今国会の質疑を振り返りっておきます。全体前半部分はそれぞれリンクを参照ください。見ていただければ分かりますが、内閣委員会には本当に統一性のない法案がどんどん上がってきます。今国会、何度も政府に対して「内閣官房、内閣府に何でも押し込むのは止めるべき。もう一度、内閣官房・内閣府スリム化をやるべき。」と主張し続けました。こんな政府機構のあり方についてしつこく言い続ける野党議員は私だけだと思います。

 

● 医療ビッグデータ法改正案:希少性の高い疾患の方、医療面で特異値を出す地域のデータの扱いには気を付けるべき。一方、医療ビッグデータの活用を進めるためには、カネを出してくれる製薬業界をエンドユーザーとして明確に位置付けないと絶対に上手く行かないと主張しました。この指摘は医療ビッグデータ活用に関心のある方からは「よく言ってくれた」とご指摘を頂きました。質疑終局後に討論をしています。私はこの法律を作った7年前、修正を成立させ、参議院での審議で答弁に立っています。なので、法案政策の当事者だと自負しています。その思いを述べさせていただきました。

 

● 孤独・孤立法案(参考人討論):私からは「対応しなくてはならないのは孤独であって、孤独を一切感じていない孤立にまで対応する必要はないのではないか。」という法案のスコープの話をしました。この点、とても違和感があるのです。あと、この法律によってまた業務増になるのですが、既存の孤独対策との整理を付けないと屋上屋になるという懸念を表明しました。私は参考人質疑で、NPO法人「あなたのいばしょ」の大空理事長という素晴らしい方を知り得てよかったです。

 

● 4月28日内閣委:しつこいまでに内閣官房・内閣府の肥大化に警句を鳴らしました。「こんなの与党がやれ!」と言いたいです。その後、TPPについて聞いています。中国・台湾の加盟について、台湾は「歓迎している」という事なので、中国は「歓迎していない」のかと聞いたり、日米貿易協定交渉時、日米関係全体のバランスの中に防衛装備品購入は入っていたのかと聞いてみたり、それぞれ重量級の問いをしてみました。最後に日本学術会議について、同会議は何処までの防衛研究ならOKなのかを明確にすべきでは、と後藤大臣に振りました。

 

● DV法改正:現行のDVへの法的対応は裁判所を経由して行う事になっています。人権制限を伴うからです。しかし、裁判所に行く事など思いもよらないDV被害者がおられます。行政の権限でプッシュ型で対応できるような仕組みは持っておくべきだと強く主張しました。あと、被害者の一時保護(駆け込み寺的なものを含む)を法令上、もう少し明確に位置付けた方がいいと提案しました。

 

● 遊漁船業法改正案:法案審議前に、農産物の価格適正化のため生産者と消費者や加工業者が相対で交渉する事を定めたフランスのエガリム法を引用して、日本ではどうか?と聞きました。野村大臣は「そういう事をやっているのは牛乳だけなんだ。なので、日本でどうやって行くかは考えたい。」と非常に正直に言っていました。遊漁船については当地北九州でもたくさんあり、きちんとしている業者を振興し、そうでない業者は退場願うようにすべきです。また、規制がきちんと利くようにしなくてはならないという視点を中心に質疑しました。

 

● 5月24日予算委:TV入りでした。G7サミットを受けての予算委でしたが、私の前の方はあまり外交・安保については質疑しませんでした。短い時間の中、価値観外交、核不拡散、ウクライナ和平の見通し、解散・総選挙の見通しと幅広くやり取りしました。良いやり取りだったと思っています。

 

● 5月31日国土交通委:団地内の公園、コンパクトシティにおける公営住宅の役割、無保険車削減、自動車の民間保険支払い、バイオディーゼルの活用(軽油取引税の承認申請)といった幅広いテーマについて取り上げました。普段所属していない委員会なので、北九州市で抱いていた問題意識大放出という感じでした。与党議員から「コンパクトシティにおける公営住宅の活用は、目的外使用じゃなくて目的内使用にすべきだよなあ。」と指摘を頂きました。

 

● LGBT法審議(討論):これについては、私の思いは「討論」にすべて尽きています。与野党含めて、非常に好評を博した討論でした。

 

 という事で、これが私の通常国会の質疑すべてでした。多種多様なテーマに取り組んでいます。すべての問題意識の根底には、地元北九州市で伺う話があります。夏もビール缶片手に色々な話を伺っていこうと思います。「おい、林太郎、ちょっと話を聞け。」、大歓迎です。そして、私はそういう指摘から国会質疑のインスピレーションを頂いています。