こちらのブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」3巻に関する感想を書いています。

こちらは後編その1となります。

前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 3巻 中編」へどうぞ。

ネタバレ注意です。

 

 

「爺は家にいるはずだ さっさと行ってやんな」

そんなやり手婆の言葉に、マオマオは10ヶ月ぶりに帰宅します。

 

「ただいま おやじ」

そう言って帰ってきたマオマオを、「おう おかえり 遅かったね」と迎えてくれたのが、マオマオの薬師の師匠でもあるおやじさん。

 

穏やかだけど、優秀そうなにおいがプンプンします。

ってか10ヶ月も帰ってこなかったマオマオに対して穏やかすぎんか?

もうちょっと「心配してたんだぞ!」とか「大丈夫だったか?」とか「何があったんだ?」とか…

「おう おかえり 遅かったね」に全てが凝縮されているのかな。

マオマオも自然に受け入れている様子から、これがこの家でのスタンダードなんだなぁと感じます。信頼しあってる感じ?

 

ちなみに緑青館のやり手婆は、再会の瞬間マオマオのお腹に強烈なパンチをお見舞いしていたので、なんとも対照的だネ。

 

やっと帰ってこられた我が家に、ほっと一息付けたマオマオ。

久しぶりのおやじさんとの時間で心安らいでるのが伝わります。

このまま穏やかに里帰りの時間を過ごせたら良かったのでしょうが、そうはいかないのが事件を呼ぶ女・マオマオです。

 

里帰り翌朝、マオマオが起きると、すでにおやじさんの姿はありません。

どうやら、花街の外にある、自身の薬草畑に行っているようです。

脚の悪いおやじさんが畑仕事をするのが心配なマオマオ。

とそこへ、どこかの妓楼の禿(かむろ)が焦ったように訪ねてきました。

おやじさんの不在を伝えるマオマオを、急いで自分の妓楼まで連れていきます。

 

案内された妓楼の一部屋に向かうと…

そこには意識のない男女2人が横たわっていました。

倒れていたのは妓女とその客。無理心中でしょうか?

 

応急処置と心肺蘇生をして、なんとか一命は取り留めました。

禿におやじさんを呼んでくるように頼んだマオマオでしたが、なんだか違和感を覚えます。ただの無理心中とは思えないのです。

 

禿に連れられて到着したおやじさんは、現場の状況を見て、すぐさま倒れた原因を特定、そして恐らく、どうしてこのような状況になったのかまで分かったようです。

おやじさん…恐ろしく優秀ぅぅ~!

 

マオマオにはすぐに答えを与えず、少しずつヒントを出して正解まで導かせます。

こうやってマオマオの推理力や知識は培われていったのでしょうね。

おやじさん、教育者としても恐ろしく優秀ぅぅ~!

 

おやじさんのヒントに加えて、禿をはじめとした妓楼の者たちの態度、部屋の状況をもう一度思い返しながら、自力で正解にたどり着きました。

これは無理心中ではなく、計画的な殺人だ、と。

そんなマオマオに、「もう 終わったことだよ」と諭すおやじさん。

 

事件の真相に気付いたとしても、それを明かすことが正しいとは限らない。

 

「関係ない どちらでもいいことだ」

「そんなことをいちいち考えていては この街では生きていけない」

 

そう考えるマオマオの表情は、すべてを諦めたような、受け入れたような、だけどどこか悲し気なもの。

 

そういう経験があるからこそ、どこか冷めたような、悟っているようなマオマオになっているんだね。

 

意外と長くなってしまったので、続きは

「薬屋のひとりごと 3巻 後編その2」へ!