私は『日本人』と働いているんだなあ……と心から思った話 下 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

  

 

 

  さて、皆さんは先ずどう思っただろうか?

 

 

 

  私は、「キヨさん」には失礼だと思ったが先ず

 

 

 

  「思わず大笑い」

 

  ……してしまった。

 

 

 

 

  いや、あのね、アナタが今日、私に向けてやっていたアレを、『無言の圧』と言わないで何と言うのか?……としか思えなかったからである。

 

 

  俗に言う「アンタが言うか!?」……である。

 

 

 

 

  いやいや、判るよ。

 

  こういうケースは「自覚が無いのが一番強い」のだ!

 

     (正直思わず『バナナ』という言葉が浮かんで来てしまった……因みに『バナナ』ほど有名ではないが『オレオ』と『ココナッツ』という言葉もあるを知っていますか???( ̄▽ ̄;)

 

 

 

  いや、とにかく。

 

  私が『無言の圧』!? ナニやった!?

 

  …と、必死になって思い出してみたのだが、そも、職場での私と「キヨさん」は「絡み」そのものが少ない。

 

 

 

  その少ない「絡み」の中で、彼女が『不機嫌』になる前の事を必死に思い出して見た訳だが

 

  「……多分、アレか?」

 

  …と思ったことが一つだけあった。

 

 

 

  「洗い物」が結構山になっていたところに、私は軽く使った「フードプロセッサー」の容器を持ち込んだ。

 (確か「ナッツ」を刻んだくらいだった)

 

 

 

  普段なら何となく置く場所があるのだが、その日は本当に山になっていたし、何よりその殆どが「チョコレート関係」の「洗い物」だった。

 

  プロセッサーの容器は殆ど汚れていなかったし、基本繊細に扱わねばならない器具なので下手に汚れを増やす感じにもしたくなかった。 

 

 

  普段なら「キヨさん」も直ぐ気付いて「ああ、貰います」と直接手で受けたりするのだが、その時は彼女も別の洗い物で忙しかった。

 

 

  私は「無言のまま」う~ん、どうしよう、何処に置こう?……と迷っていた。

 

  その時彼女も気付いて

 

  「あ~、適当に置いていいですよ~」

 

  …と言ってくれたのだが、私はどうしても「チョコレートまみれのボール」の中に置く気にはならず、結局もうしばらく悩んだ後に「ここに置くね」とだけ言ってスキマに無理矢理場所を作り『ミキサー部屋』に戻ったのだ。

 

 

 

 

  …それを彼女は『無言の圧』と受け取った訳か?

 

 

 

 

  いや、しかしなあ。

 

 

 

  「そんなこと」今まで幾らでもあったでしょ、と言い返したかった。

 

  何か家庭で機嫌が悪いことでもあったのかな、とも思った。

 

 

 

 

 

  何よ、アンタだって自分の『無言の圧』に気付いていないのね、アンタも日本人だね~、と言い返すことも出来ただろう。

 

 

 

  いやいやいやしかし、である。

 

  「アホらし~」

 

  …と思えて来たのである。「若いなあ~!」と。

 

 

   暫く「文面」をあれこれ考えた後、私は「キヨさん」に返信した。

 

 

 

 「何か貴女を不愉快にさせるような事があったのでしたら、

 

  私の落ち度ですから謝ります。

 

  私は全く気付いていなかったから、

 

  今後同じようなことがあったら遠慮なく言ってください。

 

  ごめんなさい。m(__)m」

 

  

  …その日、それに対する返事は無かった。

 

 

 

 

   次の日会った「キヨさん」は多少緊張した顔をしていたものの「いつも通り」に戻っていた。

 

  私もその後は「声掛け」を多くしたものの、その件に関して改めて謝ったり、逆に抗議をすることもしなかった。

 

  まして他の同僚に事の次第を一々言うことも無かった。

 

 

  少人数で働く職場の最低限の『無言の気遣い』だと、私は自覚している……!