男女の家事負担問題の中での「モト」というヒト オマケ 2 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

    ……その当時は「タオ」が幼かったこともあり、「まだ」直接交流があった。

 

    何より別居直後だったということもあるけれども、私は「モト」のその一言で「モト」が言って来たその背景を一瞬で理解した。

 

 

 

 

 

   つまり、彼の『在庫』としてあった「アイロンが掛かったシャツ」を全て使い果たしてしまったのだ。

 

   だからしぶしぶ自分で掛けようとした、そこで……

 

 

 

   『アイロン』が無い!

 

 

   …という事に気が付いたのだ、という事を。

 

 

 

 

 

   元々

 

   「家が『壁紙化』している」

 

 

 

  …というか、使う・使わないに限らず

 

 

 

   自分の家にあるモノ

 

   =そこにあるのがアタリマエ

 

 

 

   …という人だったので余程個人的と判るモノ以外は

 

 

 

   「全て自分のモノ!」

 

 

 

    …としか考えられなかった人だ。

 

 

   別居(=私が家を出る)の話が具体的になった段階でも

 

 

 

   「キミはこれが必要なんじゃないか?」

 

 

 

  …どころか

 

 

   「これは自分は使わないから持って行って」

 

 

 

   …なんて言葉は一切出なかった人間だ。

 

 

 

   

   当然、いきなり

 

 

   『ボクの』アイロンが無い!

 

 

  …と、なったのだろう。

 

 

 

 

    そうであっても「アイロンくらい」サッサと買えば良いだけじゃないの~?

 

 

 

    …と『普通の人』は考えるだろうが、元々金銭感覚がズレていて

 

 

 

   自分の趣味への£10はハシタ金、

 

   ヒトに与えた£10はとてつもない大金!

 

 

 

   …という意識(無意識)で生きている人間である上に

 

 

 

 

    自分の興味が無い事には

 

    『必要なモノであっても』

 

    自分のオカネは使いたくない

 

 

   …のが『基本姿勢』の人間だ。

 

   

 

 

    例え自分が滅多に使わなかったモノだとしても、イザ使おうとしたら無い?

 

 

   『ボクの』アイロンがない!

 

 

     ➡ リオが持って行ったんだ!

 

 

     ➡ 『ボクの』アイロンを取り戻そう!

 

 

   …となったワケだ。

 

 

 

 

 

   …もちろん、当時は既に私だって「モト」のそういう態度に対して彼が期待するような「素直」さは持ち合わせていなかった。

 

 

 

    「アナタは使っていなかったでしょ?」

 

 

 

   …動じない顔でそう答えたけれども、何と言っても相手は

 

 

 

   自分個人の利益の為だったら

 

   どんな矛盾も正当化するのがアタリマエ

 

   

    …の環境で育った人間だ。

 

 

 

    「『今』はボクだって必要なんだ、

 

    アレはボクのモノだ!」

 

 

    …と迫って来た。

 

 

 

 

     それまでだったらそこで大喧嘩というか、とにかく

 

 

    「家事」なんていう下らないこと

 

 

    …の為に『自分のオカネ』を使うのが勿体ない「モト」に無理矢理でも奪い取られていたかもしれない(そこら辺の呆れる話はまたいつか)。

 

   しかし、その時の幸いと言えたのが前の住人(=ママ友の娘)が残して行ったモノが色々あって、その中にアイロンもあった事だった。

   (「もう使わないから勝手に処分して」と言われていた)

 

 

 

   最初私がそれを見た時にはサッサと処分してしまおうか……と考えたのだけれども、まあ急ぎもしないし他にやる事は一杯あるし……という事でそのまま残っていた品だった。

 

 

 

   「コレなら持って行っていいわよ」

 

 

 

   …それは(私から見れば)明らかに安物の、当然コードレスでも無い品だったのだけれども、幸い使用年数も頻度も少なかったからか『殆ど新品』の様相だった。

 

 

 

 

 

     その場にある、

 

   一番イイものは自分のモノ

 

 

 

 

   …がアタリマエの「モト」である。

 

 

 

 

    まして、

 

 

 

    「これで『無駄金』を使わないで済んだ!

 

     なんて『倹約家』なボクちゃん!」

 

 

    …という心も満足したんだろう、新たな『ボクのアイロン』と共にニコヤカに帰って行った……。