治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ

衆議院議員おがた林太郎(福岡9区)が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。


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 少し前になりますが、今国会、「放射線教育に関する質問主意書」というものを提出しています。これは堺市で頑張っている盟友森山浩行元代議士から話がありまして、私の方で責任を持って纏めた上で提出したものです。

 

 私は決して「反原発派」というわけではありませんが、それにしてもこれはヒドい話です。質問の所だけでも読み物として(悪い意味で)面白いです。さすがに文部科学省も怒っているのでしょう。かなり詳細に答弁書が返ってきています。ご紹介させていただきます。

 

【質問】

 先日、文部科学省の今年度委託事業である「科学的な理解をすすめる放射線教育セミナー」において、一般社団法人「エネルギー・環境理科教育推進研究所」から大阪府堺市の小学校に派遣された講師が「カリウムをまいたやつを君たちは食物を通してとるよね。君たちの体にも放射線がちゃんと入ってる。良かったねえ。そんなこと言っちゃいけないか。」、「実は身の周りにたくさん放射線がとんでいる。も、どう?放射線って痛いわけでもないし、当たり前のように生活できるし、ね、そうだよね。」、「レントゲン。受けてない人?(手を挙げさせる)で、みんな受けてるでしょ。バーン!放射線、ドーン!受けてる。」、「放射線は、鉄とコンクリートは通さない。なんか(原発事故が)あった時は鉄板だらけの服を着て歩いちゃう。じゃなければコンクリートの中に入る。」といった講義をしたと聞いている。

 

  これを踏まえ、次の通り質問する。

 

一 何故、一般社団法人「エネルギー・環境理科教育推進研究所」に事業を委託しているのか。

二 本年度を含む、過去五年の同法人に対する本委託事業予算の金額如何。

三 同法人の委託事業に関するパンフレットには「今こそ、放射線教育・理科教育の充実が必要です。」とある。政府として「放射線教育」とはどのようなものであるべきと考えているか。

四 同パンフレットには、「エネ理研の放射線教育研修・出前授業の意義」として「放射線教育の推進と理科教育の充実に貢献していきます。」とあり、その内容として以下のようなものを掲げている。

  「1.放射線に対する正しい理解を図る

2.理科教員をはじめ教職員の教育力向上

3.学校における理科教育の充実を図る

4.研究会等での放射線教育の活性化

5.全中理の発展向上の働きかけ」

  (ア) 今回の講義で「正しい理解」は図られたと、政府として判断しているか。

  (イ) 今回の講義で理科教員を始め教職員の教育力は向上したと、政府として判断しているか。

  (ウ) 今回の講義で学校における理科教育の充実は図られたと、政府として判断しているか。

  (エ) 全国中学校理科教育研究会の発展向上を働きかけるために、何故、国費を投じるのか。

五 今次発言については不適切であったと考えるが、政府の認識及び対策について答弁ありたい。

六 少なくとも本年度については、同法人に対する委託事業を取り消すべきではないか。

 

右質問する。

 

【答弁書】

一について

 福島復興再生特別措置法(平成二十四年法律第二十五号)第五十七条、東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(平成二十四年法律第四十八号)第十八条等(以下「福島復興再生特措法等の規定等」という。)において、国は、放射線に関する国民の理解を深めるための教育等の必要な施策等を講ずるものとされたところである。

 これを踏まえ、文部科学省として、放射線に関する教育を推進するため、「放射線に関する教職員セミナー及び出前授業実施事業」(以下「事業」という。)を実施することとし、企画競争により、一般社団法人エネルギー・環境理科教育推進研究所(以下「研究所」という。)に事業を委託することとしたところである。

 

二について

 お尋ねの期間のうち、研究所に事業を委託した期間は平成二十六年度から平成二十八年度までの各年度であり、当該各年度における事業の経費として、平成二十六年度は五千六百六万八千八百三十五円、平成二十七年度は四千九百三十七万四千七百二十八円を研究所に支払ったところであり、平成二十八年度は五千百三十九万八十四円とする契約を研究所と結んだところである。

 

三について

 福島復興再生特措法等の規定等に基づき、放射線に関する国民の理解を深めるため、放射線の人体への影響、放射線からの効果的な防護方法等に関する教育を行うものと考えている。

 

四から六までについて

 御指摘の研究所のパンフレットについて政府としてお答えする立場にないが、事業は、児童生徒等に対する放射線に関する教育を推進するために実施しているものである。また、御指摘の「講義」は、児童を対象としたものであり、お尋ねの「教職員の教育力」の向上を目的とするものではなかったと承知しているが、事業により研究所から派遣された講師が、当該「講義」において、人体に必要な栄養素であるといわれているカリウムの摂取とカリウムに含まれる放射性カリウムの摂取を混同して説明したり、放射線から身を守る方法として一般的とは言えない例を説明したことのほか、当該「講義」における時間配分が不適切であったため、放射線の健康への影響や原子力災害が発生した場合の対応等に関し十分な説明が行われなかったこと等により、当該「講義」を受けた児童が、放射線に関し、科学的に誤った理解をする可能性があったものと認識している。

 このため、文部科学省として、平成二十八年十月二十五日に、研究所に対し、文書により、当該「講義」においてなされた誤解を生むと思われる発言を具体的に指摘するとともに、今後、事業により実施される授業において、講師の発言が誤解を招かないよう、また、科学的でかつ発達の段階に応じた適切な説明が行われるように、研究所において改善が図られるよう求めたところである。また、同年十一月四日に、同省担当部局が、研究所の代表理事等に対し、対面により、改めて同様の求めを行うとともに、児童生徒等に放射線の健康への影響等に関する科学的な知識を得させ、科学的に適切な理解をさせるための授業内容等の改善に関する対応策をまとめた報告書を早急に同省に提出するよう求めたところであり、お尋ねの事業の委託契約の取消しについては、これらに係る研究所の取組の状況を踏まえて判断すべきものと考えている。なお、御指摘の「講義」を行った講師については、研究所において、今後事業により実施される授業等に従事させないこととしたと承知している。

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 日韓漁業協定についてのこの記事に私が何度か出て来ます。昔、外務省条約課で担当だったので、非常に関心が高いです。今回取材に来られたのも、以前、こういうブログを書いていたのが目に留まったのではないかと思います。

 

 記事が良くかけているので基本的にはそちらを読んでいただければと思いますが、念のため、再度、水産庁、外務省から話を聞きました。まず、北部暫定水域については、カニ、イカがメインになります。カニについては北部暫定水域の東側が日本、西側が韓国という感じで、暗黙の了解による大まかな棲み分けをしているそうですが、やはり韓国側は乱獲で資源状況が悪くなってしまい、日本側に出てこようとする動きがあると言っていました。イカについても、それなりに棲み分けているようです。

 

 ただ、韓国は一旦カニ篭を沈めてしまうと、そのまま放置してしまうため、日本が底引き網で漁業をしようとしても引っ掛かってしまって、非常に漁場が荒れ気味になっている事は変わっていないようです。漁具をほったらかしにすると、そこにカニが集まってきて、どんどん無意味に捕獲されてしまうゴースト・フィッシングも確認されているところです。足がもげたカニが獲れる事も多く、それらはどうしても市場価値が下がってしまいます。暫定水域での韓国の立ち振る舞いの悪さは本当に問題です。

 

 そして、お互いのEEZへの相互入合については、今年度についてはまだ協議が整っておりません。聞いてみると、日本は済州島周辺でのサバ、韓国は長崎沖でのタチウオの操業を希望しているものの、記事にもあるように現時点では折り合っていません。ただ、韓国漁船の中には痺れを切らして入漁してくる者が絶えないようです。ルールに従わないやり方には拿捕という姿勢をきっちりと示すべきです。

 

 あと、ついでと言っては何ですが、韓国と日本の大陸棚の仕切りについて警句を鳴らしておきました。日韓大陸棚南部協定については、共同開発区域が設けられています。この区域は日韓中間線から日本に迫り出した部分です(つまり、中間線の日本側部分)。何故、そんな譲歩をしたかと言えば、当時の国際法の考え方では大陸棚については自然延長論が主流でしたので、それを踏襲したからです。しかし、その後、国際法の世界では、相対する国の間で距離が400カイリ未満であれば、中間線で仕切るという考え方に変わっていきました。その考え方に従えば、今の日韓大陸棚南部協定は一方的な譲歩に見えてしまいます。

 

 この協定、効力が50年なので2028年で期限が切れます。3年前、つまり2025年から交渉を始めることが出来ます。私は昔から「国際条約の中には『時限爆弾』的なものがある。最も差し迫ったのが日米原子力協定。その後に続きそうなのがこの日韓大陸棚南部協定。」と言っていましたが、現時点で発効してから38年ですから、あと数年もすれば本件が盛り上がってくるでしょう。共同開発区域では大した資源が出ないと言われています(7か所で掘ってみたけど目覚ましい結果は出なかったとの事)。ただ、お互いの主権的権利に関わる話ですので、今後、日本としてどういう考え方で臨んでいくのかはよく纏めておく必要があるとお役所側には伝えました。

 

 日本と韓国の海の話は、ともすれば竹島の話がクローズアップされがちですけども、経済的な実利として言えばこの漁業、大陸棚の話は非常に重要です。注目はまだ低い中、今後も随時追っかけて、政府に対策を働きかけて行こうと思っております。

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 今国会、官民データ活用推進基本法案という議員立法を通過させました。私が筆頭理事をやっている内閣委員会で審議したものです。無味乾燥な法案では分かりにくいでしょうが、概要としてはこんな感じです。

 

 あまり注目されておりませんけども、とても興味深いもので無限の可能性を持っている内容です。与党では平井たくや議員(内閣委与党筆頭)、福田峰之議員(内閣委理事)、野党では情報通信議連の原口一博議員、高井崇志議員が本法案では主として頑張っておられました。私は最後の所で現場監督をやっただけです。

 

 これは何かと言うと、お役所や事業者が持っているビッグデータ活用を促そうというものです。これだけだとピンと来ないかもしれませんが、「事例」を見ていただくとイメージが掴みやすいだろうと思います。我が北九州で言うと、交通局(市バス)、上下水道局、病院局、環境局(廃棄物)等にあるデータは宝庫なんだろうと思います。その他にも、例えば街路灯がきちんと整備されている場所の情報というのは、きちんと駆使すれば痴漢対策等に使えるという事になります。

 

 勿論、お役所の持っているビッグデータを活用できるようにする事は、ビジネスチャンスの開拓になります。まだ、私の頭では思いつかないような事がたくさんあるでしょう。事業者の方でビッグデータ活用に関心のある方は、この法律の施行後、関係官庁に働きかけて見られてはどうかと思います。

 

 また、その過程で必要となる、行政手続きのオンライン利用の原則化、地方自治体の情報通信システムの規格整備、互換性の確保(共通プラットフォームの整備)等についても書き込んでいます。

 

 実はこういう活用というのは、この法律がなくとも可能です。しかし、地方自治体の中には法律のかたちで背中を押してあげないと官民データの活用に踏み切れない所が多々あります。なので、基本法のかたちで「この法律に基づく限りは活用に踏み切っていただいてもいいんですよ。」とお伝えする事にしたわけです。

 

 勿論、個人情報保護については、昨年通った個人情報保護法改正で導入された「匿名加工情報」の考え方を徹底していきます。党内議論において、個人情報保護についてはきちんと書き込むようとの示唆があった事から、内閣委筆頭として条文の協議をさせていただきました。個人情報保護については、既存の個人情報保護法の義務規定がしっかりと維持されます。

 

 この法律では、都道府県には活用のための基本計画を作る義務が出て来ます。市町村でも、政令指定都市クラスは基本的にやってもらいたいと思っています(あくまでも努力規定ですが)。全国一律の基本計画ほど、つまらないものはありません。それぞれの自治体が事業者等ともよく相談しながら、特色ある基本計画を作ってほしいなと心から思います。与野党間で今後、自治体のへの説明・啓発活動をやっていこうと話しているところです。

 

 この件は与野党の協力が上手くいきました。どうしても対立ばかりが目立ちますが、こういう一面が国会にはあるという事をぜひ知っていただければと思います。

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 IR法をめぐっての色々な動きについてはあまり明らかにする事はしないようにと思っておりましたが、さすがにこういう事を言われてしまうと事情を説明せざるを得ません。IR審議をした内閣委員会で、現場の野党筆頭理事を仰せつかっていた事からほぼすべての事実関係を知っています。

 

 まず、今国会の流れについて説明します。第1回の内閣委員会(10/14)では閣僚の所信+人事院勧告の報告を受けました。そして、第2回(10/19)、第3回(10/21)の委員会で閣僚所信に対する質疑をしています。その後、第4回(10/26)に政府提出の宇宙関係2法の審議をして、我が方も賛成の上可決しています。その後、第5回(10/28)は一般質疑をやって、第6回(11/2)は政府提出の国家公務員給与法を我が方も賛成の上可決しています。

 

 そこから、暫く委員会は開かれていません。しかし、これはTPP採決、年金法案をめぐって国会が不正常化した事が大きな要因です。しかも、この間、私は与党から非常に要望の強かった官民データ利活用法案(議員立法)の党内討議にかなり東奔西走していました。また、参議院ではこれも与野党共に頑張ってきた「ストーカー規制法改正案」も、参議院先議で議論されていました。

 

 国会では不文律として「議員立法は与野党の見解が整ったものから優先的にやっていく。」ということになっており、官民データ利活用法案、ストーカー規制法改正案といった与野党合意が成立する可能性が高いものを優先するのは当然の運びです。言いたくない事ですが、もう一つ与野党が意見を一致させることが出来そうな法案がありました。「政治分野における男女共同参画法」、いわゆる「クォータ法」です。非常に関心の高いこの法案を党内議論の最終盤で荷崩れさせて留め置いているのは誰なんだ、という気持ちがないわけではありません。「党内がバラバラ」なのはそちらではないのか、と言いたくなります。

 

 我が方もきちんと党内調整が終わり、国会が正常化していた第7回(11/25)に「官民データ利活用法案」を委員長提案というかたちで採決しました。とても良かった事だと思っています。さて、ここで我々としては一般質疑を一回挟んで、参議院で委員長提案として可決された「ストーカー規制法改正案」を審議しようという段階でした。

 

(余談:ここまで読んでいただいて、宇宙関係2法、国家公務員給与法、官民データ利活用法、ストーカー規制法、IR法、クォータ法と全くタイプの違う法律がやってきている事にお気付きかと思います。共通点は「一つの省庁に収まりきらないネタ」という事だけです。なので、他委員会と違い、内閣委は何でも屋になってしまうのです。)

 

 そうしたら、突如先週11/29の本会議の途中に理事懇談会の申し入れがありました。内容は「明日(11/30)、ストーカー規制法改正案の採決をした上でIR法の審議に入りたい。」という事でした。普通は理事懇談会の要請は2日前、理事懇談会は前日開催で委員会立てという事でやってきております。あまりに性急な動きであり、私から「受けられない。」と答えています。そこで与党は委員長職権で委員会立てを決めます。

 

 加えて、我々としては、まず、2年半前に一度IR法案を審議した際の与野党合意をベースに議論したいという話はしました。当時は与野党共に、IR法案を審議するならこの程度の事はやらないとダメだという相場観があったわけです。なので、(若干修正を加えた上で)基本的にはそれを踏襲してほしい、我々が申し入れたのはこれだけです。

 

 しかし、怒涛の勢いで第8回(11/30)でストーカー規制法改正案の採決後、IR法の審議(我が方欠席)、第9回(12/2)の審議で採決に至ってしまいました。国家公安委員長、国土交通大臣(2年前の審議後にIR整備担当として指名)の出席は無く、参考人質疑(重要です)、地方公聴会(御関心のある地域の声を伺う)といった話も完全に反故です。

 

 私は内閣委員会の秋元委員長、平井筆頭理事、佐藤理事(公明党)を始めとする関係各位には色々とお世話になりましたし、今でも与野党の分を弁えつつきちんとお付き合いをさせていただいています。とても立派な方ばかりです。直感的に、遥か上の方から命令が飛んできているようにしか思えませんでした。

 

 恐らく批判としては、第6回(11/2)から第7回(11/25)までの時間が開き過ぎ、第8回で欠席したのはけしからん、第9回(12/2)の採決後退席したのはけしからん、それくらいだと思います。ただ、それぞれに理由があるのです。要望の強いもの、与野党で合意が成立しそうなものから丁寧にやっていた所に突然割り込んで来た上に、過去の合意を反故にして進めた経緯をすべて捨象して、冒頭の報道のような発言があるとさすがにムッとします。

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 世間ではIR法案の事をカジノ法案と言うと、「レッテル貼りだ。今回整備するのは、包括的なリゾート施設であり、カジノはその一部に過ぎない。」という反論が返ってきます。一見正しそうに見えますが、そうでもありません。

 

 まず、カジノを含まないリゾート施設を想像してみましょう。それを整備するために法律が必要でしょうか。普通のリゾート施設であれば、法律など作る必要はありません。

 

 では、今回、何故法律を作っているのでしょうか。それは刑法上の「賭博」に当たるカジノの違法性を阻却する必要があるからです。カジノを開設する行為は賭博場開帳、そこでカジノに参加するのは賭博です。刑法の賭博罪、賭博場開帳図利罪の構成要件は満たしています。時折、国会議員の中にも、「IR法が出来れば、カジノは賭博でなくなる。」という発言をする人がいますが違います。

 

【刑法】

(賭博)
第百八十五条  賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第百八十六条  常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2  賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
 
 では、何故、構成要件を満たしているのに、問題なくなるのかというと、違法性を阻却しようとしているからです。
 
【刑法】
(正当行為)
第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。
 
 つまり、ここで何が言われているかというと、法令による行為は罰しない、違法性を阻却するという事です。賭博罪や賭博場開帳図利罪の構成要件は満たしているけど、特別法によってこれらの罪を適用しないという考え方です。
 
 なので、ここで賭博及び賭博場開帳図利であるカジノの違法性を阻却しなくてはならないので「法令」が必要になるのです。だから、今回「IR法」というかたちでの法律を作っているわけです。そして、私が先週の内閣委員会でしつこくカジノの違法性阻却の話を聞いたのも、「そもそも違法性を阻却するための法律だ」という理由からです。
 
 こうやって考えていくと、「IR法」を「カジノ法」と呼ぶことには一定の論拠があるという事になります。繰り返しになりますが、カジノが無ければ法律など要らないのですから。
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 2日の金曜日、IR法案(いわゆるカジノ法案)について衆議院内閣委で質疑に立ちました。どうも採決の際のゴタゴタばかりがTVに映るので、それしかやっていないのではないかと思われる方も居られるでしょう。私が質問した内容を少し説明したいと思います。なお、映像はココです。

 

 冒頭、委員長に苦情めいた事を言ったり、提案者と業界の関係について質問していますが、まあ、その部分は映像を見ていただければ分かります。特に難しい事は何も言っていません。2日の短い審議で採決に至った経緯についても細かく書きたくはありますが、あまり書くと色々な人間関係を損ねますので、一言「非常に残念なプロセスだった」とだけ書いておきます。あと、提案者と業界との関係については、今後、徐々に明らかになってくるでしょう。

 

 中身的に重視したのは、賭博罪の違法性阻却の話です。カジノは刑法第185条における賭博です。ただ、別法で認める事で、刑法第35条における正当行為として罰せられなくなります。これが違法性阻却です。この違法性阻却については、法務省が着目点として、以下のような8つの点を挙げています。少し長い答弁ですが、重要ですのでそのまま引用します。

 

【平成25年11月20日衆議院内閣委員会】

○平口大臣政務官 お答えをいたします。(略)
そこで、お尋ねのカジノにつきましては、一般論として申し上げますと、刑法に、賭博罪、また賭博場開張等図利罪、こういうものがございまして、これらが成立し得る、このように考えております。

(略)
他方、特別法を制定いたしまして、賭博罪が設けられた趣旨に反しない制度が構築され、その範囲内で実施される、こういうふうな場合には、カジノに係る行為について刑法上違法とされないこともあり得る、このように承知をいたしております。
そもそも、刑法が賭博を犯罪と規定した趣旨は、賭博行為が、勤労その他正当な原因によらず、偶然の事情により財物を獲得しようと他人と相争うものでございまして、一つは、国民の射幸心を助長し、勤労の美風を害するということ、もう一つは、副次的犯罪を誘発し、さらに国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれがあるということ、こういったようなことにあるわけでございます。
そのため、法務省といたしましては、これまでも、刑法を所管する立場から、目的の公益性、運営主体等の性格、収益の扱い、射幸性の程度、運営主体の廉潔性、運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性、副次的弊害の防止、こういったような点に着目し、賭博に関する立法について意見を申し述べてきたところでございます。
これからも、賭博に関する特別法が検討される場合には、このような観点から協力したい、このように考えております。

【引用終わり】

 

 私の質問は単純でして、今回の基本法でこの8項目は漏れなく対応されているかという事でした。あれこれと答弁がありましたが、結局、すべてに対応しているという力強い答弁はありませんでした。ここにきちんと対応しきれていなければ、違法性阻却がきちんとなされるのかが分からないという最重要ポイントです。

 

 その上で幾つかの項目について聞きました。まずは公益性です。今回のIR法案の何処に公益性があるのか、と質問しています。色々答えていますが、その中に「財政に貢献」という事がありました。しかし、財政に貢献するためには、IR事業者から納付金を徴収しなければなりません。法律に書いてあるのは「徴収できる」です。してもしなくてもいいのです。これでは財政に貢献できない可能性を残すではないか、と聞いたら、最後には「IR事業者が払う税金」みたいな事を言っていました。それで公益性があるのなら、すべての株式会社は公益事業をやっている事になります。答弁として成立していません。

 

 「提出者としては納付金は徴収するとの理解」と言っていましたが、それなら法律で義務規定で書くべきであり、そういう提出者の「祈り」を答弁で開陳したからOKという事にはなりません。逆にそれでいいのなら、基本法では「カジノを認めます」と一行書いて、その後に提出者の祈りを滔々と開陳する場を設けてしまえばOKという事にすらなりかねません。法律の基本がなっていないと思います。

 

 そして、ここは質問できませんでしたが、この法律では、仮に納付金を徴収したとしても、それが例えば依存症対策や反社会勢力の排除といった事業に使われる事や、公益性のある事業に振り向けられる事が一切担保されていないのです。それらに使われて、かつ財政に貢献するのであれば、納付金の水準は以下のようにならないとおかしいはずです。

 

(納付金)>(カジノ導入に伴う様々な対策)+(公益性のある事業への支出)

 

 こういう担保はこの法律の中には一切書かれていません。

 

 そして、上記の8要件に「収益の扱い」という項目がありますので、「仮に収益の中で公益性のある事業に全くお金が振り向けられない場合でも違法性は阻却され得るか。」と法務副大臣に聞きました。ビックリしたのは、ここで「総合的判断」という言葉で逃げを打った事です。さすがに収益の内、一部が公益性のある事業に振り向けられないのであれば違法性は阻却出来ないと思っていたのですが、ここで定型の逃げ答弁をしたのは問題だと思います。

 

 その後、射幸心の話を聞いていますが、これは風営法と賭博の関係についてかなり深く聞いています。非常に「言葉遊び」の要素が強い部分で分かりにくいので、別途稿を立てます。なお、言葉遊びをしているのは私ではありません。これまでの政府答弁です。

 

 なお、よく「IRの中でカジノが占める面積は3%」という言い方をします。しかし、世界のIRの中には「収益の8割がカジノ」という場所もあります。安倍政権によくありがちな「都合のいい数字」です。面積が狭いからいいという理屈を振り回すのは、国民を欺く行為であり止めるべきです。

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 質問主意書(1回目2回目)について、フォローアップも兼ねて、法務省、警察庁から説明を聞きました。

 

 まず、以下の答弁についてです。

 

【1回目主意書の答弁書(抜粋)】

① 六について

客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあると承知している。

 

② 七について

ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。

【引用終わり】

 

 私が書いたとおり、①と②との間には何の連関性も無く、単に①については売却の事実があると承知している事だけでして、②では①も含めて賭博罪に当たらないと言っているわけではないとの事でした。②は「ぱちんこをして、それで賞品を得る遊技」は、それが風営法に従う限りは賭博罪に当たらないと言っているだけです。つまり、これらの答弁は如何なる意味においても「三店方式はOK」、「換金はOK」と言ったわけではありません。

 

 そして、①と②を組み合わせて質問したことについては、既存の以下のやり取りになります。ここは面白くもおかしくもない内容です。

 

【2本目の主意書と答弁書(抜粋)】

(質問) 答弁書の「六について」及び「七について」に関し、客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却した結果、風営法に基づく必要な規制の範囲を逸脱し、それが刑法第百八十五条に規定する罪に該当する事はあり得るか。ある場合、どのような状況下でそれが起こるかを答弁ありたい。

 

(答弁) ぱちんこ屋の営業者以外の第三者が、ぱちんこ屋の営業者がその営業に関し客に提供した賞品を買い取ることは、直ちに風営法第二十三条第一項第二号違反となるものではないと考えている。もっとも、当該第三者が当該営業者と実質的に同一であると認められる場合には、同号違反となるほか、刑法第百八十五条に規定する罪に当たることがあると考えている。

【引用終わり】

 

 なお、「当該第三者が当該営業者と実質的に同一であると認められる場合」については、風営法違反、刑法(賭博罪)違反双方の可能性がありうることについては要注意です。

 

 そして、ちょっと驚いたのは、ぱちんこは如何なる意味において賭博罪の適用がないのかという問いです。質問と答弁は以下のようなものです。

 

【2本目の主意書と答弁(抜粋)】

(質問) 答弁書の「七について」において、「ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。」とある。これは以下のいずれを意味しているか。

(ア)ぱちんこは、刑法第百八十五条に規定される「賭博」ではない。

(イ)ぱちんこは、刑法第百八十五条に規定される「賭博」であるが、同条の「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる」ものである。

(ウ)ぱちんこは、刑法第三十五条における「正当行為」に当たり、これにより同法第百八十五条に規定される「賭博」の違法性が阻却されている。

 

(答弁)風営法の規制の範囲内で行われるぱちんこ屋については、関係法令の規定に基づいて適切に行われるものであって、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。

【引用終わり】

 

 私はてっきり(ア)が答えで返ってくると思っていました。しかし、答えで示唆されているのは(ウ)ではない、という事だけです。フォローアップで聞いたところ、(ア)と(イ)のどちらかについては「一概には言えない。」との事でした。つまり、「賭博でないぱちんこ」もあれば、「賭博だけども、『一時の娯楽に供する物を駆けたにとどまる』ぱちんこ」も存在しているという事を示唆しており、ここは驚きでした。

 

 しかし、私が一番驚いたのは、実はここではありません。以下はちょっと思考回路が複雑なので、よく読んでください。まずは、関係する答弁を列挙します。

 

【1回目の答弁書(抜粋)】

風営法第二条第一項第四号の「射幸心」とは、偶然に財産的利益を得ようとする欲心をいう。

 

【2回目の答弁書(抜粋)】

先の答弁書(平成二十八年十一月十八日内閣衆質一九二第一二三号。以下「前回答弁書」という。)二及び三についてでお答えした「財産的利益」とは、経済的価値のある利得を意味する一般的な用語であり、この「財産的利益」は、御指摘の「現金や金(きん)」を含むものであると考えており、お尋ねの競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)等の「財産上の利益」と同様の内容であると考えている。また、前回答弁書二及び三についてでお答えした「欲心」については、一般的に、「ほしがる心。むさぼる心。欲念。(出典広辞苑)」を意味しているものと承知している。

【引用終わり】

 

 ここで述べられている事を若干つまみながら、風営法第二条第一項第四号の「まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」にすべて代入してみたいと思います。

 

「まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に偶然に現金を得ようとほしがる(又はむさぼる)心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」

 

 衝撃的な表現が出て来ました。評価は各位にお任せいたします。今回の2回の主意書のやり取りで一番驚いた部分でした。

 

 その他、もう少し興味深い所がありますが、私が明らかにしたいと思った部分は概ね明らかになりました。この辺りで質問主意書は打ち止めにしたいと思います。

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 風営法に関する質問主意書と答弁を踏まえて、再質問主意書を提出しておりましたが、今日の閣議決定を経て答弁書が返ってきました。そのまま載せておきます。

 

 あまり中身には入りませんが、正直なところ、「想像していた答弁と違っていたので驚いた。」、「役所の答弁はかなりキツそう。」という感想だけ述べさせていただきます。先の質問主意書よりも、私的にはこちらの方が更に画期的な感じがします。あとはもう少し色々と検討してみたいと思います。

 

【質問】

衆議院議員緒方林太郎君提出風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する質問に対する答弁書に関し、次の通り質問する。

 

一 答弁書の「二及び三について」において、「風営法第二条第一項第四号の「射幸心」とは、偶然に財産的利益を得ようとする欲心をいう。」とある。

(ア)「財産的利益」という用語が使われている法令は存在せず、過去の主意書答弁でもほとんど使われていないところ、何を指すのか。現金や金(きん)は含まれるか。

(イ)「財産的利益」とは、例えば、競馬法、自転車競技法、小型自動車競走法、モーターボート競走法、スポーツ振興投票の実施等に関する法律に規定のある「財産上の利益」とは異なる概念か。異なる場合、その違いは何か。

(ウ)「欲心」という用語が使われている法令は存在せず、過去の主意書答弁でも使われていないところ、何を指すのか。

 

二 答弁書の「四及び五について」において、「すなわち、「射幸心を助長」するまでに至らないものであっても、「射幸心をそそるおそれのある」ものに該当し得ると考えられる。」とある。この答弁の中にある「射幸心」とは、いずれも風営法第二条第一項第四号の「射幸心」を指しているか。

 

三 答弁書の「七について」において、「ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。」とある。これは以下のいずれを意味しているか。

(ア)ぱちんこは、刑法第百八十五条に規定される「賭博」ではない。

(イ)ぱちんこは、刑法第百八十五条に規定される「賭博」であるが、同条の「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる」ものである。

(ウ)ぱちんこは、刑法第三十五条における「正当行為」に当たり、これにより同法第百八十五条に規定される「賭博」の違法性が阻却されている。

 

四 答弁書の「六について」及び「七について」に関し、客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却した結果、風営法に基づく必要な規制の範囲を逸脱し、それが刑法第百八十五条に規定する罪に該当する事はあり得るか。ある場合、どのような状況下でそれが起こるかを答弁ありたい。

 

右質問する。

 

【答弁】

一について

先の答弁書(平成二十八年十一月十八日内閣衆質一九二第一二三号。以下「前回答弁書」という。)二及び三についてでお答えした「財産的利益」とは、経済的価値のある利得を意味する一般的な用語であり、この「財産的利益」は、御指摘の「現金や金(きん)」を含むものであると考えており、お尋ねの競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)等の「財産上の利益」と同様の内容であると考えている。また、前回答弁書二及び三についてでお答えした「欲心」については、一般的に、「ほしがる心。むさぼる心。欲念。(出典広辞苑)」を意味しているものと承知している。

 

二について

前回答弁書四及び五についてでお答えした「射幸心を助長」の「射幸心」は一般的な用語として用いたものであり、「射幸心をそそるおそれのある」の「射幸心」は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号。以下「風営法」という。)第二条第一項第四号の「射幸心」を指すものであるが、両者は同様の内容であると考えている。

 

三について

風営法の規制の範囲内で行われるぱちんこ屋については、関係法令の規定に基づいて適切に行われるものであって、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。

 

四について
ぱちんこ屋の営業者以外の第三者が、ぱちんこ屋の営業者がその営業に関し客に提供した賞品を買い取ることは、直ちに風営法第二十三条第一項第二号違反となるものではないと考えている。もっとも、当該第三者が当該営業者と実質的に同一であると認められる場合には、同号違反となるほか、刑法第百八十五条に規定する罪に当たることがあると考えている。

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 アメリカ大統領選挙において、トランプ候補よりクリントン候補の方が200万票多かった事が話題になっています。日本の感覚では分からないかもしれませんが、私はこれがアメリカの良い所だと思います。

 

 こんな事が何故起きるかと言えば、選挙人という制度を取っているからです。そして、その選挙人の数は、上院議員の数+下院議員の数となっている事が今回のような事態の背景にあります。上院議員100人(2人×50州)+下院議員435人+コロンビア特別区3人で538人です。なので、過半数は270人です。

 

 アメリカでは、下院は厳格に人口比で議席を配分します。何故なら国民(人口)を代表するからです。一方、上院は州を代表しています。正に「United States」を体現していると言えるかもしれません。どんなに人口が少ない州でも上院議員は2名です。なので、人口の少ないワイオミング(56万人)などは上院議員2名、下院議員1名ですので選挙人は3人です。一方、人口が最大のカリフォルニア州(3725万人)は55名(上院2、下院53)です。

 

 人口比で行くと、カリフォルニアとワイオミングの差は66.5倍(3725/56)です。しかし、選挙人数で行くと18.3倍(55/3)です。上院議員が一律に2名割り振られている事の結果として、こういう違いが出てきます。結果として、人口が少なく(人口比では)過剰代表気味の中西部や南部で勝ったトランプ候補が、得票数が少なくても勝ったのです。

 

 上院は州(国土)を代表し、下院は国民を代表するという理念系がこういう影響を及ぼすという事ですが、これはアメリカだけではありません。フランスでもとても似た制度になっています。

 

 フランス憲法第24条には以下のような事が書いてあります。

 

【抜粋】

Les députés à l'Assemblée nationale, dont le nombre ne peut excéder cinq cent soixante-dix-sept, sont élus au suffrage direct.

Le Sénat, dont le nombre de membres ne peut excéder trois cent quarante-huit, est élu au suffrage indirect. Il assure la représentation des collectivités territoriales de la République.

 

 簡単に言うと、国民議会議員(下院)は上限を577人とし、直接選挙で選ばれると書いてあります。逆に元老院(上院)は上限を348人とし、間接選挙で選ばれるとなっています。そして、元老院については、共和国の地方自治体(collectivites territoriales)を代表するとなっています。フランスの上院は市町村長+選ばれた議員による投票ですが、フランスはとても地方自治体の数が多く、人口100人くらいの市町村がたくさんあります。そういう市町村でも1票必ず持っています。結果として、小さな市町村の声が強くなります。

 

 アメリカも、フランスも手法の違いこそあれ、国土(州、地方自治体)を代表するという役割を議会制度の中で上院に担わせているという事になります。そこでは一票の格差は問題になりません。代表しているのが人口ではないからです。

 

 私は日本という国家を考える時に、こういう国土を代表する議員の存在というのがあってもいいのではないかと思います。美しい国土、自然、大地を代表する議員という事です。ワイオミング州は確かに人口が少ないですが、ロッキー山脈、グレートプレーンズ、イエローストーン国立公園を始めとする素晴らしい国土はアメリカ人の貴重なアイデンティティを成しているでしょう。

 

 勿論、過疎地、農村地が人口比では過剰代表になります。私は昔から(若干の誇張を加えて)、日本人が出会うアメリカ人の大半は東海岸、西海岸、五大湖周辺出身なので、そのステレオタイプに影響されやすい、しかし、アメリカの本質はこういうディープな地域にある、政治分野においてその砦となっているのが上院であると言ってきました。上院ではそういうディープな地域が、人口に比すれば過剰代表となっているわけです。フランスでも同じです。上院は農村地域が人口に比すれば過剰代表となるので、フランスの農政が非常に既得権保持に傾きがちとよく言われます。

 

 しかし、そういう現象をそもそも「過剰代表」と思わず、そういうものなのだ、何故なら国土を代表しているからだ、と思うように出来ないかという事です。国家の要素は国土、国民、主権とされます。その国土を代表制の中に盛り込む事は日本の国のあり方としてむしろ当然ではないかという事です。

 

 このアイデアは、生臭い話をすると我が党には全体として不利なアイデアになると思います。それは分かっています。ただ、今の衆議院、参議院は共に同じもの(人口)を代表しています。それは実は世界の憲法体制の中では決してスタンダードではありません。

 

 いずれにせよ、その辺りの理念系をはっきりさせる事はとても意味のある事だと思います。

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 私が提出し、答弁が戻ってきた風営法に関する質問主意書について、どうも世間に「読み違い」が流布しているようです。これは「霞が関文学」の最たるものでして、読み違えることは仕方ありません。本件はもう少し情報が揃ってから思いをまとめる予定でしたが、誤解を放置しておくと良くないと思いますので、ここで投稿しておきます。

 

 まず、答弁書の中で注目されているのはこの2つです。

 

【答弁書】

① 六について

客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあると承知している。

 

② 七について

ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。

 

 これを受けて、世間では「ぱちんこの換金を政府が認めた。」、「三店方式にOKを出した。」といった評価になっているようです。しかし、よく読んでみると、そんな事は何処にも書いてありません。

 

 まず、①ですが、これは景品の換金行為がなされている事を承知していると書いてあるだけです。それに対する法的な評価はありません。そして、②について、まず、冒頭の「ぱちんこ屋」が何を指しているかですが、これは風営法上の「遊技」としてのぱちんこを指しています。つまり、遊技をさせて景品を渡す、これだけです。なので、そういう遊技であるぱちんこは賭博に当たらないという、いわば当たり前の事を当たり前に書いているだけです。

 

 ①と②が並んで書いてあるのでどうしても誤解したくなりますが、それぞれの答弁をよく読むと何処にも「換金行為がOK」、「三店方式がOK」などということが読める内容ではありません。

 

 つまり、答弁のこの部分だけでは、そこまでの驚きはないはずなのです。重要なのは、①と②を結びつけた時の判断です。換金行為があった時に賭博行為に当たる事例は無いのか、という事になるでしょう。

 

 なので、私は再質問主意書を提出しています。色々な事を書いていますが、その問四で以下のような質問をしています。

 

【再質問主意書(抜粋)】

答弁書の「六について」及び「七について」に関し、客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却した結果、風営法に基づく必要な規制の範囲を逸脱し、それが刑法第百八十五条に規定する罪に該当する事はあり得るか。ある場合、どのような状況下でそれが起こるかを答弁ありたい。

 

 霞が関文学というのは、一語一語をよく追わないと読み間違えますので要注意という好事例でした。

 

 ただ、それを差し引いたとしても、先の質問主意書答弁については「画期的」な部分があると思っています。なお、何度も言いますが、私は遊技産業に対する特段の感情はありません。また、一連の主意書は誰かの働きかけを受けてやっているものでもありません。あくまでも法的論点の詰めをやっているだけです。

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