これまで40ヶ国くらいの国に行ったことがありますが、最も忘れられない場所はチベットでした。ちょっとアホな旅行記を書いているので、詳細はそちらを参照ください。


(その1)http://ameblo.jp/rintaro-o/entry-10012590572.html

(その2)http://ameblo.jp/rintaro-o/entry-10012973229.html


(ちなみに私が薦める観光地は中国チベット、ウズベキスタン、スリランカの順番です。何処もお安く旅行できる上に確実に感動できます。)


 最近、中国チベットのラサまで鉄道が開通しました。中国政府が掲げる西部大開発の名の元に、青海省のゴルムド(これ自体チベット語の名前)という街からラサまでの1200キロくらいの間に遂に鉄道が引かれたわけです。ゴルムドからラサまで辛いバス旅行をしたものとしてはちょっと残念です。鉄道が通ってしまえば、既に中国化甚だしいラサは完全に中国化してしまいます。ラサはもうリアル・チベットを感じる場所としては適当ではないでしょう。ラサでは世界遺産のポタラ宮を見たら、あとは近隣のシガツェ、ギャンツェといった中堅都市あたりでリアル・チベットを感じる方が賢明でしょう。


 ダライ・ラマ14世は1959年以来インドのダラムサラに亡命したままです。もう一人の聖人パンチェン・ラマは10年くらい前に6歳のニマという名前の少年が指名されましたが、早速中国政府に政治犯として隔離されてしまい(世界最年少の政治犯らしい)、今は中国政府に指名された(別の)「パンチェン・ラマ」が存在していることになっています。中国は新疆ウィグル自治州とチベットの中国化に相当な労力を割いています。たしかに中国の支配下になければ、新疆ウィグル自治州はアフガニスタン化したでしょうし、チベットも今程の安定はなくせいぜいネパール並みの不安定さの中にあったでしょう。そういう意味で中国の一部としてのチベットということに意義を全く見出せないわけではありません(こういうことを書くとチベット独立派からは叱られますが)。


 ただ、チベットを中国化するのは文化の面でも、歴史の面でも無理があります。今、チベット仏教の本を読んでいますが、なかなか味があります。別にチベット仏教を信仰するつもりはないのですが、密教的な考え方に納得させられることが多々あります。もっとチベットの自治を認めてあげて、青海省、雲南省、そしてチベット自治区に広がる広大なチベット文化圏を守っていくことを強く望むんですけどね、私は。


 私はチベット独立はもはや無理だと思います。ダライ・ラマ14世も中国とガチンコをやって独立することはもう考えていないでしょう。広範な自治をどうやって認めてあげるかだと思います。そういう中、青蔵鉄道(青海省とチベット(西蔵)を結ぶ鉄道)が出来上がりチベットの中国化が既成事実化していくことは残念です。ただ、この程度の意見でも外務省チャイナスクールには「けしからん」と映るそうです。


 こんなことを書いていたら、またチベットに行きたくなりました。人生最大の夢はチベット仏教の聖なる山カイラス山を巡礼で1周回ることです。53キロあるらしいです。