「我が母」という人 84 一日三回「本性」が判るという話 だから一緒になんて居たくない 6  | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

  

  三回目、両親が最後に揃ってやって来た時の理由は、野球好きの父が

 

 

 「甲子園を自分の目で観たい」

 

 

 …というのが「表向きの希望」だった。

 

 

  その年は地元の高校も出場する、ということもあったが正直その学校は(北海道内では)強豪校として有名で、その前からでも何回も出場していた高校である。

 

 

 

  何で「今になって」?……と思った訳だが、「やっぱり」裏=「本音の希望」があった。

 

 

 

 

  その話をキチンと理解する為に「背景」は絶対必要だと思うので、少し長い「経緯」に付き合って欲しい。

 

 

 

  定年後、父は「己の見栄」の為ダケに自動車免許を取った。

 

 

 

  「船舶関係」という特殊な事情もあったが、それまでは

 

 

  自動車を運転する

 

 

  …便利さよりも

 

 

  酒が自由に飲めなくなる

 

 

  …ことの方を嫌った上での「無免許」だった。

 

 

 

  だから私達が成人した頃に

 

 

  「カネは出してやるから、免許を取らないか?」

 

 

  …と言って来たことはあるが、そうなったら都合の良い

 

  「専属運転手」

 

  …として昼夜問わずコキ使われる!……という事が明白だったので私も姉もガンとして拒否し続けた。

 

 

 (因みに「モト」も「マオ」が『自力で』免許を取り車を買った直後は「無料タクシー」として使っていた……直ぐ拒否されるようになっていたようだが、ホントデジャヴ……!💦)

 

 

  その後私は免許「だけ」は取った訳だが、姉は

 

  「『助手席』ってラクじゃ~ん?」

 

  …という、相変わらずの『元祖・他力本願』まっしぐら、である。

 

 

 

 

  とにかく。

 

 

 

  無事一回で免許を取得した父、私が

 

 

  「最初は結構ぶつけるから『中古車』にして、

 

  慣れて来たら買い替えるようにしたら良いよ」

 

 

  …と私なりのアドバイスしたのだが、何とまっさらの新車、それも『3ナンバー』ではないが、乗用車としては結構大きな車種(車には全く疎いので記憶ナシ💦)を買ってしまった。

 

 

 

 本人曰く

 

 「コレで死ぬまで乗ってやる!」

 

 

 

 …との事だったが、さすが定年時に

 

 

 「全部オレのカネなんだから、

 

  オレが全部使って死ぬ!」

 

 

 …と宣言していたダケあるわ……と思った記憶がある。

 

 

 

  もちろん父は最初大自慢で乗り回していたのだが、いわゆる『自損事故』を頻発し、2年程で最後には『対人事故』を起こしてしまった。

 

  詳しくは知らない(=都合の悪いことは話さない人達!)が、父が「信号無視」して交差点に進入したところに左から来た車に接触してしまったらしい。

 

 

  相手の方の「むちうち」程度で済んだから良かったものの、父はその直後に「現が悪い」とその車を処分してしまった。

 

 

 

  ああ、これで運転は諦めるな……と一安心した……のは家族ダケだった。

 

 

  だって父は

 

 

  (事故が起こったのは)

  「車が目立たなかったのが悪い!」

 

 

 

  …という不思議な理由で『車高』があるもっと大きな車……なんと

 

 

  「8人乗りのバン」

 

 

 

 

  …を買ってしまったのだ、「もちろん」新車で……!