あまり日本のマスコミは放映しませんでしたが、去年こういう映像 が世界に衝撃を与えました。


 まあ、簡単に言うと、中国チベットからヒマラヤを越えてネパール側に亡命しようとしているチベット僧を中国の国境警備隊が銃殺している姿です。しかも、この撃たれているチベット僧は少年です。チベットの聖人ダライラマ14世は、1959年以降インドのダラムサラ(発音ではダラムシャラーに聞こえるのですが)に亡命しています。このダライラマに会い、触れるために敬虔深いチベット僧はわざわざヒマラヤの難路を越えて行こうとしているのです。


 中国政府はこれに対して「チベット僧(中国政府的には中国人)に戻ってくるよう言ったが抵抗したのでやむを得ず撃った」という説明をしています。それがウソであることはこの映像を見れば明らかですね。本当にチベット人を中国人だと見なしているのであれば、その人達が許可なく出国(亡命)使用としている時に取るアクションは「狙撃」ではないはずですね。しかも、チベット僧はネパールやインドに逃げてもせいぜいやることは平和的な抵抗活動が精一杯です(ネパールやインドは過激な独立運動は認めていない)。狙撃するほどの意味合いもないように思います。


 以前も書きましたが 、中国チベットが独立していくことは無理でしょう。かといって、今のようにチベット地域を完全に中国化して行こうとする北京政府のやり方は多分上手くいかないでしょう。今、青蔵鉄道(青海省から西蔵(チベット)を結ぶ鉄道)ができて、どんどん中国文化が流入してきても完全な中国化は無理でしょう。何故無理かと聞かれても的確に答えられませんが、チベット文化を圧殺することは無理だと感じたのですね。北京は今の中国化政策を少し転換して、自治権を与える方向で進めたほうがいいように思います。


 中国の胡錦涛主席は天安門事件のちょっと前からチベット自治区のトップをやっていました。チベットの反乱を徹底的に弾圧し、天安門事件の際、戒厳令を引いて波及を防いだことで男を上げたと言われています。やっぱりそういうのが今の北京政府のチベット政策に反映しているんですかね。


 それにしても、日本はこういう映像を放映しませんね。中国政府に嫌われちゃいかんということなんですかね。そういう自主規制をしてちゃいかんよな、と思うのは私だけなんですかね。