【前回のお話は下記リンクからどうぞ】










【前回のあらすじ】


調査報告書が無事に手元に届き、協議離婚で話を進めていこうと思ったが、調停に発展する可能性を考え、法知識を持っている離婚の専門家である弁護士に「このまま離婚を進めていいか」相談することに決めた。


ネットで検索したところ、弁護士の無料相談は『法テラス』がヒットした。


法テラスについてよく調べてみると、利用するには条件をクリアしていることが必要だった。


私は早速、HPに載っていた電話番号に電話をかけ「無料相談を利用したい」旨を伝えた。

いくつかの質問に回答した後、自宅から車で約25分ほどの距離にある法律事務所を紹介された。










法律事務所では、無料相談のため面談は1時間しかない。



限られた時間の中で、自分の中にある疑問点を解消したい。




無料相談では、弁護士にどの程度事情を話せばいいのか分からなかったので、質問を考えたがあまりピンとくる内容ではなかった。


そのため、自分の頭の中を整理するためにも、過去から現在に至るまでの夫の不貞証拠や離婚原因の切り口になりそうな出来事をとにかく書き連ねた。





弁護士事務所に行く前の私は、何をどうしたら良いか分からなかった。


具体的にどんな質問をしたら良いか分からず、とにかく弁護士さんと話が出来れば、解決の糸口が見えるだろう、と思い込んでいた。




無料相談前日に過去の出来事を振り返りまとめた私は満足し、ぐっすりは眠ることはできないが寝床についた。








無料相談当日。


私は幼稚園に通う娘を送り届け、下の子供二人を連れ、私のお母さん付き添いの元、弁護士事務所へと向かった。



無料相談の予約を取った際、電話口の方に弁護士事務所からの伝言として「前後の予定もありますので、お約束した時間通りにお越しください。」と伝えられたので、予約時間通り到着した。





受付のような場所で私の名前を伝えると、個室へと案内された。


時間ピッタリに男性の弁護士さんが部屋に入ってきて、簡易的な自己紹介(名前を言う程度)をした後、

「お聞きしたいことをどうぞ。」と早速本題に入ろうと促された。





私はまず夫の浮気に気付いたことから話していったが、弁護士さんからの反応は薄かった。




私は無料相談を受けに来るまでは、心のどこかで弁護士さんが同情したり慰めの言葉を掛けてくれるのかなと思っていたが、実際そんなことは全くなかった。



ただ淡々と相談を聞き、適切な回答をしてくれる。




ここは、カウンセリングの場じゃないんだ。

私の気持ちに寄り添う場所ではないんだ。



そうしてほしいなら、カンセリングルームに行けばいいんだ。


でも、私がしてほしいのはカウンセリングではない。どうすれば自分が優位な立場で離婚を進めることができるかの方法だ。




話しているうちにそう悟った私は、これまでの事を長々と話すのではなく

「私が有利な立場で離婚できるか」を聞くために、探偵社から受け取った調査報告書(スマホに保存されているPDF)を弁護士さんに手渡した。




弁護士さんは「拝見します」とひとこと。


スマホ画面をスクロールして調査報告書を見始めた。






「これは…すごいな…」


と苦笑交じりに独り言を呟きながら、調査報告書を最後まで閲覧した。


「ありがとうございました。お返しします。」と言葉と共に、弁護士さんは私のスマホを手渡した。





「見せていただいた調査報告書は、旦那さんの不貞証拠としては充分なので、もしも調停になった時に使えます。

もしも旦那さんと直接、離婚の話を進めることができるのであれば、そのまま示談で進めてよいと思います。


有責配偶者は旦那さんなので、あなたが主導権を握り、有利な立場で離婚を進めることができると思いますよ。」




その言葉を聞き、私は安堵した

私が求めていた、安心する言葉だった。




「ありがとうございます。離婚届を提出する前にすべきことを教えていただきたいです。」



「お子さんもまだ小さいですし、公正証書養育費や慰謝料などの取り決めをしてから離婚届を提出しましょうね。」



「…公正証書。わかりました。

本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。」





弁護士さんから助言を受け、相談時間終了よりも早くに私が求めていた話を聞くことができた。






私は家に向かう車の中で“公正証書”について調べ始めた。