PASSLABOの宇佐美流 「化学」の勉強法です。

 

「化学」は、大きく分けて「理論」「無機」「有機」の3つの分野に分かれています。

参考書の別になっているものも多くあります。著者が違うこともあります。

さらに各分野ごとに小分野があります。

これらの関係・繋がりがわかりにくいのを整理して解説してくれています。

物理・化学の全体像」と合わせて研究して下さい。

 

勉強法も、暗記であったり、計算であったり、理解が必要であったりと多様です。

その点は「独学で物理・化学を勉強するときの落とし穴」でも指摘されています。

 

「中学理科」のように、ただ暗記し、計算できればいいではすみません。

暗記量は膨大になり、理解できなければ学校の授業にもついて行けなくなります。

小単元ごとに、勉強法が異なるためギアチェンジしつつ勉強することが重要になります。

最終的に共通テストや志望大学の二次試験などで、どの分野がどのような形式で出題されるかを分析し、対策しなければ得点できません。

 

最終的には入試問題を解ける力をつけることが重要ですが、「物理・化学の全体像」にあるように「センター試験過去問」で確認をするのがよいと思います。

「化学」の勉強を始める前に、今回の紹介動画や「物理・化学の全体像」「2024年 武田塾参考書ルート 化学編」などを見直して勉強の全体像をイメージしておいて下さい。

また、各参考書も目次を事前に確認して、勉強のイメージを付けておくことが重要です。

「数学」と同じように単元・小単元はまとめて勉強し、一気に1周することが良いかと思います。

なんとなくでも1周すれば、全体像が見えてくると思います。

1年間で教科書を1周するペースでは、入試問題で得点できません。

 

「化学」は、「化学基礎」と「化学」の2つに分かれています。

「化学基礎」は早めに仕上げるのが良いと思います。

 

宇佐美さんは地方の公立高校出身なので、使う問題集も『セミナー』や『重要問題集』ですが、「2024年 武田塾参考書ルート 化学編」などを参考に自分にあった参考書を使って下さい。

 

「先取り学習」するのなら授業動画を使うのも一つの方法です。

「化学」に関してはあまりないのですが、「超わかる!授業動画」の「化学」のパートなどを参考にしてみて下さい。

 

おそらく想像以上に「化学」は苦戦するのではないかと思っています。

それは、「覚えればいい」と暗記科目だと思っているからです。

ぼくが高校生のときも、「mol(モル)」という単位が出たとき、何でそんな単位を使うのかとあらぬ方向に疑問を持ってしました。

また、「有機」に入るとカタカナ物質がたくさん登場します。

覚えきれませんし、間違って覚えてしまうとなかなか直りません。

この辺も一旦 授業動画などで耳から音で入れるのが良いかと思います。

新しいことをたくさん学ぶので消化不良のまま、前に進むとあっという間について行けなくなります。

「覚える」や「理解する」や「計算する」などのバランス・ギアチェンジが重要です。

そして、問題演習をする中で「具体化」したり「抽象化」したりの出し入れで「できる」「理解している」状態にして下さい。

 

「化学」の勉強法は「数学」に近いものがあると思います。

目次を見ながら全体像をイメージし、「いま、どこで、何をしているのか」を常に意識しておく必要があると思っています。

今回の紹介動画にあるように、今 勉強していることがどこに繋がっているのかを意識できることが大切です。

そのためにも「数学」と同じように範囲学習として、一旦 1周を終えることが近道になります。

問題演習をしながら2周目・3周目と精度を高めていく勉強が良いのではないかと思っています。

 

 

紹介動画:PASSLABO

■単元のつながりと得点戦略を解説■

 

(板書)

 「化学の勉強法」単元のつながりと得点戦略と意識せよ!(理論・無機・有機)

  <理論>

   ⓪ 結晶・電子配置

   ① 酸・塩基

   ② 酸化・還元

   ③ 熱化学

   ④ 電池・電気分解

   ⑤ 気体

   ⑥ 溶液

   ⑦ 化学平衡

   ⑧ 電離平衡 

 

  <無機>

   未知の反応式 予測!(化学反応式の動画) 

   mol / 単位演算(立式)

 

  <有機>

   「構造決定」(旧帝大)の動画

 

  <高分子> 

 

 共通テストで60% 以下 → 理論 メインで勉強 

   → 無機有機 は得点源 

 二次試験(ex. 東大) ⇒ 圧倒的に 理論 が難しい! 

   → 現役生は特に 有機分野 の対策を!

 

 

 参考書などを紹介するのではなく、全体図を見ましょう・・・

 単元の繋がりと得点戦略を意識して勉強して下さい・・・という話です。

 これは、特に受験生は分かると思いますが・・・受験生は、共通テストと二次試験があると思いますが、正直 「理論」「無機」「有機」「高分子」の「どれを勉強すればいい?」のかわからない・・・

 特に「理論」ばかり勉強している人もいれば・・・「有機」ばかり勉強している人もいる・・・

 意外と「化学」をバランス良く勉強している人はあまりいないんですよ・・・

 それでは一方で、高1・高2の人が習うのは「理論」だけ・・・習うのは「理論」なのだけど、他の分野と「どういう風につながるの?」というのがわからない・・・

 そういう人のために、「化学」の勉強法・・・特に単元のつながりと得点戦略を解説したいと思います。

 

⓪~②を固める重要性

 まず、1回「理論」を復習したいのですが・・・ 

 「理論」はザックリ・・・9つに分かれると思います。

 一番 大事なのは、⓪ ① ② が分かっていないと・・・そもそも「無機」と絡むので「無機」に行けない・・・・

  ① 酸・塩基、② 酸化・還元 ⇒ 「無機」と絡む

  ⓪ 結晶・電子配列 ⇒ 「有機」と絡む 

 

 例えば、「C」炭素は4本の腕を持っている・・・「何で4本 腕を持っているんですか?」・・・ 

 「N」窒素は腕が3本・・・「配位結合って何ですか?」・・・ 

 ⓪ ~ ② の辺りを理解していないと意味不明・・・だから、最初に必ずやる・・・ここをだけで完結するのではなくて・・・ここを利用して「無機」「有機」とか・・・もっと言うと② 酸化・還元 は未知の反応式を予測する!ときに必ず使う・・・「化学反応式全パターン」は108個あります。あなたの知らない反応式も出るはずです。ただ、丸暗記して覚えるのではなくて・・・本質を理解して欲しい・・・② 酸化・還元 をちゃんと分かっておけば・・・”未知の反応式”を自分で立てて・・・しっかり化学反応式に落とすことができる・・・そういったことに使える。何となく「化学」・・・見えてきましたか? 

 特に高1の人はここ(⓪ ~ ②)を習っていると思うのですけど・・・ここが重要だと思います。

 もっと言うと、ここ(⓪ ~ ②)で何を学んで欲しいかと言うと・・・やっぱり”mol”もそうだし、”単位演算”ですね・・・つまり、”計算”です。”酸化・還元”の公式を丸暗記で”計算”していませんか?・・・”酸化・還元”で起きる大事なパターン・・・”ヨウ素滴定”・・・”ヨウ素滴定”がちゃんと理解できていれば、これもOK。”酸塩基”なら”逆滴定”を理解できていますが?・・・複雑な・・・何が大事かというと・・・ちゃんと自分で立式できることです・・・立式して答えを出す・・・これも大事なんですが・・・今のところで言うと・・・「立式できるかな?」・・・ここすらできない人が多い。 

 この辺(⓪ ~ ②)を1・2年で学んで欲しい。

 

③ 熱化学、④ 電池・電気分解

 ③ 熱化学 は大学入試では面白いです。特に二次試験で融合問題を出す。

 ③ 熱化学 と「有機」が絡む・・・あるいは「無機」と絡むこともある・・・

 ”熱化学” は 有機物を燃やす そうすると CO2が出る・・・ 

 何かわからない CxHy + O2 →(どうなりますか?)・・・反応やkJ(キロジュール)の計算・・・基本的にどの問題も”暗記”の分野と”計算”の分野・・・もちろん”論述”・”思考”の分野がありますけど・・・

 ”熱化学”・・・僕はね・・・めっちゃ好きです・・・

 ”熱化学”はちゃんと勉強すれば・・・一番の得点源になります。どんな難しい問題が出たとしても・・・”熱化学”は解けます。今年(2022年)の東大に出ていますよ・・・これは東大にしてはムズくない・・・

 ”熱化学”はこれ本当に・・・得点源にした方がいい・・・「化学基礎」でやる範囲は・・・ちゃんとやれば得点源になる。

 もっと言えば・・・④ 電池・電気分解 をマスターして欲しい。

 

 ④ 電池・電気分解 は、どこと絡むかというと・・・もちろん「無機」もそうだし・・・② 酸化・還元 もそう・・・色々なつながりがありますけど・・・ここと絡みます。

 ④ 電池・電気分解 がわかれば・・・もちろん・・・「無機」の例えば・・・「アルミニウムの融解塩電解って何ですか?」ってときも・・・『図説』を見れば、”電池・電気分解”が載っている・・・

 ⓪ ~ ④ はめっちゃ大事。

 

⑤ 気体、⑥ 溶液:理論最大の敵

 「理論」分野の最大の敵は何か?・・・浪人生ですら苦手な人が多い・・・これは、⑤ 気体、⑥ 溶液 ・・・この辺は残念ながら・・・あまり絡んでないです・・・「無機」「有機」に・・・あまり絡んでいないのに・・・めちゃめちゃ強敵なんです。

 ガラパゴス諸島という・・・他とは離れた小っちゃい島で育って・・・独自の進化をとげた問題が出て来るわけですよ・・・。結構 計算ゆるかったり・・・もっと言うと・・・そもそもの設定の把握が難しかったりします。

 ここは大事です・・・大事なんだけど苦戦します・・・

 「理論」分野で・・・全部できていない人は「理論」をやる・・・⑤ と ⑥ 以外をある程度できている人は、絶対に「有機」をやった方がいいですよ・・・得点源は後で言います。

 「理論」分野で改めて線を引いて欲しいのは、ここです(④ と ⑤ の間)。

 まず、そもそも ⓪ ~ ④ をわからない人は絶対「理論」をやった方が良い。なぜかというと・・・「無機」「有機」「高分子」にメッチャ繋がっているから・・・ 

 ”気体”と”溶液”に関しては強敵です。もちろん、ちゃんとやって欲しいです・・・『重要問題集』をやって欲しいんだけど・・・どの問題でも満点を取ろうとしなくて良い。

 申し訳ないですが・・・共通テストでよく出るのが・・・”溶液”です。

 ”溶液”の問題で・・・計算ミスしやすい・・・そこは、また別途 復習していきましょう。

 

⑦ 化学平衡、⑧ 電離平衡

 これは何かというと・・・一番 怖いのだけど・・・一番 融合問題を作りやすいです。

 第1回共通テスト・化学では、「高分子」と絡んでいました。これは”アミノ酸系”でしたね・・・ 

 ⑧ 電離平衡 はもともと面白いのですけど・・・① 酸・塩基 と絡む・・・例えば、pH計算だったり・・・

 ⑦ 化学平衡、⑧ 電離平衡 は融合問題が多い・・・ただ、ちゃんと対策すれば取れます・・・二次試験で一番 多いのが⑦ ⑧ です。

 

 何となく「理論」が苦手・・・何となく「理論」が得意・・・ではなくて・・・ちゃんと線が引けますか?

 単元ごとのつながりとか・・・得点戦略・・・⑤ ⑥ は苦手でも良いんです・・・受験は満点を取る試合じゃないですから・・・

 まずは、⓪ ~ ④ を固めていますか?

 後は、⑦ 化学平衡、⑧ 電離平衡をちゃんと対策すれば・・・ある程度は得点源になります。

 その意味で言うと・・・「無機」は何ですか?・・・「無機」は計算とかほとんどが⓪ ~ ④ の復習です。

 復習なんだけれども・・・”化学反応式”を・・・ちゃんと自分で説明できますか?

 逆に言うと・・・「無機」は計算と・・・ある程度 暗記が多い・・・暗記が多いのでPASSLABOの動画(このブログに添付しています)を利用して下さい。利用して自分なりに体系化して下さい。

 あとは、分からない反応式は自分でストックしておいた方がいい・・・「無機」とPASSLABOの動画(化学反応式)はめちゃめちゃ繋がりがあります。

 「無機」は暗記を嫌がらずに楽しみましょう。勉強を楽しみましょう。色々な始点で勉強して欲しいと思っています。

 

有機について

 「有機」に関しては、昨年、受験生向けに”構造決定”の旧帝大レベルの動画を出しています。

 ある程度 やった人は是非 見て下さい。

 東大も京大も良い問題を集めました!

 残念なお知らせなんですが・・・最近(2022年10月の動画)は「有機」分野より「高分子」分野がよく出ます。

 「有機」分野の”構造決定”は楽しいんです・・・・パズルみたいで・・・慣れれば慣れるほど早く解ける。だから面白い。もっと言えば”計算”がほとんど無いので満点が取りやすい。

 最近は「有機」1:「高分子」1だったり・・・もっと言うと・・・どちらも「高分子」だったり・・・こういうのも増えています。

 「高分子」は残念ながら・・・”計算”もします・・・考えることも増えます・・・

 その意味では「有機」を・・・まだ全然やっていない人や・・・ある程度 1周しましたとなったら・・・「理論」はやって欲しいが・・・ある程度やったら「無機」は暗記だから・・・演習するとしたら「有機」・・・まず「有機」を演習しましょう。

 浪人生で得点を取ってくるのは”構造決定”・・・演習すれば得点になりやすい。楽しいし・・・

 「有機」をまず取れるようにしませんか?

 「高分子」の勉強はもちろん共通テストでやりますけど・・・ここもできればして下さい。

 ただ、優先順位が高いのは・・・ ⑦ ⑧ mol / 単位演算(立式) 「有機」・・・の辺です。

 

共テ、二次試験の話

 その意味では・・・「化学」は少し見えてきました。

 「理論」・・・「無機」・・・何となくではなくて・・・ちゃんと深掘ると色々な単元ごとに繋がる・・・その上で共通テストと二次試験の話をします。

 「共通テストの化学で60点 取れません」・・・こういう人・・・今は「理論」メインで勉強して下さい。

 「理論」は結構 多いです。多いからこそ「理論」。大変かも知れませんが・・・今の時期(10月)は「理論」です。「理論」が全ての基礎になっています。

 点数と取ろうとしたら・・・正直・・・「無機」や「有機」は得点源なのです・・・得点 取りやすい・・・

 だから「無機」や「有機」をやっちゃうという人がいますが・・・そもそも「理論」をやっていないと他も取れないですから・・・10月~11月は「理論」を固める・・・固めた上で、二次試験の勉強をするときに・・・「無機」「有機」の勉強をするときに「理論」の復習になるから・・・復習のときに「理論」を固めておいて良かったとなるから・・・

 60% 取れない人は「理論」固め。

 共テが80% 90% 取れる人は、今 共テ対策やる必要はありません。二次試験対策をやります。

 東大は・・・残念ながら・・・「理論」が圧倒的に難しい。

 難しいとは何かというと・・・満点取りにくいというのがあるのですが・・・計算がエグいんです。

 じゃあ どこで取るかというと・・・まさに「無機」「有機」なのです・・・二次試験は・・・

 現役生は特になにをして欲しいかと言えば・・・やっぱり浪人生と現役生・・・一番差がつくのは「理論」じゃなくて・・・「有機」分野・・・「有機」は「数学」でいうと「数Ⅲ」と同じ。

 演習をすれば・・・必ず得点は比例します。

 だからこそ「有機」をやって欲しいのです。

 ただ、何度も言います・・・もし、みなさんが共テで60% 以下なら・・・ちゃんと「理論」をやって下さい。70% ~ 80% 取れる人はガッツリ「有機」をやりましょう。

 10月・・・特に東大模試、京大模試がありますので・・・その上で・・・あとは「高分子」。

 「高分子」はちゃんと時間を取って勉強したら・・・しっかりとね・・・これは満点は難しいですが・・・ある程度は取れるようになりますので・・・ 

 その意味でザーッと勉強してきた「化学」・・・めちゃくちゃ楽しくなります・・・

 僕も地方の公立高校出身なんですけど・・・特に「理科」・・・進みが遅かったです・・・気持ちは分かります。

 ただ、僕も今 話したことを意識して勉強したら・・・東大・・・なんと7割 取れました。ビックリしました。

 地方の公立高校の生徒が・・・あの東大入試で「化学」が7割 ですよ。「物理」もちなみに7割取れました。

 「理科」と「英語」は、本当に安定します。救ってくれます。

 「国語」と「数学」は、もしかしたらしくじるかも知れないですけど・・・どんな問題でも「英語」と「理科」は安定します。

 だからこそ「理科」・・・もし「化学」で「ちょっと困ったな」という人は・・・今の話を聞いて・・・モチベーションに繋げて見て下さい。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

 

PASSLABO:【化学の勉強法+全体像】理論・無機・有機のつながりと得点戦略(2022/10/12)(10:53)

 

PASSLABO:たった1時間で化学反応式108問を全パターン解説【共通テスト × 2次対策】(2022/10/14)(1:08:44)

 

PASSLABO:【高校化学】1時間で旧帝大”構造決定”を全解説(2022/2/15)(51:59)