心撃たれた短編 | noise or music

noise or music

電子音楽が好き。
楽音と雑音の狭間や
ノイジーな体験を書きます。


noise or music-愛を買う場所

2012 海峡映画祭 8日(日)。

無料上映の自主制作短編作品を観に行きました。

数作の上映作品のうち、去年も観ておりヒロインに興味を持った作品が一編と

それから今回はいちばん最後に上映されたシーモールを舞台にした作品、

『愛を買う場所』 柴口 勲 監督(約10分)が普通じゃなく気になってました。


ヒロインがシーモールのエスカレーターですれ違った彼に一目惚れし

そのまま館内をニアミスしながら後を追うという映画です。


ストーリーの現実への近さを感じさせているのは

シーモールという 匂いも音響も覚えている舞台のせいだけではありません。

切って出したような登場人物のごつごつした素の姿が

ストーリーよりもそちらにウエイトが置かれているかのように伝わってきます。

また、シーモール自体の伝わり方もそうです。

通りかかる各店舗で物語を先へ先へ進めるような反面、

店舗の断片的シーンは物語の周りの 残りの99%の雑味としても働き

まるで物語を解体してるようでもあります。

そこにユーモアを見い出す方もいらっしゃるでしょうが

りんぞうは映るもの全てが等価に還っていくのを感じました。

シーモールを知らない方にも(この街に住みたい♪)という感想があったそうで

それを考えると、ただ 知ってるから というだけではなさそうです。


主演女優さん(一般の方)の美しさにも感動しました。



noise or music-ヒロイン1

その主演のNさんに被写体になっていただきました。



noise or music-ヒロイン2

ありがとうございます。

映画そのままの印象は奇跡の存在!


過去にりんぞうがシーモールで体験した偶然の出会いのうちの2つを載せておきます。


街で偶然向こうから歩いていらっしゃったり、エスカレーターでスーッと自分の前にお立ちになる美少女(美少年)に心を奪われたことはありませんか?今回のこの娘(方)はまさにそんな感じでした。思わず口をついて出た言葉(綺麗... )に振り返ってくださり、そして美脚にやられました。気が付いたらスイッチがONになり、横に並び声をかけていました。カメラを構えてる間中、単純な形容詞しか思い浮かばず(口にできず)、それでもこちらの構えに まるでお豆腐の柔らかさを思わせるような目で、体(たい)を委ねてくださったことに震えがくるほどでした。周囲は矮小化(わいしょうか)し、レンズの切り取った空間周りだけを桜色の世界だと感じ、その境界線の内側に足先をかけてる自分が居ました。幸せな時間をありがとう。


一方、街でのこと。

かわいい娘。

すれ違った女の子が はっ とするくらいかわいかったので

自分もエスカレーターの後を追い、頂上に着いたところで声をかけさせていただきました。

いきなりでびっくりなさったでしょう!

でもヘッドホンを外して明るく応対してくださり、何と撮影の申し出にOKしてくださいました。

お姿を拝見してからお写真を撮らせていただくまで

心の時間はカーテンの襞のようにたぐり寄せられ、

その初めの端の何だかわからない靄(もや)と 最後の端の鮮やかなフルーツ色は

同じ時間とは思えない貴重な帯の体験でした。

かわいくて美しいあなたがいらっしゃってこそです。

本当にありがとうございます!


~今朝の録音より~


Studio elektronische Musik (WDR 3 〔ドイツ〕)

Elektryczny

Elektronische Musik aus Warschau(ワルシャワの電子音楽)

ワルシャワのポーランド放送の実験スタジオはJózef Patkowski によって1958年に設立された世界初の電子音楽スタジオのひとつでした。その当初から、作品は独善的でない理解の中で保存されてきました。社会主義のリアリズムは、前衛的な美のガイドラインと考えられてきました。今では、ワルシャワの電子音楽は世界で最も振り幅のある概念やアプローチを保っています。学問的な立場ではなく、ポップスそして映画音楽とのクロスオーバーへの展開を含めて。


1.Włodzimierz Kotoński / ア・イラ

正弦波の彩雲のような和音が色合いを変える。フォーーンと目にちらつくような音を中心に迫ってきては遠のいていく。やがて高いところで舞う音が、巻き込んだ光を反射させるように降りてくる。そのかすかな音が空中分解されると 地上から放ったようなビーム。直線的で硬い矩形波(くけいは)に混じって梵鐘のようなそれも。まさに電子の鐘を叩き続けてるよう。次にそれがいっそうこもる。そして余韻張りに綾になった音が減衰し、ひらひらキラキラしてもう一度彼方へ。ピコッと煌く音で重力から解き放たれた。けれどもまた梵鐘風の重い音がつながれる。モールス信号の光のような音が一瞬。すると鐘っぽい音が軽くなった。鐘、一発炸裂!余韻がどこまでも震えながら、身に迫ってくる低音の響きに変わる。

2.Eugeniusz Rudnik / レディメイド77

楽音の塊。ちょうどオーケストラの音合わせのような響きの中、弦が短音を3連発。するとポーランド民謡のような旋律がし、それが管の低音に浸されて地響きへ。弓やその他の音がコツンコツンいう。パーンと新幹線の警笛のようなエアリーな加工音。一転まるでショパンの断片のようなピアノの下降音がループ。そして不穏な弦が一閃、また一閃。そこに機関銃のような音がエコーし、その情景を表したような弦の悲劇の和音が。コンコンと鳴るピアノの反復の上に、オシレーターの音がヒヨヒヨと湧き上がってくる。それがオーケストラと楽器の弓、縁(ふち)の黒い音につながり、淡い電子音が透明に反射する。音は澱み、無調ソプラノが歌い始める。そこにキューーッといきなりマーチ。つぶれそうな太鼓と行進。途中から甲子園みたいに聴こえた。

3.アーティスト、曲名不明

遠くの雷鳴のような地響きと、広いホールのBGMのように響く管弦。管と弦がはっきりしてくる。マラカスのようなかすかな白いノイズから、雷鳴になり切ったオーケストラが。その流れには自然の因果関係があるみたい。そしてなぜだかブルース調にも聴こえる、緩いエレキの音と梵鐘風の電子音。沈黙。光に集まる虫が発するようなピーンという電子音。羽音もどきも混じる。変身ヒーローが技を出したような音がしたかと思うと岩が大規模に崩れる。それにピーン(シャキーン)、そして羽音もどきが絡む。沈黙多し。作動音のようにかすかな電子和音。しかし風。そこに 水中で積み木が崩れるような音が長く長く続く。あぶくのような音がその第2波を呼ぶ。けれどもモーター音のような羽音もどきが大きくなってかき消す。かすかな羽音もどき。ピアノ低音のトレモロのような音、けれどもはっきりしてくるにつれて上空のプロペラ機のような音に。ピーン(シャキーン)の復活。はっきりしないけど 大きくガスが抜けるような音はまるでプロペラ機の接近を表してるみたい。ヒューズのような電子音もうごめく。そして遠ざかる。羽音。カタッ、カタッという具体音の人の気配。再び冒頭のような地響きとかすかな管弦。

4.DJ Lenar / 曲名不明

低い弦を逆再生したような唸り。そのスイッチや急停止ですぐにDJの仕業だと気づく。故障のようなノイズやそれといっしょに空気が大量に抜けていくような音。まるでアイドリングのような低音が残る。一転、煌きとその空気を囲い込むような電子音が。大きな宇宙船の周囲を想像。何かレーザープリンターのような音が放たれた。続いてプリントしてるような高音が 甘く綺麗に聴こえるんだけど、これはエレクトロニカのようにも聴こえる。ドアを閉じる音に続いて無調ピアノが炸裂 そして1音でムーディなブルースっぽいギター。けれども今度は工場機械っぽいノイズや唸り(叫び)の低速逆再生が。さらに電子音のシークエンスを逆再生。目の焦点が合わないまま、引っかけたようなギター1音で、ちょっと!と言われてるような気になる。計算しつくされたようなこの長いカオスはモノラルになっても続く。プリペアド・ピアノのような音、楽器を叩く音、そしてノイズのまとまりがそれぞれ次第に1音に収れん。そこにまたカオティックなギターやピアノの断片が。モールス信号のようなサックスといっしょにミニマルっぽくなる。減衰からアタックへ、逆再生のピアノ和音が その点滅を強める。サックスのひと鳴り。

5.Antoni Beksiak / 曲名不明

i (イ)-- a (ア)--という低い男声唸りが息切れの減衰。もう一度 a (ア)-- o (オ)-- ua (ウア)-- uo (ウオ)--... wa (ワ)--... とモワれ始め、初めてピッチを変える。マグネティックなサイン波が限界知らずに上下し それに合わせる。低くなると声に似た音色に。そのどちらかを超高速再生したキュルキュルッという音。あちら側からのような唸りとサイン波に、その影を映したようなヒヨヒヨ(シュワシュワ)いう音が漂う。再びキュルッ。本格的にモワってきた唸りに同調するように。さらにちぎれるスピードの空気を含んだような衝撃波が濁って溶け合う。上下するサイン波は細く小さくなり、今はチーーという感じ。唸りとは隣り合わせで3次曲線の距離感を保ち続けてきている。サイン波が消え、手離しになったように唸りがモワる。

6.Jagoda Szmytka / ニア

連結部の立てるような地鳴りがエコーする。そして風を大きく軋ませながら機体が迫ってくるような音と、内側から自動的に巨大な仕掛けが伸びていくような音が入れ違う。ハードにめくれるような空間。金属質のその音が刻まれて段になる。クラリネットの濁った音が、切り出したような機体の風音につながる。まるでスイッチバックした感じ。近寄るといろんな機械音を含んでいる。今度はサックスの濁った音が刻まれて段になり、その余韻に港町のような空気を思い浮かべた。シーッという白い音が混じり、複数の轟音が唸る感じに。そして 流れ というよりは目の前の筆遣いのような息吹きに変わる。ほとんど吠え声、そして軋んだ汽笛と空気。早回ししたような薄い音の層が風の鳴りのよう。急に、蒸気を吐き出す音がパンチの衝撃に。同じく肉厚な濁ったクラリネット。キュルキュルいう早回しとともに。今度は地下鉄が滑り込んできたかのような空気音。そしてサックスの渇筆(かっぴつ)の長いワンノートに舌音、口音が混じる。



noise or music-しだれ桜 120711

STARBUCKS に居るように#153


〔応え始める〕


気分はこのコーナーを大きくはみ出しています。(葉っぱが増えてるよ♪7、8か所くらいから出てきたよ♪)そう報告を受けて、再びカメラを渡して撮っていただき 確認したしだれ桜。確かに葉っぱ増えてます。画像を拡大して小さい葉っぱの赤ちゃんを数えてみると もっとたくさんになりそうです。実はりんぞうには強力な願掛けがあって、そのチャンスには必ず祈ってきました。それに応えてくれている 桜 と『それ』 とには、今や重ねることができるような立体的なイメージが生まれました。イメージはさらに動きます。春には静止画のように感じられる芽吹きも、今は心の中のダイナミズムとつながろうとしてくれているのがわかります。ところで『それ』 って?って?もしお会いできたときに聞いてくだされば、あなたにだけ伝えますよ~。


2012 海峡映画祭にて、僕らじメンバーのあちゃそちゃん、あゆむくん ありがとう!


※本ブログのポートレートは 被写体になってくださった方や先生にお許しをいただくか、ご本人とのお話の上で諸事情により筆者であるりんぞうが自己責任という形で掲載させていただいてます。一部 イベントを撮ったもので風物的なものだと判断したものの中にはそうでないものもありますが、ほとんどのお写真はお許しの上で載せているとお考えください。


りんぞう