考えれば考える程気が重くなる訳 6年振りの帰省決定 ② | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

 

 

  母の「帰省命令」が出た理由は、もちろん

 

 

  「コロナで出来なかった父の法事」

 

 

 

  …を行いたい、というのが「表向き」の理由だった。

 

 

 

 

  実際日本で「コロナ規制」が基本解除された後も、特に北海道の高齢者用施設では細かい規制が中々解けなかった。

 

 

 

  もちろん各地、各施設でそれぞれの差はあっただろうが、長く『高齢者マンション』で過ごしていた母が右手首骨折からの入院となった途端に

 

 

  「『あんな所』に帰りたくない!」

 

 

 

  …と言い出してから『リハビリ専用高齢者施設』を経て今の施設……正式には『介護付き有料老人ホーム』となるそうだが、まあこちらで言う『ケアハウス』に入居してから今年で既に三年目。

 

 

 

 

  「ああ、

 

  『退屈』になって来たんだろうな」

 

 

  …姉から母の『指令』を最初に聞いた時の私の感想。

 

 

 

   

  今現在の場所に移転する顛末を記したこのシリーズ?でも書いたように…

 

 

 

   …散々繰り返された、母の『行動パターン』。

 

 

 

  『ハイ』の時期は過ぎ、「平凡な日常」になった時、自分で自分を楽しませるような趣味や思考を持たない(ことすら自覚していない!)人間は、次に「ヒトのせい」にするネタを探し出す。

 

 

 

 

  「『姥捨て山』で日々を過ごしている」

 

 

 

  …と言われたよ……と姉が言って来たが、その姉に向かって

 

 

 

 

  「アンタが死んだら、

 

   もう一度同じ事が出来るんだろうか?」

 

 

  …と正気の笑顔で言い放った『葬儀ハイ』から一周忌が過ぎ「退屈」となった時点で突然、それまでの

 

  「身体が動く限りココに居る!」

 

  …と言い切っていた言葉は消え

 

 

  「三回忌なんて、何処でやっても同じだっ!」

 

 

  …と言い出して『高齢者用マンション』への入居を自分で決めた時も、当時挨拶に来た御近所さん達には

 

 

 

  「娘(=姉)のせいで

 

 『姥捨て山』に捨てられるんだよ!」

 

  …と、堂々と話していた人である。

 

 

 

 

  私は姉にこう返事をした。

 

 

  「じゃあ、『今の』アナタはどうしたいの?

 

   どんな生活が『理想』なの?

 

 

   って当人に聞いてみれば?

 

   きっと答えられないと思うよ」