「母子家庭を『続ける』」と書いたが、これには意味がある。
20年程前まで、一人でも「義務教育(=16歳以下)中」の子供が居る「母子家庭」……と言うよりも「ひとり親家庭」の親は就労を強制されることなく、最大の『補助』を受けることが出来た。
その「子供の年齢の上限」がある時点からドンドン低くなり、労働時間の優遇等はあるものの、いわゆる昔のような「全面的生活保護」を受けられるのは一番下の子供が5歳くらいまでになっている。
因みに、当然ではあるが「障碍者」と言われる人達及びその家族に対する補助も手厚い。
しかしこれも中々曲者で、家族に対する手厚い補助をイイことに子供を「施設」に放り込んだまま満足に面接にも来ない、という家族も居ると聞く。(もちろん「全部」とは言わない!)
「限定的障碍者」と言うか、いわゆる「怪我等で一時的に働けなくなった人」に対する『補助』もあるのだが、これも年々厳しくなっている。
もうかなり前だが私自身膝の手術を受ける前、当時の面接官が
「認定されれば半年間は
(面接に)
来なくて良くなるわよ」
…と言ってくれ「申請」したことがあるのだが、その認定の為の面接は、何だか犯罪者にでもなった気分だった。
先ずその面接は何故か町内の『職安』では行われず、わざわざ近郊の大都市まで行く必要があった。
古びた建物は妙に警戒が厳重で『職安』のように取り敢えずでも自由に出入り出来る雰囲気は全くなく、開放感ゼロの室内に「職員」は殆ど見えないのに監視カメラだけがやたらあった。
個室に通され面接官と一対一になった訳だが、その室内にも数台カメラがあるのも直ぐ判った。
名前も見掛けもインド系だった男性面接官はそれなりににこやかで親切な人ではあったが「実技」……「じゃ、歩いてみせて!」となった時の視線の厳しさは忘れない。
これも後で、同じ補助を申請した人から聞いた事なのだが杖を突こうと何だろうと「自力で」何mだか歩ければ「申請却下」なんだそうな。
ハイ、当然私の場合も第一報は「却下」でしたよ。
しか~し!
その頃は既にコノ国の「ゴネてナンボ」のシステムに慣れつつあった私。
即、
「これから『足』の手術をしようって
日付まで決まっている人間を、
わざわざ雇おうっていう会社が
コノ国はあるっていうのかぁっ!」
……という感じの「抗議文」を送りつけたら、半年間だけではありましたが、まさに『傷病者』として権利が認められたのでありました……!