
「がん」について、業務中の疾病として労災に認定されるケースは、
極めて稀であることから、業務外の疾病として考えることが自然です。
(上記表のA1からA3のところを参照頂きます。)
そのとき、社会保険は、以下のようになっております。
死亡した場合、国民年金、厚生年金から、「遺族年金」
障害状態になった場合、国民年金、厚生年金から、「障害年金」
入院・手術・投薬等の治療が必要となった場合、
健康保険から、「治療費の7割や高額医療費」などが支払われます。
健康保険からお話しますと、昨日のBlogでご紹介しました
がん治療費.comで胃がんの第二期で治療費を見て見ますと、
定型手術+再発予防薬物療法
胃の3分の2以上と胃の近くのリンパ節を切除した後、
再発予防目的で経口の抗がん剤を1年間飲む治療。
と表示され、約300万円と計算されて出てきます。
単純に考えて、この金額の3割が、個人負担ということとなります。
300万円×30%=90万円
さらに、高額療養費制度によって、
(保険外併用療養費の差額部分や入院時食事療養費、
入院時生活療養費の自己負担額は対象になりません。)
一人、一ヶ月の自己負担額は、
上位所得者(給与の標準報酬が月額53万円以上)
150,000円+(総医療費ー500,000円)×1%
一 般(給与の標準報酬が月額53万円未満)
80,100円+(総医療費ー267,000円)×1%
低所得者 (住民税非課税世帯)
35,400円
なお、同一世帯で1年間(直近12か月)に3回以上
高額療養費の支給を受けている場合は、4回目からは
自己負担限度額が以下のとおりに変わります。
(多数該当)
上位所得者〈83,400 円〉
一 般〈44,400 円〉
低所得者 〈24,600 円〉
となり、
仮に、一月に、100万円の医療費(総額)がかかったとしても、
一般の場合
80,100+(1,000,000円ー267,000円)×1%
=87,400円
が、自己負担額の上限となります。
こうやって計算してみると、決して十分とはいわないまでも、
他国と異なり、国民総保険のありがたさを感じるのは、
私だけでしょうか・・・。
しかし、「がん患者、お金との闘い」でも指摘があるとおり、
高額療養費制度には、欠陥もあり、そのひとつが、
入院については、「現物給付」つまり、
差額のみを支払うことで、精算することができるけれども、
通院については、一度自己負担分を窓口で支払い、
三ヵ月後に、高額療養費の払い戻しが入金されるため、
その間の、立替分が、大きな負担となってしまっているそうなのです。
〈高額療養費の現物給付化〉
70歳未満の方であっても平成19年4月より、
入院に係る高額療養費を現物給付化し、一医療
機関ごとの窓口での支払を自己負担限度額まで
にとどめることができるようになりました。
この制度を利用するには、事前に全国健康保険
協会に「健康保険限度額適用認定申請書」を提
出し、「健康保険限度額適用認定証」の交付を
受け、医療機関の窓口に認定証と被保険者証を
提出してください。
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/kyufu/kyufu06.htm
話を戻します。
これまでのお話は、治療費で、
これに保険外併用療養費の差額部分や入院時食事療養費、
入院時生活療養費の自己負担額を加えて考える必要があります。
より具体的な事例を見てみますと、
公益財団法人生命保険文化センターの事例を
ごらん頂きますと、以下のとおりです。
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/medical/11.html
自己負担額をご覧になられて、如何でしょうか。
考慮していただきたいのは、事例2の最後に
「現在は、抗ガン剤の内服治療を行いながら外来通院中です。」
とあるとおり、現在進行形で事例は終わっています。
抗がん剤治療の金額を考慮しますと、
前述のとおり、毎月最低44,400円の支出が続き(一般の場合)、
うち、年に三ヶ月は、多数該当の軽減措置がなく、
さらに、高額療養費の立替分を、加算する必要があります。
結論としまして、
健康保険制度によって、非常に高額な医療費が社会保険によって
まかなわれ、そして守られています。
しかし、自己負担3割とはいえ、
がんの治療費は、そもそもの金額があまりに高額であるために、
その経済的負担は極めて重いといえます。
そして、抗がん剤治療が長期に渡ると、
その負担は、あまりにも重く、
私たち、民間の保険に関わる者としての責務を感じるのでした。
つづく・・・。
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