいう書き方がしてある


ピンポイントで○○kVA!って調べようとしても運が悪いと幅の中に埋もれてスッキリ出ないときもあったり・・・


さてそこで内線規定を読んでいると


資料としてこの表の数字を出した根拠となる計算式が巻末に載っているではないですか


そこには、その計算式からいくつか条件的な係数を代入して式を簡略化したものが載ってます


難しいことはわからないのでその辺はハショりますが


ようは


0.052×変圧器の定格電流(3相の場合は1/3)=最低接地線太さ


この最低接地線太さが、電流を安全かつ確実に大地に通ずることができる太さとして考えられるわけですね


・・・なんだ


表をコピーして持ち歩くよりこの式覚えておくほうが相当楽じゃんか~