2の23乗 | a tiniest hope

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ちっぽけな希望の話

こんばんは

 

冷えますね

真冬の寒さとは違うけれど

花が咲き出す時期の寒さは違った意味で容赦がない

どうか暖かくしてお休みくださいね

 

今日は予定通りには仕事が進まなくて

ちょっとバタバタしました

作業を始めると電話がかかってきたり

今日中に対応しなければならない用件が重なったり

 

今、わたしは研究室の実験助手として働いています

DNAを精製して、PCRから電気泳動にかけて遺伝子型を解析する

 

実はまるっきり、なにもかもはじめての仕事です

大学は史学科だったし

(拒食がひどくなり、通えなくなって中退したけれど)

その後従事した様々なお仕事も

すべて接客スキルや文系の知識を使うものでした

 

だから、分子生物学の世界は未知の世界

細胞についての知識は高校生物にすら届いてない

マイクロピペットの使い方も

遠心分離機の扱い方も

なにをオートクレーブにかけたらいいのかも

実験マウスの生態も繁殖の仕方も

なにもわからない

 

じゃぁなぜ

何故そんな未経験の

できるかできないかもわからない仕事に応募したのか

 

いくつか理由があったように思います

 

まず、その求人を見たとき

〝好奇心〟と〝可能性〟というふたつの言葉が

目の前に現れた気がしました

 

摂食障害や自傷行為で麻痺したわたしの心にも

まだ希望に似たものが残っている

病に打ちのめされる前の

すこやかで弾むような自分の心がまだ残っている

 

それは久しぶりに感じるワクワクした心でした

 

資格や経験は不問、というのも大きな魅力でした

恥ずかしながらわたしは資格を一つも持っていないし

経験も、病状の浮き沈みによって

始めてはすぐ辞めるの繰り返しのアルバイト生活だったから

有益な経験など持っていません

 

あとは、そうだな

食品関係の仕事じゃなったから、かな

過食嘔吐の私は

最初はうまくいくんだけど

食べ物に触発されて過食がひどくなったり

お店の食品に手をつけてしまって

クビになるということが度々ありました

 

まぁそんな理由で

とにかく、飛び込んでみた

 

そんな感じです

 

面接のとき、先生は

「君の履歴書が一番に研究室に届きました

僕はそのやる気にかけてみたいと思います」

と言ってくださいました

それと

「ハムスターをさわれるなら大丈夫」と (笑)

 

病気のことは正直にお話ししました

障害者手帳を持っていることも

 

すると先生は

「摂食障害の人はまじめな人が多いんですよ

まじめすぎてバランスを崩しちゃう

それは痛々しいことなんだけれども

だけど、だからこそ安心だよ

安心して仕事を任せられる」

 

仕事に就くうえで

摂食障害を初めて肯定してもらえました

もちろんいくつかの雇用理由のうちの一つだけど

摂食障害だからこそ雇ってもらえた

 

なにかとても温かいような

自分を抱きしめてあげたくなるような

そんな気持ちでした

 

現在、必死で実験に食らいついてる感じ

働き始めはマイクロピペットを肩がこるほど練習し

前任の助手さんには約一ヶ月間で研究室のイロハを

みっちり教えてもらいました

今は、時折来るアルバイトのT君とふたりで

事務やマウスの世話をしながら

実験実験の毎日です

 

あ、もちろん労働形態はパートです

一日7時間、週三日のお仕事です

わたしはもう無理はしません

正社員並みの仕事をして病気を悪くしたり

お金にばかりこだわって苦しくなって

腕を切りながら仕事をするのは

もうまっぴらごめんです

わたしはこの20年間で

だいぶ自分のことがわかってきました

 

 

長くなりましたが

これがわたしの最新の近況報告です

 

読んでくれてありがとう

 

ストーブがごうごうと燃えています

今夜は本当に冷えますね

わたしは温かいミルクを飲んで

お気に入りの毛布にくるまって

Coccoを聴いてから眠ろうと思います

 

あなたの夜もやさしいものならいいなぁと思います

 

 

わこ