このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」7巻に対する感想を書いています。

こちらは前編です。

前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 6巻 後編その3」をお読みください。

ネタバレ注意です。

 

 

祭事中の壬氏(ジンシ)を間一髪で救い出し、落ちてきた柱の破片で脚を負傷したまま意識をなくした猫猫(マオマオ)

はっと目覚めたそこは、壬氏の寝室でした。

痛む脚に目を向けるとすでに治療した跡が。

水蓮(スイレン)曰く、15針も縫ったそうな。うへぇ…。

 

起きて早速ではありますが、事の次第をみんなに報告するため、着替えて壬氏の執務室へ。

そこには壬氏、高順(ガオジュン)、そして不愛想な武官・馬閃(バセン)の姿も。

マオマオは事件の詳細や推理を伝えていきます。

 

壬氏がお世話になっていた高官の死に始まり、小屋の小火騒ぎ、と同時に祭具の盗難、さらには祭具の管理をしていた官が食中毒で倒れて不在…。

そして、彫金細工師の遺した、低い温度で溶ける新しい金属の存在。

 

話を聞いた壬氏たちも当然、これらの出来事は偶然ではなく、故意に引き起こされたものだと考えます。

 

これさぁ、マオマオが牛黄に釣られて調査しなかったら、いま壬氏はこの世にいなかったからね?!

マオマオは命の恩人じゃん!

まぁ、ご褒美の牛黄で釣ったのは壬氏自身だから、なんていうか、自分の身を守ることに繋がってグッジョブでもあったのだけど。(笑)

 

とにかく、詳細を話したマオマオ。

ここから事件にかかわった人物を探し出すのは壬氏たちのお仕事です。

 

事件に関わっていそうな官女、翆苓(スイレイ)の姿を思い浮かべ、複雑な表情のマオマオ。

 

後日、李白(リハク)が訪ねてきて、その後のことを教えてくれました。

やはり事件に関わっていたとされたのは、翆苓でした。

しかし、証拠を集めて彼女の部屋を訪れた時にはすでに、毒を飲んで死んでいたそうです。医官による検死も終わり、翌日には火葬されるという。

他に関係者は見つからず、彼女一人による犯行という結果だったようですが…

 

(あれほどこまごましたことを全部一人で?)

(本当にこれで終わりなのか?)

(どうにも腑に落ちない)

 

納得いかないマオマオは、一人で考えます。

無気力で、投げやりな態度。だけど、簡単に自殺するような女だとは思えない。

何より、最後に薬草畑で会ったとき。翆苓が言っていた言葉が思い出されます。

 

「何を植えるのですか?」

 

「蘇りの薬」

 

何か思い当たることがあったマオマオ。

壬氏に頼んで、翆苓の遺体が置いてある死体置き場に連れて行ってもらいました。

そしてそこに、翆苓を検死した医官も同席してもらうことに。

この医官、以前翆苓に薬を渡し、意味深なことを言っていた医官です。

(※「薬屋のひとりごと 6巻 後編その1」参照)

 

いくつか検死結果について質問をしたのち、おもむろに翆苓の入っている棺の蓋を外しだすマオマオ。

釘で留められた木の蓋を、豪快に鍬でひっぺがします。わぁお。マオマオ、あなた脚ケガしてましたよね…?(汗)

 

ガコンと音を立てて外された蓋。

その中に横たわっていたのは…

 

「翆苓…じゃない?」

 

そう、なんと棺の中には別人の遺体が収まっていたのです。

 

検死した医官は驚きます。

確かにこの中に翆苓が、脈も心臓も止まっていたはずなのに…と。

 

「毒の正体をはっきりさせるために死体を切り刻もうとは考えもしなかった」

「そして翆苓もそれを見越していた」

 

マオマオの指摘にカッとなる医官。どうやら翆苓を淡い恋心を抱いていたようで、好きな人の死体を切り刻んで解剖…とは考えなかったようです。

 

ここからは再びマオマオの推理。

 

翆苓は、「蘇りの薬」を飲んで仮死状態になっていたが、検死後に棺の中で息を吹き返した。

そのまま棺の中で仲間が助けに来てくれるのを待ち、中から出してもらって、棺納品業者に紛れて脱出。

軽くなった棺を怪しまれないために、別の遺体を入れ、蓋をしておいた。

 

蘇りの薬とは、詳しい製法はマオマオにも分からないが、猛毒と猛毒を合わせることで、毒が相殺し合い、死んだはずの人間がしばらくののち息を吹き返す、というものだそう。

 

なんとも大胆な作戦。

これまたマオマオが気付かなければ、棺はそのまま火葬され、翆苓は死んだ者として処理されて終わったのでしょう。

 

この度胸の据わった作戦を実行した翆苓に、湧き出る好奇心から不謹慎にも笑いが止まらないマオマオ。

 

蘇りの妙薬 絶対作り方を教えてらう!

 

興奮しながら心に誓うマオマオ。

興奮しすぎたのか、棺を開けるときに無茶したのか、脚の傷が開いてしまいました。

マオマオ落ち着いて…

 

翆苓の行方は?

事件の目的は?

 

新たな謎を残して前編はここまで。

続きは「薬屋のひとりごと 7巻 中編」へ!