このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」15巻に対する感想を書いています。
こちらは後編その1です。
前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 15巻 中編」をお読みください。
ネタバレ注意です。
(子翠が描いた狐面だ)
「………緑の狸?」
欄干の上に置いてある狐面を見てそう言うのは、絶賛誘拐され中のマオマオです。
(狐面の眦は赤が定番だと思ったけど 緑の垂れ目になってる)
(虫は上手いのに獣は下手なんだ)
マオマオが捕らわれているこの村では、今宵、祭りが行われている様子。
「マオマオの面は猫みたいだよ」
ひょこっと現れた子翠がそう言うマオマオの狐面は、眦に赤が入っていて、確かに猫のようにも見えます。
そのままマオマオの髪形を器用にセットしていく子翠。
仕上げに何かいい簪はないか…と悩んでいたので、壬氏からもらった簪を渡します。
「マオマオけっこういい物持ってるね」
「ねぇ これちょうだいって言ったらくれる?」
無邪気に聞く子翠。
あげたことが壬氏にバレたら面倒だと思い、断るマオマオ。
うん断って正解。絶対スネちゃうよ壬氏たん。
準備が整い、祭りに参加するマオマオ。
村中の人たちが狐面をつけ、里のはずれにある社まで歩きます。
狐面の眦を、意外にも子翠と同じ緑で描いている人がちらほら。
それも男性に多いようですが、何か意味があるのか。
道中を照らす松明の中に飛び込んでいる虫の姿。
今年はバッタが多く、それらが何匹も松明の中に飛び込んでいるよう。
「知ってる?」
「ここに祀られている神さまが狐で 豊穣の神である理由」
そうマオマオに尋ねるのは子翠です。
その昔、この地方には一つの民族が住んでいたけれど、あるとき西から別の民がやってきた。
ほとんどの村人はよそ者を追い出そうとしたけれど、一部は彼らを受け入れた。
彼らの持つ、畑を豊かにする知識や害虫を駆除する知識の価値が分かったから。
しかし、それを快く思わなかった近隣の者が畑を奪いに来た。
そんなことが繰り返され、安住の地を求めて、泉の湧く地に作ったのがこの里だという。
(神である狐は この地にやってきた西の民を指すのだろう)
(狐に見立てた祭りの仮装は 村民たち自身が狐神の子孫であるということか)
「ここに来た狐は白い狐だから お面も最初は真っ白なんだ」
「でも定住することでこの地に染まるようになる」
子翠は話し続けます。
「ここの村の男の人はね」
「色の見分けがつかない人が多いんだよ」
「女の人もごくたまに」
はいまた出た。色の区別がつかない色盲の話!
選択の廟の話(※「薬屋のひとりごと 10巻 後編その3」参照)から、何かが繋がってるよねこれは絶対。
狐面に定番の赤じゃなく、緑を描いているのは色盲の人たち?
ってことは子翠もそうなの?
そういえば子昌も色盲疑惑あるよね?
緑の葡萄ジュースを羅漢にふるまわれたくだり(※「薬屋のひとりごと 14巻 後編その3」参照)、なんか怪しかったよね?
となると、二人とも建国の王母の子孫ってこと?
翆玲&子翠と同時に楼蘭妃が逃走してるけど、もうさ、これさ、子翠が楼蘭妃じゃない?子昌の娘が子翠(=楼蘭妃)なら、同じ『子』の文字を持ってるから親子感あるじゃん。
子昌も子翠も色盲=王母の子孫であるから、自分たちこそが正当な血筋であり、帝にふさわしいとか考えてる?それゆえの、今回の逃亡?
いや、それだとマオマオを誘拐する必要あるのかな?
んんんー分からん!
(色の見分けがつきにくい民の 気の遠くなるとような乗っ取りの話)
(きっと西から逃れてきた民の中で 今の都へと移った者たちが今の帝の祖先で)
(北の大地に根付いたのがこの里の祖先なのだろう)
子翠の話から、マオマオも同じように話が繋がったようです。
ぷちっ。
何かをちぎる音が聞こえて、思考を止め目を向けると、鬼灯の身を取りだして子翠が食べています。
「それ 美味しくないし、死にはしないけど毒があるよ」
「知ってる」
(堕胎剤の材料にもなる鬼灯を 毒と知った上で食べるとは)
社の周りには露店が並び、食べ物が売られています。
子翠は蝗(イナゴ)の串焼きを、マオマオは鶏の串焼きを買って食べ始めました。
しかし、蝗を一つ食べた子翠はすぐに吐き出します。
「最悪!飛蝗(バッタ)が混じってた!」
脚と羽をむしった状態で焼かれ、見た目は同じように見えますが、味が全然違うのだそう。さすが虫好き子翠。そんな違いも分かるのね…。
食べ歩きながら進むと、狐面を奉納する社に到着しました。
その中には、神さまの代わりとして、面を被った子どもが座っています。
交代で子どもたちが座っているようで、今年はあの生意気な子ども、響迂(キョウウ)も参加しているのだそう。
面を奉納して社の裏に向かうと、何やら落ち込んでいる子どもがいます。
どうやら飾り付け用の稲穂がすかすかで青い、はずれを選んでしまっていたようです。
里長からもらったものだと言う話を聞くと、他の子どもたちが口々に言います。
「里長の田んぼは毎年育ちが遅いとこがあんだよ」
「けちだからそこからしか出さないの」
「皆知ってるよ」
「お前は新参だから勉強だと思ってあきらめろ」
落ち込む子に、マオマオは自分の稲穂を渡してあげます。
特に信仰心などないマオマオにとっては、稲穂の当たりはずれなんてどちらでも良いのでしょうが、もらえた子は嬉しそう。良かったね。
そうこうしているうちに、神さまの代わりを勤めあげた響迂が来ました。
奉納された狐面たちが燃やされるということで、それを一緒に見に行きます。
池にいかだを浮かべて、その上に櫓(やぐら)を建て、奉納した面を櫓と共に燃やすのだそう。
そうして最後まで水面に落ちずに面が燃え尽きて天に昇ったら、面に書いた願いが成就すると言われているそうです。
「叶わない願いは底に沈み 恵みの糧となる」
「虫は冬を越せない」
「ただその子を残すのみ」
燃える櫓を見つめながら意味深な言葉を残す子翠。
なんだか様々な伏線が回収されそうな、さらに張り巡らされているような気がするところで、今回はここまで。
続きは「薬屋のひとりごと15巻 後編その2」へ!
