24日、財務金融委員会で質問しました。画像はココ です。


 まず最初に国税職員の待遇について質問した後、ちょっとオタクなネタとして、「国際条約の国内担保方が暫定措置法なのは法的に不安定であり、問題なのではないか。」というテーマを振りました。WTO協定の国内担保法の一部は関税暫定措置法です。関税暫定措置法というのは、今国会にも提出されていますが、定期的に延長という立法行為が伴います。その法律は予算関連法案ですので、3/31までに通らなければ、4/1からいきなり違法状態になるということです。これは今から4年前のガソリン国会の際に問題になっており、その時の雑感をココ に書いています。問題意識は今でも同じです。


 その後、「関税から見た経済連携協定」というお題で質問しています。財務金融委員会でこういう質問というのは稀ですけども、まあ、これも良かろうと思って質問しました。内容は見ていただければ分かりますけども、主たる問題意識は「今後の経済連携においては、センシティブな品目は守る必要がある。だけど、センシティブだからといってすべて一緒くたにして守るべきかというと、関税分類表の分類を細かく進めていくことによって守る必要が高くないものを切り出すことが出来るはず。その作業を徹底的にやっていけば、かなり関税削減の数を稼げる。こういった作業の結果、これまでの経済連携協定の中で関税撤廃率が最多の88.4%(フィリピンとのFTA)から積み上げていって、最終的に95%まで撤廃率を上げることができれば、これからのハイスタンダードの経済連携協定でも戦えると思う。」ということです。分類学の世界を上手く使ってほしいということです。


 また、その過程で、例えば(これまで関税撤廃をしたことがない940品目の中で)関税率が低いものや国内生産が僅少なものも関税撤廃の潜在的な対象として勘案していけばいいということです。


 私は今後の経済連携を考えていく時にこの作業は不可欠だと思いますし、この作業は政務が主導するかたちでやるべきだと思います。事務方だけに任せていると、個々の物品を所掌する部局の声がとてもデカくなってしまって、真の意味での「ここまでやれる」が出てこないのです。このプロセスは政務が主導するべきだということも主張させてもらいました。


 最後に豚肉の差額関税制度について、「そろそろ、この脱税を促す制度も潮時じゃないですか。」と話を振りましたが、答弁はあまり芳しくなかったですね(かつて書いたエントリーはココ )。ただ、財務副大臣が私の質問に対して「緒方議員の問題意識も尤もなところがある」と答弁したことは、農林水産省的には痛かったのではないかと思います。いずれにしても、この制度だと輸出価格を不当に高く申告して、国庫に関税として納める額を少なくして、ポケットに入れる額を人為的に大きくすることができるわけでして、こういう10億円単位の脱税を促す制度は本当に潮時だと思います。今後の更なる課題にします。


 私は何でもかんでも自由化すればいいなんて全然思っていません。しかも、TPPを機に経済連携はハイスタンダードなものが求められるようになるでしょう。その時に、日本はきちんと「タマ」を揃えるべきです。タマを出すかどうかは交渉過程でやっていけばいいのです。ただ、タマを用意しないまま突撃していった先には「断腸の思いで苦渋の決断」にしかないのです。そういう不用心なプロセスはもう見たくありません。