『体験』職場はフルハウス ③ 意外と『見込み』がある子かもしれない? | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

 

  さて、「ジョー」の側で修行?していた「メガネちゃん」。

 

 

  私が「マフィン」の材料を揃えるのに動き回っていることに気付いたのか、

 

 

  「じゃあ、次はリオと一緒に

 

  また『マフィン』を作ってくれる?」

 

 …と「ジョー」が言った。

 

 

 

  もちろん私が何か言えるものでもない。

 

 

 

  前回と同じ通り、リンゴの皮を剥かせ、カットさせ、私が特大ボールで生地を捏ねている間に「マフィン型」に「マフィンケース」をセットさせる。

 

 

 

  しかし、今回は捏ねながら横目で見ていて「オヤ?」と気付いたことがある。

 

 

  「メガネちゃん」、ちゃんと

 

 

  「前回私に言われた通り」

 

  …の順番でセットしていたのだ!

 

 

 

 

 

  ♪思い込んだら~♪

 

 

  …を知る人はコノ国にはほぼ居ないと思うが、ホントコノ国の庶民で一度思い込んだ『自分のやり方』を直ぐ変える人は貴重種だと思う。

 

 

 

  特に「身内」からではどんなに注意されようが、

 

 

  「ちょっと忘れていたダケ!」

 

  「ちょっと間違ったダケ!」

 

 …と言ってムクれるだけで、その後直ぐまた「同じ馬鹿」を何度でも繰り返す。

 

  相手や周囲の都合など気にせず

 

 

  「ボクは気にしない!」

 

 

  …で済ませる彼らが取り敢えずでも「言われた通り」にするようになるのは、大衆の面前=第三者の目の前で彼らが思う『恥』を掻いた後くらいだよな、と私は思う。

 

 

 

  とにかく。

 

  その後先ず生地を入れ、ベリーを入れて……という段階になった時点で「メガネちゃん」の解放?時間5分前になった。

 

 

  「ああ、もう時間だね~、

 

   じゃあ今日はもう

 

   それだけで良いから」

 

  …と私が声を掛けると。

 

 

 

  なんと「メガネちゃん」!

 

 

  「あ~、アタシ~、

 

  別に急がないから

 

  最後までやりますよ~」

 

  …と言った!

 

 

 

   うっそ~っ!???

 

  …と、心の中で叫んだ私。

 

 

 

  それこそ、それまでの「若け~もん」は、こっちが何も言わなくても15分前には黙ったまま勝手に帰宅の支度していたと思ったら本当にそのまま帰ったり、出勤した途端に「昼食」を持って二階の休憩室に上がり、30分くらい戻って来なかった……なんてヒトが『普通』だったのだから!

 

 

 

  「…ああ、ありがとう。

 

   でも、キリが良いからね~、

 

  『次』の仕事は「ジョー」に聞いて!」

 

 

  「は~い」

 

   

 

   …。゚(゚ノ∀`゚)゚。

 

  オバちゃん、感激の号泣(心の中で)

 

 

   もちろん「ジョー」は

 

  「ああ(時計を見る)丁度いいね、

 

   御苦労さまっ!」

 

   …となり、「メガネちゃん」は直ぐ帰って行った。

 

 

  当然その後「メガネちゃん」に会うことはない。

 

 

 

  しかし

 

 

  「鍛えたら、案外『使い物』になるかも?」

 

 

  …と思った私だった。