夫の精神科の受診日。
「パパ、精神科へ行こう!」
「行かないよ、精神科には絶対行かない。」
「なんで!」
「精神科医に依存症は治せない。
まんまと精神科に行けば精神科医に、
『君は鬱病だ、
双極性障害だ、
不眠症だ』
と病名をでっち上げられて、
向精神薬を処方される。
僕は薬物依存症だから、
とにかく薬を一切やめなければならない。
向精神薬なんか処方されたら、そっちを依存してオーバードーズしてしまう。
向精神薬の依存性は本当に恐ろしいんだよ。
違法ドラッグの末路は、
『運が良ければ刑務所行き、
運が悪ければ死』
というが、
向精神薬は刑務所には入れてもらえないから、
死ぬしかなくなるよ。」
「プロの精神科医が、あなたを鬱病だとか双極性障害だとか、病名をでっち上げるわけないじゃん。」
「君は精神科医の実態を知らなさすぎる。」
「精神科医は、6年間医学部に行き、国家資格を取得されたエキスパートだよ。
歯の治療は歯科、
目の治療は眼科、
薬物依存症は精神科でしょ。」
「虫歯の治療と、依存症は違う。
精神科に依存性は治せない。
精神科医は、ドラッグの売人だよ。
向精神薬を、診療報酬目当てに患者にガンガン処方して、金儲けをする。」
「医師を志した立派な人間が、
そんな悪魔みたいなことするわけないじゃん。
だいたい何の為に?」
「金儲けの為だよ。
アメリカの製薬システムの闇だ。」
「あなた、ドラマや映画の見過ぎじゃない?」
「逆だよ。
ドラマや映画に出てくる精神科医は、作り話だから立派な人が多い。
凜こそドラマや映画ではなく、
報道やドキュメンタリー番組を観てごらん。
製薬会社や、
腐敗した精神科医だけではなく、
鎮痛剤を処方できる内科医、整形外科医までもが、
処方薬でアメリカじゅうの患者を薬物依存症にした。
天文学的な被害額で、
ついにはアメリカ政府が、製薬会社を訴えたんだよ。
世の中はね、恐ろしいほど金の為に腐敗した医師だらけだ。」
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「あなた中二病ですか?」
「凜こそ、世の中を知らなすぎる。」
「私の精神科医グラッド先生は立派な人だった。」
「確かに、それは僕も思う。
しかし残念ながら、グラッド先生のような薬を処方しないで、カウンセリングだけしてくれる精神科医こそ少数派だ。
医者が給料として得られる診療報酬が何倍も違うからね。
あの時はただ運が良かった。
他の精神科医だったら、君まで薬漬けにされたかもしれない。」
「精神科に行かなくて、薬物依存症をどうやって治すつもり?」
「繰り返すが、
精神科医に依存症は治せない。
僕が毎日、『今日一日だけはやらない』という毎日を死ぬまで続けていくしかない。
カトリックの神父様もみんな言ってるだろ、
『精神科医に依存性は治せない。
むしろ精神科にかかると、多くが悪化するから、行くな。
信仰に頼りなさい。』
って。」
「確かに言ってたけどね。
でも何か…何かやらないと!」
「”何か”って何?
周りに何ができる?
僕が死ぬまで毎日、
『今日一日だけは薬をやらない』と、残りの人生を積み重ねて生きていくだけだよ。」
「何か…途方もないな。
他に手っ取り早く、スパッと薬物依存症を完全に治す方法はないの?」
「凜、薬物依存症は治らない。
脳が依存症を記憶してしまった。
僕は『治す』ではなく、
死ぬまで毎日、
『今日一日だけは薬をやらない』を積み重ねていくだけだ。
君と子供、そして僕自身の為に。」
「何で児童相談所のキャリッサに『行きます』って嘘をついたの?」
「『行かない』と言ったら、キャリッサに延々と説得されて、危なかった。
だから『行く』と嘘をついて説得を交わして、
ただ受診日に行かなかった。
そうすれば、いずれキャリッサもあきらめるから。」
この会話、
一見、
治療を拒むバカな夫に見えますが、
完全に夫の方が正しかったのです。
あの時…
私が夫を引きずってでも連れて行きたかった精神科。
夫が必死で私に抵抗してくれて、本当に良かったと
思い出しながら書いています。
あの時、夫が向精神薬ほしさに精神科に行ってたら、
夫の崩壊はもっともっと
早かったでしょう。
それからアメリカだけだと思っていた、
ドラッグの売人と化した精神科医…
日本にも
沢山いました。
くやしい。
私の夫は、
大切な私の子供たちの
たった1人の父親、
そして
私のたった1人の
大切な夫でした。
優しくて真面目な人でした。
松本俊彦先生のような、
もちろん、立派な精神科医は沢山います。
松本俊彦先生が同業の精神科医を切り込んだ、
「精神科医は白衣を着た売人」