拝啓 逓増的保険の名義変更プランの提案を受けている社長様
悪いことは申しません。お断りされることをお勧めします。
その理由について、まとめて書きたいと思います。
内容は、
①生命保険と節税について
②保険屋の矜持の話
③社長の生命保険はどうあるべきか
④それでも実行するならば
⑤生命保険の本質とは
本日は、②保険屋の矜持の話
大手生保の「租税回避商品」是か非か
中小企業オーナーにうま味も 法律的にグレーゾーン
逓増定期保険の名義変更プランについて、
数年前に比べ、
多くの方が、ブログやホームページに
ネガティブな内容を記載するようになった。
税理士が、大手を振って
最高の節税プランなどと言っていた
数年前を思えば、随分まともになった
印象である。
このプランの問題点は、
租税回避行為の可能性が高いことに加え、
利益相反取引に当たること、
複数の株主がいて、
株主間の相互理解が取れていない場合、
株主代表訴訟の恐れがあること、
最低四年は、継続しなくてはならないため、
資金不足になった時、手立てがないこと
等が挙げられる。
しかし、それ以前に、
保険屋の矜持として
契約書上、いつでも、保険会社の都合で、
履行を止められる内容になっていることを
何も触れずに、提案することは、
ビジネスの信義上、如何なものかと
考えるのだ。
契約時に、名義変更の話をしておき、
例えば二年後、保険会社は、一方的に
名義変更の事務処理を行わないと、
内規を変えるだけで、
できてしまうと、約款っ!
つまりは、契約書に書かれている。
名義変更は、約款上、
『保険会社が認めたとき』
行うことができると書かれている。
表現は、各社異なるが、概ね同じだ。
つまり、認めないと言えば、名義変更は、
できないということだ。
現在まで、名義変更について、こうした事務処理の
停止は行ってはいない、しかし、同じ表現を使っている
別の事務処理は、停止したケースがある。
その昔、某保険会社の役員が、
当社は、将来に渡って、約款上
「保険会社が認めたとき」という
表現で記載されていても、
現在認めている事務処理を
停止することはありませんと
言ってきたことがあった。
「金融庁から指摘されても」
という一文を入れて、文書で出せますか
と問うと、以後一切、この件については、
連絡が途絶えた。
免許がないと事業ができない。
認可がないと商品が売れない。
こういった業界で、
個人がどんなに頑張っても、
どうにもならないことなのだ。
代理店は、独立した事業体であるから、
保険会社とは一線を画したところで、
いられるかというと、そんなことはない。
法律上の生命保険募集人は、あくまで、
保険会社に所属していることとなっている。
代申会社と呼ばれる保険会社に所属しているところで、
複数の生命保険募集人があり、内一名が、
専門課程という、生命保険募集上の上位資格を有し、
業務管理責任者・教育管理責任者として、
募集に関する法令遵守を管理できる組織体に対し、
特例として、他社も扱える(同時に所属できる)
とされているだけだ。
そのため、代理店の規模に関わらず、
生命保険を販売する者の管理責任は保険会社にあり、
事業体は別であっても、
保険会社の営業担当者で、契約を媒介する者
という位置づけと考えるべきだ。
要は、顧客から見たとき
保険会社と代理店は一体であり、
契約書上、いつでも逃げられる文言にして、
販売しているという、
保険屋の矜持の問題なのだ。
保険会社は、
ある日突然、内規を変える。
引き受けの基準なども、しょっちゅう変えている。
商品の販売停止など、社内通達一本で終了だったりする。
保険会社の経営という観点では、
予定利率と予定死亡率、予定事業費率
計画値と実績値の乖離こそ
重要な経営指標であり、
その微調整を
内規の変更や引受基準の変更、
販売ラインナップの変更で行っているに過ぎず、
販売の現場で、
どのような約束が交わされているかなど、
興味はないのだ。
そもそも、
逓増定期保険の名義変更プランなどというものを、
提案する行為事態、保険屋として、
本業から逸脱する行為であるとご理解の上、
社長様に置かれては、
接して頂きたいと切に願うのである。