生きるか死ぬかは時機に任せよう。世の人が何と言おうと、そんなことは問題ではないのだ。 | 走り巫女記

走り巫女記

独身アラサーが好き勝手書いてる。ビギナーライダー。生まれ変わったらみちょぱになる。


先日ちらっと書いたが、
連休に山口県旅行をしてきたので、紀行文を綴る。




2日(木)

この日は半日仕事して、羽田空港で友達と待ち合わせして合流したのが17時頃。

たまたまなんだけど、スターフライヤーの「進撃の巨人」特別デザイン機に搭乗することができた!


わたしたちの大好きな進撃にここで出会えるとは……

もうこの旅の当たりが確定した瞬間である。


飛行機に心臓を捧げ、定刻に宇部空港に到着。

空港で早速レンタカー借りて、予約したビジホへ向かう。


が、


まじで暗い。なにもない。

真っ暗闇の中、カーナビ通り進んだ先、ポツンと佇むビジホ発見。

呼び出しベルを鳴らすと
奥から絵にかいたような田舎のヤンキー姉さんが出迎えてくれた。


・・・なにをもってヤンキーなのかと問われたら

ラフな上下グレーの服装、中途半端に金~茶の髪、ゴテゴテのネイル、キティちゃんサンダル履いていたかは忘れたけど、ひとことで言うなら全身ドン・キホーテ。

地元愛に溢れすぎて他県に出ることはおそらくない、
車が命、中学から働いている建設業の先輩か同級生と早くして結婚し、やっぱりその子供も孫も以下ループ。


というような見た目の人。
まぁ全部わたしの偏見でしかない。


この久しく対面していなかった風貌の方と、
この外の静寧さは、わたしの生家の田舎を彷彿とさせた。


さて部屋に入って電気のスイッチを押すが、点かない。

仕方なく1階に戻り、先ほどのドン・お姉さんにヘルプ。
するとすぐに部屋を見に来てくれた。

リモコンの電池切れかもしれない、と早足に裏へ電池を変えに行ってくれ、
戻ってきては点かない、を繰り返し、
最終的にチャンネルの切り替えの不具合だったとかで無事に点いた。

別に寝るだけの部屋だし構わないと申したのだけど、一生懸命なんとかしてくれようと献身的でとにかくめっちゃ良い人だった
ありがとうございました。

ホテルに荷物を置いて、ご飯を食べに行こうと思い、お姉さんに近くの食事場所を聞いたら

「徒歩圏内には何もないですので、車で~~」


とのことだったので仕方なく、山口県唯一の大戸屋に車で行きました。

出る時もにこーっと見送ってくれて、めっちゃ良い人だった(2回目)


たぶん山口県いいところだわ。



こんな旅の幕開けです。



3日(金)


混む前に観光地は見れるだけ見ておきたい!
恒例のババ活を生かすときがきたぞー。

まず朝イチで目指すは、
山口県本土と角島に架かる1,780mの角島大橋

このブログを読んでくれている方ならほとんど知っていると思いますけど、オートバイの聖地のひとつです。
お天気もよかったのもあって、車よりバイクの方が多いように見えた。

ここ、無料で通っていいの?ってくらい絶景。

わたしもいつかバイクで通ってみたいな~~!

島の奥まで行って、灯台にも上がってみた。



燦燦と降り注ぐ日光を反射する、コバルトブルーの海がきらきらしていてきれい。

なんというか、日本海には見えない。沖縄とか、外国のビーチみたい。

朝一で行ったので渋滞もなく、天気にも恵まれた最高のロケーションで観光できました。


次も急ぐぞ元乃隅神社へ。

この神社までの道中がまぁ細くて狭くて大変。
すれ違うたびにヒヤっとする。

そんな細い道を進んでくと、途中で反対側から来た車と合流した先に駐車場があるようで、すでに渋滞が起きていた。

こういうことがあるから車の運転好きじゃなかった、という昔を思い出すなぁ。
いまもコンパクトカーじゃなかったらとても運転したくないけど。

さて無事に駐車できたので、神社のある場所へ下っていくと・・・おお、連なった鳥居が見える。

早速下に降り、
すべての鳥居をくぐって100mくらいある先の岸壁へ行ってみた。


改めて通ってきた鳥居を振り返ってみる。

まぁよく作ったものだ。



正直に言うが、世間で取り上げられるほど素晴らしい場所でもないぞ。
これを見るなら伏見稲荷の千本鳥居を見た方がずっといい。

別に神社仏閣が特別好きなわけでもないんだけど、
趣きも歴史も感じさせないし、俗っぽくて興ざめする場所だった。

こういったいかにも観光に来てもらうために作られた建造物は好きではない。

たしかに赤い鳥居と海は写真に映えるのかもしれないが、
わたしのいま住んでいる打放コンクリートマンションのほうが、よっぽどオシャレだと思った。(比べるな)



次の目的地に向かう道中、彼女が見つけくれた海鮮食堂「ありさわ」さんへ。

気立ての良い女将さんがおすすめしてくれた海鮮丼を注文。
お刺身が新鮮で、なんとかっていう魚(聞いたけど忘れた)の煮つけもおいしかった。あとお米も好みの硬さと甘さでおいしかった〜


早めにお昼を済ませてどんどん進む!
次は楽しみにしていた秋吉台

県道242に入ってしばらくすると、草原にあの白い石灰岩が見えてきた。

おおおお~これが秋吉台かあ!




広大なカルスト台地と豊かな自然相は
「地球に生まれたんだ!」と実感できる。

しばらくカルストロードをドライブし、
公園内の駐車場を見つけて車を停めて、歩いてみることに。
こういう可憐な瞬間の切り抜きほんと可愛い。絵になるよね。↑

約3億5千万年前の海でサンゴ礁として誕生したのがはじまりのこの大地。
雄大な景観の一要素である石灰石は、生き物だったんだね。

渺然たるカルスト台地は息をのむ美しさ。

彼女は、実際に見たという「ニュージーランドの羊の群れのよう」と例えていたけど、
本当にここは日本なの?ってくらい非日常的で異国感があった。
わたしにとっては既視感のない、幻のような場所だった。

初夏の一面緑の大地も素晴らしかったけど、
秋夕焼のススキに覆われた風景もきっと素敵なんだろうな。

車で走っても良し、公園内を歩いても良し、
本当にずーーーっと見ていられるほど美しいと思った。





なのにね、この崇高な大地のなかを歩いている間、

わたしたちずっと元カレの悪口言ってた


東京にいてもできる低俗な会話しちゃうなんて、時間の使い方贅沢すぎる。

きっとこの雄大な自然に、ひらひらと舞う風から齎させる開放感がそうされるのかもしれない。うん、きっとそうだ。


この旅いちばん心から笑ったかもしれない時間だった。
とにかく良かった、秋吉台。また行きたい。



それから車で秋芳洞入口へ移動。

さきほどの石灰岩台地に降った雨が、地下で岩を溶かしてできた空洞がこの鍾乳洞。
3つある鍾乳洞のうち、特別天然記念物に指定されている秋芳洞を見学してきた。


↑この吸い込まれていく感じ、冒険心をくすぐるよね?


外は真夏並みに暑かったけど、この中は寒くもなく快適。
調べたら夏も冬も一定温度なんだって。

洞内の観光コースは約1kmなんだけど、総延長はなんと11.2kmもある。

まるで時間が凍結したような不思議な空間だけど、
この光景が出来上がるまでにうんざりするほど長い時が流れているのだ。

そしてわたしが死んでからもきっと造形は変わり続けていくのだろう。
自然に比べて、人間ってちっぽけな存在だなぁ。


自然が創り出した数々のアート作品があったけど、圧巻だったのがこの百枚岩↓

鍾乳石が棚田のように広がって皿が重なったように見えることからそう名付けられている。(実際は100枚どころか500枚以上あるそう)


どこを見渡しても「すごい」のひとこと。
自然の美術館だった。



てくてく進んでもう出口。

しかしこの出口は入ってきた駐車場側ではないため、
もう一度このコースを戻るか、出口からタクシーに乗るか考えていたところ・・・・なんとシャトルバスが出ていた。

つづくくラッキーガールズである!(ガールではないだろうというクレームは認める)



バスに乗って駐車場へ戻り、車で本日の宿泊先である湯田温泉へ。

宿泊先の温泉宿にチェックインしてすぐ、
名物「瓦そば」を食べるため、宿近くの瓦そば専門店に名前を書いて待つ。

いつ呼ばれるかわからないので、近くをお散歩して時間をつぶすことに。
川沿いに飲食店や宿が連なる、いかにも温泉街なのはいいが、特別これといったお店がなく、寂れている。

周りはきれいに舗装されていて新しいんだけどね。


暇を持て余し、"韓国風に盛れちゃうカメラアプリ"で遊ぶアラサー。


笑っちゃうくらいかわいいからそのまま乗せたいんだけど、ちょっと別人すぎるので隠すね。

時間つぶしにも飽きて川を眺めてたら、やっとやっと名前を呼ばれて、ありつける瓦そば。
(ここまでなんと2時間以上待った。)

古民家をリノベしたようなおしゃれな店内にわくわく。
クラフトビールと瓦そば2人前を注文。


これが瓦そばかぁ。はじめて食べたけど、
「焼いた茶そばをめんつゆにつける」思った通りの味。
まずくはないけど、観光地メシって感じ。

味はともかく、あまりにもお店のオペレーション力が低すぎる。
観光地なんだから、もうすこし工夫してお店を回してほしい。

この件に関しては旅の終わりまで彼女と散々文句言ってた。笑

それからも温泉街(というほど栄えていないのだけど)をふらふらし、コンビニもないので近くの個人商店でビール購入。

なにか食べるものを調達しようと、宿でもらった周辺の案内地図を見ると、近くの大谷山荘(3つ星ホテル)にパン屋さんが入っているらしい。

よくわからないけど、ろくにテイクアウトできる食べ物がないので

ダメ元でフロントに

「宿泊者ではないんすけど・・・」

と、恥ずかしげもなく申し出たら快く館内を案内してくれた。


かつて天皇皇后両陛下もご宿泊されたことのあるこのホテル。さすがの寛容さである。

時間も時間だったのでパン屋さんに商品はほとんどなくてパンは買わず、隣の売店を物色。

このかまぼこ↓試食サイズじゃないでしょ。どんだけ太っ腹なんだ。
(酔ってはいたけど、品性はぎり失っていなかったので遠慮した)


お菓子とアイス買って帰る。

このアイスがおいしすぎて、もう一本買いたくなったけど、さすがにビール1本の酔い程度ではまだ恥ずかしさのほうが勝ったのでおとなしく帰路へ。


道中、隣接する星野リゾートに

(もしかして入れるんじゃない……?)

と、ふざけていたところ、入口に堂々と「関係者以外立入禁止」のプレートが。

門前払いでした。


どことなく懐かしい匂いのする、昔ながらの温泉宿に戻り、例の"謎空間"で楽しく飲みました。



いつものことなんだけど、
飲まないのに、同じ温度感とテンションで騒いでくれる彼女には感謝しかない。

それから温泉入って、部屋でだらだらして、明日も早いから就寝。



4日(土)

萩市へ向かって朝7時に出発。

目指すは旧萩城の外堀から外側に広がる城下町

まだ朝早いからなのか、観光客がほとんどいない。

とても連休中とは思えない観光地の光景だが、
まだ暑くもなく、お散歩するのにちょうどいい時間。


昔の商家など、明治時代の建物が数多く現存する史跡地区。
維新の三傑の一人である木戸孝允の旧宅や、
蘭方医・青木周弼の旧宅、高杉晋作・伊藤博文ゆかりの円政寺などが点在しています。(公式サイト引用)




とりあえず誰それの旧宅に足を運び入れるものの、
"なんとなく知っている偉い人"くらいの認識しかなくて教養のなさを痛感。

ぜいぜい功績を言えるくらいには知っている桂太郎旧宅へ。

入ってみると、親切なボランティアのガイドさんがいらして、このお庭にある水琴窟(すいきんくつ)というおもしろい装置について説明してくれた。

手水鉢の足元にある黒丸の石に水をかけてごらん、と言われその通りにすると、かすかに地中から水の反響する音が聞こえる。
地面に竹筒を当てて耳をすますとコロコロと良い音がよく聞こえる。

写真撮り忘れたからなんのことやらさっぱりだと思う。すみません。

詳しくはググってほしいんだけど、
地中の空洞の中に水滴を落下させ、その音を反響させる仕掛けなんだって。

桂太郎まったく関係ないんだけど、はえーとなりました。


↑桂先生とわたし。↑この連歌好きだなぁ。(上の句が晋作)

そのあと松下村塾行こうと思ったらもう駐車場が満車。

泣く泣くあきらめて、次の目的地へ。
お昼はの駅 萩しーまーと内にある「来萩」さんで海鮮丼。

人気店らしく、名前を書いてしばらく待ったけど、
このお店はこの旅で入った飲食店のどこよりも店員さんがテキパキしていて回転率が良かった。笑

わたしが頼んだ海鮮丼は魚が超新鮮な食感!
山口のウニおいしいって聞いてたからオプションで付けたんだけど、甘くて本当おいしかった。抱えて食べたいくらいだった。




そして、この旅最後の目的地錦帯橋を見るため岩国へ。高速ぶんぶん。

言わずと知れた、世界的にも珍しい木造のアーチ橋前に到着。

駐車場も溢れんばかりの車。
さすがにこの時期、この時間だったのでたくさんの観光客がいた。

お金を払って橋を渡る。ぞろぞろぞろぞろ………


頑丈な橋だ。木造なのにすごいよね。

橋を渡った先にある吉香公園をふらっと歩いて橋を往復。
錦帯橋観光、所要時間30分くらい笑

まぁ一度行けばいいかなといった感じ。
橋はともかく、周辺は寂れた町で、錦帯橋以外見る所は特別ない。

かといって休憩するような場所もなく、
スジャータアイスに群がる観光客が鬱陶しい。わたしも観光客だけど。

混雑していなければ、風情があっていい場所なのかもしれないが……



最後にググって見つけた岩国基地近くのスムージー屋さんへ。
運良くブルーインパルスを見ることができた。


このパイナップルスムージー良心的な価格でしかもおいしかった〜

さすが基地の側、連休中で最も外国人がいた場所であった。インバウンドとは…………



これで山口県に思い残すことはない!と宇部空港へ戻ってこの旅は終了。

この通り、宇部から時計回りに県内を一周し、
主要な観光スポットはほぼ見てきたといっていいだろう。大満足だ。

今回の相棒、日産マーチと走った距離は560km。
飛ばしに飛ばしまくったので何もかも予定通り!がんばってくれました。


何年も一緒に旅行してくれる彼女との旅も、今回でもう何度目だろうか。

今回もどうせ楽しくなるとは思っていたが、笑いの絶えない旅だった。

性格を形成する基盤やバックグラウンドがよく似ているから合うのだろうと勝手に思っているけど、感謝感謝です!


毎年楽しい思い出を更新してくれてありがとう。

また次もどこか行こうね。