百年企業を創る!情熱の【社長の保険】 -2ページ目

百年企業を創る!情熱の【社長の保険】

【社長の保険】は事業保険とは似て非なるものです。

拝啓 逓増的保険の名義変更プランの提案を受けている社長様

悪いことは申しません。お断りされることをお勧めします。

その理由について、まとめて書きたいと思います。


内容は、

①生命保険と節税について

②保険屋の矜持の話

③社長の生命保険はどうあるべきか

④それでも実行するならば

⑤生命保険の本質とは


本日は、①生命保険と節税について


節税は何のために行うか

保険会社に、内勤社員として勤めていた頃、

生命保険を活用した節税の全盛期でした。

当時考えていた節税の目的は、

納税という資金流出を最小限に抑え、

会社を財務的な側面から防衛する為であり、

利益を繰り延べ、

事業資金を計画的に未来に繰り越すことでした。

当時、私は、そんなテクニックに溺れ、

それこそが、正しく発展への近道である

と勘違いしておりました。



独立して、

売上高で、百億円を超える規模の

経営者の方々と御縁を賜り、

色々なことを教えて頂きました。


節税について教えて頂いたことは、

そのまま繁栄の法則に適しています。


節税の本質

節税は、効果が絶大なものは、

会社の存在そのものを揺るがしかねないリスクがあるし、

効果の小さいものは、

もちろん魅力も薄い。


節税は、従業員のモチベーションを奪う。

事業とは、

それを以って世の中に貢献する

というのが本質である。

故に、

目的としての節税は、

その本質から逸脱するものである。

つまり自社さえよければいい、

お金さえ儲かればいいという行動と

従業員には思われやすい。

中堅・中小企業の多くは、オーナー社長である。

資本家と経営者が一致しているところで、

節税という行為を目的にすると、

従業員から、

オーナー社長は、個人的利益追求が目的のように

見えてしまう。

決して、それだけではないことは、

多くの経営者を見ていて、声を大にして

言いたいが、経営者の心底までは、

従業員の想像は、届かないのである。


トップマネジメントが、率先垂範する行為は、

良いことは、中々真似てくれないが、

悪いことは、直ぐに真似られる。


経営者は、増収増益にこそ、

その経営力を注ぐべきであり、

節税やコストダウンという発想は、

組織が、怠惰にならない程度で十分である。


節税は、

お金がないからその魅力に惹かれるのであって、

お金がある企業にとっては、

不要ではない程度のことである。


正直、独立当初、私自身も、

一所懸命、節税をしようとした。

何故なら、お金がなかったからだ。

しかし、お金が貯まらない。

貯まらないので、自転車操業が続く。

そんな繰り返しを何年かした。


結局、先輩の経営者に、

そもそも、税金を払っても、お金が残る、

そして、お金が貯まる

ビジネスのモデルを作らない限り、

事業は発展しないということを、

教えて頂いた。


経費として必要なものは、経費になった方がいい。

前払等で、資産にしてまで、税金を支払う

必要はもちろんないが、

わざわざ、不要な経費を作ってまで、

節税に労力を奪われることは、

不毛以外の何物でもない。


優遇された制度を利用して、

万一に備えて、ある程度、

利益を繰り延べておく知恵は、

勿論、必要であるし、

オーナー社長が、最後の貸し手として、

企業規模に相応しい位の

資産家になっておくことは、

企業防衛上、絶対にしておかなくては

ことでもある。


これらを考慮したとき、

わざわざ、導入する提案とは、

到底思えないのが、

逓増定期保険の名義変更プランなのである。

拝啓 逓増的保険の名義変更プランの提案を受けている社長様

悪いことは申しません。お断りされることをお勧めします。


有り難いことに、数年前に書いた

2012/02/17
逓増定期保険の名義変更を活用した節税プランを採用された方はお気をつけください。

2014/03/10
逓増定期保険の名義変更プランってどうよっ!

が、未だに、多くの方にアクセスして頂いております。

最初の記事から、既に 4年経過しており、

環境も変わってきております。


既に、絶滅しているものと思いきや、

3月を前に、各所で提案を受けている社長がいらっしゃるようで、

メール等で、ご相談も頂くケースが増えております。

基本的に、直ぐにお断りされることをお勧めしますが、

その理由について、今日から、まとめて書きたいと思います。


内容は、

①生命保険と節税について

②保険屋の矜持の話

③社長の生命保険はどうあるべきか

④それでも実行するならば

⑤生命保険の本質とは


リスクコンサルの 逆説! 営業マネジメント術

を読んで頂いている皆様、もう暫く、お待ちくださいませ。


緊急の危機対応を迫られたとき、

二割の非難

二割の寛容

六割の無関心

からスタートと思うことだ。


非難の声は大きい。

大きい故、それが、八割占めているように感じられる。

しかし、スタート時点で、体勢を占めているケースは稀だ。


危機対応の初動は重要だ。

声が大きい非難の声は、容易にその輪が広がってゆく。

初動を誤れば、更に勢いがつく。


ペアング事件を思い出してほしい。

初動で、無関心の人のかなりの部分まで、

非難の輪が広がった。


非難の声の大きさに負けず、

自分たちが提供する「価値」を信じてくれていた人たちに、

裏切った部分を詫び、その状況を正しく直く説明し、

小さな約束(例えば、明日も最新情報を届けますといったこと)

を繰り返し、繰り返し、守ってゆくことで、

本来の価値を、必要以上に貶めている「印象」という

化け物を、退治し、顧客との理性的なコミュニケーション

を取り戻さなくてはならない。


貶められている状況が深ければ深いほど、

理性を取り戻してもらうための施策は、

巨額のコストを費やしたインパクトのあるものでなくては

ならなくなってしまう傾向が高まる。


初動から、対応を重ね、

理性を失わず、寛容でいてくれている二割に、

声を上げやすい環境を整えることで、

無関心の六割を、早く味方につけ、

早期に第一回復目標、すなわち、理性が感情に優り、

冷静な判断で評価される状態にできるのである。


現在のところ、ベッキーさんが置かれている立場は、

酷い状況である。

一人の女性が負えるような非難ではない。

倫理上問題であることに変わりはないが、

現代社会においては、離婚も、再婚も、

一昔前に比べ、社会は寛容であるはずだ。



危機対応、その後の事業回復を考えるなら、

手順を間違え、前妻はじめ、その周りの人を傷つけ、

それらの印象が、スポンサーが支払った金額を違え、

その先にいる、消費者や視聴者を裏切ったということを

今一度、真摯に謝罪し、

事態の回復に向けて、小さな約束を履行し続けるという

行動で、信頼をもう一度積み重ね、

今後、どのような活動で、社会に貢献してゆくか、

宣言し直し、マイナスから出発と、

価値の再形成を行動で示すしかない。


ただ、事業を畳み、一人の女性として

静かな生活を取り戻すのであれば、

男性の側が、守ってあげてほしいと思う。


芸能事務所の経営理念とは、

どのようなものが適当なのであろうか。

個人事業主としての芸能人の経営理念とは、

どのようなものが適当なのであろうか。


所謂、サラリーマンにとって、

プライベートとオフィシャルの境界線というものは、

色々な議論がある。


明らかなことは、個人事業主に、

プライベートというものは、

残念ながら存在しないということだろう。


誰からも興味を持たれない個人事業主など、

数多く存在する。

必死で、自分を見てくれと主張しても

誰も、興味など示さない。

ところが、そうやって、何かしらをきっかけに、

多くの人に興味を示してもらえるようになり始めると、

突然、プライベートなのでと、扉を閉ざそうとする。


プライベートとオフィシャルの境界は、

少なくとも、自分で決められるものではない。

相手、すなわち、興味がある側が、決めるものなのだ。


ウェブ環境の充実や、SNSの登場により、

物理的な制約が低くなり、

限られたメディアに取り上げられる人だけが、

超えられた物理的な制約を、

誰もが、容易に超えられるようになってしまったことは、

多くの人が感じている。


そうなると、社会人と言われる全ての人は、

もはや、プライベートだとかオフィシャルだとか

そういう議論とは、無縁な世界に足を踏み入れているといって

過言ではない。



「何を以って、世の中に貢献してゆくか」

事業主となれば、誰もが、仕事を通じて、

何かしら世の中に、価値を提供することで

対価を得るということと対峙する。



現代社会においては、社会人の誰もが、

自身が所属する組織や団体の理念に加えて、

この命題を自問してゆかないといけないように

なってきていると言える。


そう考えたとき、

ベッキーさんの危機対応は、

一体、誰に、どのような価値を提供して、

世の中に、貢献していくのかという、

最も大事なところの視点が、

全く見えてこない。


恐らく、この事象を見て、

所謂、「叩かれている」という印象が強いだろうが、

本来、価値を提供して、対価を得ていたものを、

価値を違えたため、対価は払えませんと

言われているだけなのだが、

どうしても、プライベートなどという言葉が、

この現象を、曖昧に伝えてしまっていると思われる。


一層のこと、プライベートなどという空間は、

社会に関わる大人には、存在しないと考えてしまえば、

対応は、もっとシンプルになるのだと思うのだ。



直近の危機対応事案で、誰もが失敗と認める事案は、

ベッキーさんの事例だろう。


単なる芸能ニュースと思われがちではあるが、

週刊誌でネガティブな記事が掲載され、謝罪会見等の対応をする・・・、

これは、明らかに、危機対応事案である。


この危機対応は、二つの事業体が共同で行ったと

考えるべきである。

芸能事務所とタレントという個人事業主である。


危機対応は、全社一丸となって対応しないと、

簡単に収まるものではない。


組織をまとめあげて、連動した行動を促すことは、

容易なことではない。多くのリーダーが、種類は違えど、

多かれ少なかれ経験しているかと思う。


二つの事業体が、互いの思惑を一致させて、

危機対応に臨むのは、綱渡りと言って

過言ではないだろう。


よほど、お互いに腹を割って話し合い、

真実を包み隠さず打ち明けて、

被害もその後の回復も、

一体となって、結果を全て、

一緒に受け止める覚悟がなければ、

そうそう上手くいくものではない。


謝罪会見の後、

謝罪会見の対象となる報道がされるわけだが、

その後、謝罪会見そのものを否定するような

報道が、LINEの記録という証拠と共に出て

致命傷となったが、こうなっては、もはや、

手の施しようがないと言える。


実際に、雪印事件やミートホープ事件、船場吉兆事件など、

後追いで、ポジションペーパー(公式見解)を覆す

ような事実が出てくると、もはや、小さな信用を積み重ねて、

コミュニケーションを円滑に進めるということが

できなくなるのだ。



危機対応の道筋を決めるとき

落ち込みの最深部をどこに想定するか

そこからどうやって、回復するかで、

行程を決め計画を練る。


そして、ステークホルダーの中でも、

売上に直接関係する顧客・取引先に

様々なメディアを通じて、情報を発信し、

コミュニケーションを取りながら、

流言やデマ等を抑え、

ついて来てもらえるように、

努力しなくてはならない。



行程を決めるにあたり、二つの事業体は、

記事の内容を否定することで、

テレビ番組の出演、CMの出演等の営業面について、

現状維持を希望し、小さな印象面での落ち込みを

謝罪会見で、埋めようと試みたと考えられる。。


このとき、二つの事業体の行程が明らかに異なっていた。

危機の後、

事務所は、基のスキャンダルとは無縁なタレントに 

本人は、相手が離婚後、ほとぼりが冷めた頃合いを見て、

結婚、タレント活動も継続?、

これでは、シナリオが崩壊しても仕方がないのだ。


また、そもそも誰に謝罪するかという点もずれていた。

番組にしろCMにしろ、直接的なスポンサー向けの

謝罪会見であった旨の報道があったが、

本来は、それに加え、スポンサーの向こう側にいる

消費者や視聴者、ファンに、

提供すべき商品を違えたことに対する謝罪を

主にすべきであったものを、

殆ど、無視してしまっていたように思う。



人のふり見て我がふり直せではないが、

危機対応は、大変な事態であり、直面しているときには、

逃げだしたくなるくらい誰にとっても辛いことだと思う。


しかし、逃げずに、乗り越えたとき、

企業も個人も、大きく成長しているケースが多い。


危機対応時に、リーダシップを発揮しなくては

ならない地位にある方におかれては、

こういった事例に対し、

常に、自分なら、同のように対処するか、

シミュレーションをして頂きたい。

そういった、感覚が、

リスク感度を高め、早期発見、早期対応に繋がり、

事故を小さく収める能力に繋がる。




企業の不祥事事件や事故で、

経営危機に陥るのは、

事件や事故等が直接の原因ではなく、

信用失墜から起こる、その後の営業不振により、

会社が傾くケースが多いのです。


今般、株式会社壱番屋(coco壱番屋)が巻き込まれた

事件に対する危機対応について、

直接的な事件・事故でなかったことから、

ペヤングソース焼きそばゴキブリ混入事件や

ベネッセ個人情報漏えい不正販売事件のような

切羽詰まった決断ではなかった点もあるでしょうが、

多くの示唆的な教訓が垣間見えますので、列挙します。



今回の危機対応から学ぶべきこと

◎迅速な対応は、コストを最小限に抑える

◎適切な対応は、顧客を始めとするステークホルダーの評価を、危機対応以前以上に高める

◎適切な対応を迅速に行うためには、日々の事業活動の積み重ねが重要である

◎品質管理等の、日の当たらない地道な業務が、脚光を浴びる

◎企業活動とは、経営理念の実現を目指す、行動規範実践の場である

◎新しい価値を構築でき、その価値をメディアを使って宣伝できる

◎危機対応の成功は、ブランド力を高める効果が絶大である

◎危機対応の成功は、従業員に自信と誇りを抱かせる

等々、


ココイチのホームページに記載されているお知らせと

メディアを流れるニュースを並べてみて、

感じたことである。


大手企業は、リスクファイナンスによる、危機対応への制約は、

比較的限られているが、

中小企業の場合、危機対応は、リスクファイナンスの範囲内でしか

対応できない可能性が高い。


そのため、日頃から、保険、内部留保、含み益、融資枠、

オーナー社長の場合は、最後の貸し手としての資産形成

等のリスクファイナンスに気を配り、

緊急時に、どのくらい使える資金があるか

把握しておくことが重要であるし、


迅速に、かつ、適切に実行することで、最小限のコストで、

最大限の効果を挙げられるよう、日頃から、準備しておくことを

お勧めしたい。







企業の不祥事事件や事故で、

経営危機に陥るのは、

事件や事故等が直接の原因ではなく、

信用失墜から起こる、その後の営業不振により、

会社が傾くケースが多いのです。


株式会社壱番屋(coco壱番屋)が巻き込まれた

今回の事件について、

廃棄処分になったビーフカツが、

スーパーで販売されていたという

最初のニュースを聞いたとき、

皆さんは、消費者の一人として、

どんなことを想像したでしょうか?

また、思ったでしょう。


・coco壱番屋(ココイチ)もグルか!?

・廃棄処分って、大量に捨てるなんて勿体ない。

・安いものには、こういう裏があったのか。

・ミートポープ事件と同様の実態ではっ!?

・怖い。不安。スーパーで、そういう商品は買わない。

・ココイチに行くのは、暫く控えよう。

挙げればきりがないとは思いますが、

ざっくり、こんな感じではないでしょうか。


危機対応においては、

これら、ステークホルダー達の心理を読みながら、

迅速で、正しい情報と、

経営理念に掲げられている

また、行動規範に掲げられている

言葉に違わない行動内容を、

逐一、発信することで、

平時の状況に、回復してゆかなくてならない。


その意味で、株式会社壱番屋は、

再発防止策の発表までに、

五日という短い時間しか要しておらず、

その内容も、的確に、

ステークホルダーが抱くであろう疑問に

応えている。


事件を起こした会社との関係。

許認可を受けた事業者であること等から、

取引をすることに、不備がないこと。

立ち入り検査も実施しており、

自社としては、悪意を持った行為でない限り、

事故が起きない体制を取っていたこと。

ステークホルダーに心配をかけたことに関するお詫び。

今後の管理体制について、ステークホルダーが、

「そこまでやらなくても・・・」と思えるくらい

徹底すること。

食品の安全体制に対する姿勢を維持しながら、

廃棄物を減らす努力をすること。


と、顧客や取引先を始めとするステークホルダーが

思っているだろうことを、相手の立場になって考え、

応えているのだ。


相手の立場になって考えるということは、

日頃から、トレーニングしておかないと、

こういった緊急時に、容易にできるものではない。


日常のトレーニングとは、まさに、

営業現場そのものであり、顧客が、

商品・サービス以外に、どのような見えない価値を

一緒に購入しているかを、感じ取ることと言える。


顧客は、意識、無意識に関わらず、

単に、商品・サービスを購入しているだけでなく、

それに付随する価値も、合わせて購入している。


それは、事業者が法的に守らなくてはならない

規制で守られている、安全性であったり、

品質であったり、

事業者が、一般的な商慣行やモラルで実施している

積極的な、品質維持策であったり、

事業者が、自身の経営理念で実現しようとしている

更に積極的な、社会貢献、つまりは、

安全で美味しくて、お客様を幸せにすることであったり、

そういった見えないものを日頃から感じ取ることで、

万一のとき、守らなくてはならない

価値

見えてくるのだ。


リスクマネジメントは、一朝一夕にできるものではない。

日頃から、実践していることの

披露の場とも言えるのだ。


特に、危機対応は、

日々の営業において、如何に

商品・サービスの、見えない価値を高め、

顧客のために提供しようと努力しているかが、

垣間見える瞬間と言えるのである。


企業の不祥事事件や事故で、

経営危機に陥るのは、

事件や事故等が直接の原因ではなく、

信用失墜から起こる、その後の営業不振により、

会社が傾くケースが多いのです。


よって、クライシスマネジメントの現実的なゴールは、

リスクファイナンス※の範囲内で、

どれだけ売上高を落とさずに、

回復目標を達成するかにあります。


そのためには、

リスクファイナンスというコストをかけて、

これまで、商品購入時には見えなかった価値を、

これまでと、これからのお客様や取引先

を始めとしたステークホルダー全てに、

白日の下に示さなくてはならない。


その価値を示す言葉として、中心となるのが、

経営理念です。


今般の、株式会社壱番屋(ココイチ)の

経営理念を読むと、今回の行動を想起させる言葉が容易に見つかる。


「お客様の期待にお応えすることができているから。

しかし、私たちにとってのゴールは期待を超える

感動をお届けすること。その感動の先に、私たちが目指す、

真に地域・社会になくてはならない存在があるのです。」


この言葉をカタチにした行動が、

今回の危機対応と考えれらます。


経営理念を行動としてカタチにするのは、

簡単に思えて、極めて難しいことです。

なぜなら、自分たちが、そう思って行動しても、

これまでの、そしてこれからのお客様や

取引先を始めとするステークホルダーから見て、

その行動が、経営理念を表わすものであるか否かは、

別であるからです。


例えば、余談ですが、

これまで、お客様や取引先に、営業担当者がついて、

色々とサービスをしていたところ、

一部のサービスについて、フリーダイヤルを導入したとします。

窓口が二つになる手間、

電話口で、本人確認をしてもらう手間、

事の成り行きを、毎回、最初から話す手間、

等々、

営業担当者がサービスしていたときからすると、

お客様や取引先にとっては、二手間も、三手間も増えます。

こういった判断を、顧客第一主義を抱えげている会社が

行った時、会社側は、経営理念を実現する手段と考えて

変更したのでしょうが、顧客や取引先側は、

明らかに、サービス劣化と捉えるのです。

矛盾は、組織の、あちらこちらに溜まり、

トラブルの遠因として成長します。


こういったことに、気づく感性のないリーダーが、

リスクマネジメントの指揮を執ることは、

極めて危険なのです。


話を戻します。


危機対応において、どのメディアを利用して、

ステークホルダーに、経過を報告するにしろ、

ポジションペーパー(公式見解)を作成し、公表してゆきます。


株式会社壱番屋のポジションペーパーが。

お知らせとなります。

このポジションペーパーの内容を作成する際、

伝えたい相手(ステークホルダー)からみて、

ポジションペーパーの内容や表現が、

経営理念の実践となっていなくては、

彼らの期待に応えたとは言えないこととなります。


危機対応時、リーダーとなる方には、

是非、一読され、

お知らせの向こう側にある、現場で、

どのような対応がされていたか、

想像を膨らませて頂きたい。


そして、自社で、事故が起きたことを想定し、

考えを深めて頂きたいと切に願います。
企業の不祥事事件や事故で、

経営危機に陥るのは、

事件や事故等が直接の原因ではなく、

信用失墜から起こる、その後の営業不振により、

会社が傾くケースが多い。


よって、クライシスマネジメントの現実的なゴールは、

リスクファイナンス※の範囲内で、

どれだけ売上高を落とさずに、回復目標を達成するかにある。


廃棄品横流し事件の

カレーハウスCOCO壱番屋(ココイチ)の対応は、

素晴らしいの一言だと思う。


今般の事故について、ココイチは、被害者である。

しかし、ニュースの論調の流れは、

ハウス食品グループという大手企業の一員である

ココイチに、管理責任を問うような方向にあり、

かつての偽装事件のように、もしかしたら、

意思疎通があるようなことを想起して、

事件を追っていたのではと、私自身は感じる

伝わり方だった。


事件の第一報は、1月14日

翌日には、続報が入り、ほぼ、全容解明され、

一週間も経たない19日には、再発防止策まで

発表されている。

同社のお知らせ

その素晴らしい対応が、垣間見られる。


企業が危機に陥った時、リーダーとなる方には、

是非とも、このお知らせを一読頂きたい。


一読した後、どういう思考プロセスで、

今回の行動に繋がっていったか、

考えて頂きたい。


そして、自社で、似たようなことが起きたとき、

どのような思考プロセスを辿って、

どんな行動を起こすか、また、起こしたときのコスト、

部下たちのの受け止め方と動き方、

顧客や取引先の反応、

未来のお客様である社会
(会社の規模に寄って可能な限り広い範囲)の反応、

地域社会の反応、

あらゆるステークホルダーの反応に加え、

その後の売上高の推移まで、

想像を膨らませてほしいのである。


見直すべきこと7 失敗体験に学ぶ3

営業マネジメントを行うに当たって

営業担当者に

自らの経験を分析し、それをシェアすることで

組織で仕事をすることの素晴らしさを伝える。



失敗学の第一人者である

東京大学 の 畑村洋太郎 名誉教授は、

その著書 「使える失敗学」で、

失敗者に対する、組織内での役割について

以下のように記している。

友人(同僚)・・・失敗した人を思いやりつつ自ら学ぶ

先輩・・・自分の失敗談などは解決後にして、まず、手伝う

上司・・・部下の成長を考えながら、重大な事故に至らないよう指導する

教育者・・・致命的な失敗は避けつつ、失敗すべきは失敗させ、
事故や失敗を防ぐための知識を正しく吸収させ、
当人の成長を促す

経営者・・・何としても、致命的な失敗を避ける

このシリーズで、営業マネジャとしているのは、

上司であり、教育者である。

社長がこれを兼ねている場合は、それに、

経営者の役割が加わることとなる。


この役割を逆説的に考えると、

営業担当者は、昇進して、営業マネジャになるためには、

部下を指導し、成長させ、ながら、

失敗を、最低限の被害に留めるという離れ業を、

習得しなければならないということになる。

つまりは、失敗に、学び続けること。

すなわち、

①自らの体験を積むこと、

②小さな体験を基に、想像力を駆使し、

失敗の範囲を広げて考えてみる

失敗の期間を、長期にして考えてみる

失敗の質を、高度にして考えてみる

など、シミュレーションを繰り返すこと

③他人の失敗に対し、自分が、先輩の立場なら、

 上司の立場なら、教育者の立場なら、経営者の立場なら

 それぞれどう考え、行動するかシミュレーションを繰り返すこと

して、その日に備えるのだ。


営業マネジャの最も重要な仕事は、

次の営業マネジャを育成することにある。

そのためにも、失敗を大いに学ぶ機会を

作る必要がある。