このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」10巻に対する感想を書いています。

こちらは中編になります。

前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 10巻 前編」をお読みください。

ネタバレ注意です。

 

 

異国の特使へ、”こっそり女神(壬氏)を見せちゃおう作戦”が無事に終わり、つかの間の平和な時間が訪れる後宮…

 

小蘭(シャオラン)は最近できた手習い所での勉強に余念がないし、やぶ医者のおっさんは、後宮内で流行った香油(妊婦には良くない成分入り)の事件に巻き込まれて忙しいそう。

 

香油に含まれていた、妊婦に良くない成分。その一つ一つは微量でも、組み合わせ次第では強力な毒になりうる。いったい誰が持ち込もうとしたのか…。

 

もちろんそんな成分が入っているとは思わず、さまざまな妃の侍女たちがわんさか買っていたのですが、責められるはずもなく、犯人も分からず。

 

(…ただの毒見役がこんなこと考えてなんになる)

 

そう思ったマオマオは思考をいったん放棄。翡翠宮に戻ります。

 

すると、翡翠宮の侍女がひとり、風邪をひいたようです。

身重な玉葉妃にうつっては大変!

 

(風邪薬でも煎じるか)

 

そう考えていたマオマオは、

 

「悪いけど、薬作ってくれるなら、そのあと診療所に連れていってくれない?」

 

と、もう一人の侍女から頼まれます。

 

診療所…?

やぶ医者のいる医局ではなく、そんなところが後宮内にあったのでしょうか?

 

どうやら後宮に入った日に一通り説明はされたようですが、マオマオは聞いていなかった様子。まぁ、誘拐されて無理やり連れてこられた先の説明なんて聞く気にならないよね。

 

診療所の場所は洗濯場の裏側。その中では、中年の女官たちが働いていました。

 

後宮と言う場所柄、女官は大体30歳になる前に強制的に入れ替えられるので、中年まで勤めている女官は珍しい存在です。

妃の側仕えや位の高い人たちなら不思議でもないのですが…

なぜこの診療所には、中年の女官が多数働いているのか。

何かしら事情がありそうです。

 

なにかしらの事情はさておき、具合の悪い患者への扱いは慣れたもので、見立てもしっかりしています。

シンプルな建物内は掃除も行き届いていて、アルコールで消毒されているのか、清潔に保たれていて、窓も多く、換気もばっちり。

洗濯場の近くなので、すぐに衣服や布団の洗濯もできるという最高の立地。

 

これほどの場所ならば、やぶ医者のいる医局よりよっぽど治療に向いてそうな場所ですが、不思議と薬が全く置いてありませんでした。

 

風邪をひいた侍女を診療所に預けて帰る道すがら、マオマオは様々な疑問を頭に浮かべながら歩いていると…

 

ドン

 

誰にぶつかったのかと思えば、壬氏です。

考え事をしながらで全く気付かなかったマオマオ。

 

いやマオマオは考え事してて見えてなかっただろうけど、壬氏は見えていたでしょううよ。ぶつかる前に避けられてたでしょうよ。

なのに避けずにぶつかったって事は…んもう壬氏ったら、マオマオに話しかける口実が欲しかったのかしらん。うふふ。

 

どこへ行っていたのか聞かれたマオマオは、質問に答えた後、診療所が良くできている場所だったため、むしろあそこを医局にした方が良いのでは?と提案してみます。

しかし壬氏の答えは

 

「それができれば苦労しない」

 

と言うもの。

 

どういうことかと尋ねるマオマオに答えるのは高順です。

 

「医官には男しかなれないからですよ」

「基本医官にしか薬は煎じられない」

「怪我の手当なども、すり傷ならともかく大怪我の処置は無理」

 

あれほど良くできた診療所に薬が置いてなかった理由はそういう事だったのね。

 

妃の中には、侍女に薬に詳しいものを置くことも少なくないそうで、マオマオが薬を煎じたりするのはグレーゾーンというか、壬氏の立場としては、目を瞑っている状態らしい。

 

ふむふむ。

男じゃなくても医官になれたり、宦官にならなくても後宮内で医官として働けるようになれば色々とスムーズな気もしますが、制度を変えるといういうのは簡単ではないようです。

 

でも現帝に代替わりした後、宦官になる手術は禁止されたそうなので、早く手を打たないと、後宮内に医官が不在という事態になりそうです。

 

(壬氏の年齢を考えると、ちょうど禁止される前くらいに手術したのだろう)

(もう少し待っていれば)

(かわいそうに)

 

壬氏の股間に向かって手を合わせるマオマオ。(笑)

 

(生える薬 作ったら儲かるかな)

 

なんて考えているマオマオに、

 

「生えとるわ!!!!!」

 

なんて言えるはずもない壬氏は、複雑な顔をして、高順に連れられ去って行きました…。

 

どんまい壬氏。

 

きっといつか、マオマオに誤解が解ける日が来るさ…たぶん…。

 

相変わらず壬氏を玉無しだと思っているマオマオに、突っ込めないまま今回はここまで。

 

次回は診療所のおばちゃんに頼まれごとをするマオマオのお話です。

それは「薬屋のひとりごと 10巻 後編その1」へ。

 

マオマオから股間に手を合わせられた壬氏の苦い顔が気になる方は、ぜひ漫画「薬屋のひとりごと」を読んでみてくださいね!(笑)